小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 海野議員にお答えいたします。
デフレの原因とデフレ対策についてのお尋ねであります。
日本経済はここ数年緩やかなデフレの状態にあり、これは戦後初めての経験であります。
要因としては、安価な輸入品の増加等の供給面の構造要因、内需の弱さから来る需要要因、銀行の金融仲介機能が低下しているという金融要因があり、これらの要因が総合的に物価下落に作用しております。
また、戦後、他の先進国においてもこうしたデフレの状態は例がないものと認識しております。
デフレ克服は経済財政運営における重要課題であると認識しており、政府としては、不良債権処理の加速や今般の補正予算の編成など経済活性化に向けた取組を進めてきたところであります。また、日本銀行におきましても、量的緩和政策を継続するなど、これまでもデフレ克服に向け様々な努力をしてきたところであります。
今後、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向け、政府は日銀と一体となって総合的な取組を実施していくことが必要であると考えております。
国債増発についてでございますが、平成十四年度当初予算の編成に当たっては、税収が五十兆円程度にとどまると見込まれる中で、八十兆円を超える歳出の規模、内容について、財政の規律を確保するため、国債発行額三十兆円を目標としました。
今回の補正予算の編成に当たっては、当初予算編成時には想定し得なかった税収の落ち込みや、経済情勢に応じて大胆かつ柔軟に対応する観点からの雇用、中小企業などのセーフティーネットの構築や構造改革推進型の公共投資などの経費の追加の財源として国債の追加発行に踏み切ったところであり、政策転換という御指摘は当たらないと考えております。
補正予算の効果についてでございますが、十四年度補正予算においては、日本経済の再生に向けて構造改革の加速に合わせて緊急に措置することが必要な施策及びデフレ抑制に直接的に資する施策として、国費ベースで雇用、中小企業等のセーフティーネットの構築に一兆五千億円、構造改革推進型の公共投資に一兆五千億円の予算措置を講ずることとし、十五年度当初予算と併せ、経済活性化に向けた切れ目のない対応を図ることとしておるところであります。
政府としては、今般の補正予算は必要な施策を厳選したものと考えており、これらの実施により、不良債権処理の加速に伴う雇用、中小企業への影響に十分対応できるようなセーフティーネットが構築されるとともに、構造改革推進型の公共投資の効果が早急かつ着実に発現され、民間需要、雇用の創出につながることが見込まれるものと考えております。
為替政策についてでございますが、郵貯、簡保、年金といったいわゆる公的資金は、その性格から安全な運用が期待されているため、為替リスクを伴う対外投資の割合にはおのずと限度があります。また、仮にその割合を高めたとしても、様々な市場の需給によって決定される為替レートに、これのみによって大きな影響を与えることは困難と思われます。
いずれにせよ、為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要と考えており、必要に応じて適切な措置を取っていくという為替政策に変更はありません。
中国人民元は、現在、米ドルに対して事実上固定されていますが、対円ではその時々のドル・円レートの変動につれて変動しています。他のアジア通貨の中には、韓国ウォンのように基本的には市場において調整がなされる変動相場制のもの等、様々な制度が併存しています。
他国の通貨の相場水準の適否について言及することは差し控えさせていただきますが、為替は国民経済に大きな影響がある一方、通貨の交換レートである以上、必然的に相手国が関係いたします。したがって、必要に応じ、為替の問題を含め各国経済をめぐる問題について二国間や多国間の場でいろいろと議論し、相互理解に向けた努力をしていくことが重要であると考えています。
自由貿易協定の推進及び経済特区についてですが、自由貿易協定を含む経済連携の強化は、WTOを補完し、貿易、投資の促進を通じて経済の活性化に資するものであり、積極的に推進してまいります。
また、構造改革特区の導入は、国内外の企業を問わず、投資に魅力的な地域とすることを目的としています。幾つかの地方公共団体からは外国資本の導入を図る構想が出されており、今後作成される構造改革特別区域計画において、内外からの投資を呼び込む魅力的なものが申請されることを期待しております。
補正予算の内容についてでございますが、小泉内閣としては、日本経済の再生のためにはデフレを克服しながら構造改革を進める以外に道はないとの認識の下、活力ある民間と個性ある地方が中心となった経済社会の実現に向け、不良債権処理の加速を含む金融、産業の再生策、都市再生等の構造改革に全力で取り組んでいるところであります。
平成十四年度補正予算においては、これらの構造改革の加速に併せて、緊急に措置することが必要な施策及びデフレ抑制に直接的に資する施策を盛り込むこととし、民間需要誘発効果や雇用創出効果が特に高い施策を厳選して予算措置を講じているところであり、経済の再生に向けた小泉内閣の姿勢と軌を一にするものであると考えます。
消費税率の引上げについてのお尋ねでありますが、私は、在任中、消費税率を引き上げる考えはありません。小泉内閣の大きな目標は、歳出の徹底した見直し、行財政改革を徹底的に行うことが先であると思いますが、消費税の議論については封殺するものではありません。大いにしていただいて、今後のあるべき税制あるいは社会保障の負担と給付、そういう問題を絡めて議論していただくことについては歓迎いたします。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕