竹中平蔵の発言 (本会議)

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○国務大臣(竹中平蔵君) 海野議員から五点の質問がございました。私も重複を避けて御答弁をさせていただきます。
 まず、大手銀行の資本増強についてのお尋ねでございます。
 金融庁としては、昨年十月の金融再生プログラムを取りまとめ、平成十六年度までに不良債権問題を終結させるという内閣の方針の実現に向けて、資産査定の厳格化等の施策を講じてきたところであります。
 これに呼応して、各銀行においても資本増強等の様々な取組を行っているというふうに承知をしておりますが、一般論で申し上げれば、現下の厳しい経済情勢の下で、各行が金融再生プログラムを受けて不良債権問題の解決に向けて積極的に取り組みつつある、健全性の確保のため財務基盤の強化を図るということは、これは必要であるというふうに考えております。もちろん、その際重要なことは、とにかく結果を出していただくことであるということでありますので、その点については引き続き注意を持って見守りたいと思っております。
 なお、バーゼル銀行監督委員会の議論におきましては、一般的な銀行、生保間の持ち合いについては通常の資産として取り扱うというふうにされておりますし、また新BIS規制の公式の議論の対象にもこれはなっていないというふうに認識をしております。
 補正予算の効果をどのように見込んでいるのかというお尋ねでございます。
 平成十四年度補正予算におきましては、民需の誘発効果や雇用創出効果が特に高いものを厳選しまして、事業規模で四・四兆円程度、事業融資規模を含めたベースでは十四・八兆円程度を確保しているところであります。
 補正予算の効果でございますけれども、新たな雇用機会の創出、各種セーフティーネットの構築により雇用への好影響が期待されるわけでありますが、公共投資につきましては、もちろん公的な資本形成を増加させるということに加えて、マクロ経済的に波及効果が当然考えられます。また、需給の改善を通じて、その分、物価の下落幅の縮小効果を持つというふうにも期待をしております。
 技術的な問題でありますので計測は大変難しいんでありますが、公的固定資本形成の増加分、これのみに着目しましてGDPに与える影響を内閣府のマクロモデルで試算したところ、今後一年間で実質GDPを〇・七%程度引き上げる効果を持つというふうな結果が得られております。名目GDPは一%程度の引上げ、雇用者は九万人程度増加するというふうに見込んでおります。
 今回の補正予算における雇用対策及び創業・新規開業支援策の効果についてのお尋ねでございます。
 雇用対策については事業規模で五千億円程度を盛り込んでおり、直接的な雇用創出効果のある事業の拡充、経済・社会構造の変革に備えたセーフティーネットの構築として、不良債権処理の加速に伴う離職者の再就職支援や雇用の受皿づくり等を行うこととしており、これらにより雇用への好影響が期待されます。
 また、創業・新規開業支援等については事業規模で三千億円程度を盛り込んでおり、産学官連携による研究開発等の積極的推進、起業や新産業を担う人材の育成等を行うことにより、創業・新規開業等々を促進する環境を整備することとしております。
 いずれにしても、こうした取組により構造改革を更に加速し、民需主導の持続的な経済成長を目指していくという考えでございます。
 民主党提案の地域金融円滑化法案についてのお尋ねがございました。
 金融機関の融資業務等については、各金融機関の自主的な経営判断に基づいて行われることが基本であり、その評価については、基本的には市場によって行われるべきものであるというふうに考えます。
 具体的に、地域金融円滑化法案につきましては、第一に、多様な金融機関の業務を画一的な基準により評価することは困難なのではなかろうか、第二に、金融機関が自主的に行う業務について政府の一機関が評価をして公表することは、自由かつ適正な市場競争を妨げるおそれがないのか、そういった等々の問題があり、慎重な対処を要するものと考えております。しかし、言うまでもありませんことですが、地域金融の円滑を図ることは重要な課題であるというふうに私自身も重視しております。
 そこで、金融庁としましては、現在、地域金融機関におけるリレーションシップバンキングの在り方について、専門家を集め金融審議会において検討した上で、今年度内を目途に中小地域金融機関に関するアクションプログラムを作成することとしております。そこの中で様々な議論を是非ともしていきたいというふうに考えております。
 最後に、中小企業への貸し渋りに対する取組についてお尋ねがありました。
 我が国経済の再生を図る上で経済の基盤を支える中小企業への円滑な金融の確保は極めて重要であり、金融庁としては、中小企業を含む健全な取引先に対する資金供給の一層の円滑化に努めること、不良債権の早期処理等を口実に貸し渋り等を行わないことなどについて、金融機関に繰り返し繰り返し要請を行っているところであります。その際、金融機関が担保や保証のみに依存することなく、事業計画や財務状況等の的確な把握に基づき適切なリスク管理を行った上で融資を行うことが重要であると考えており、金融機関に対し積極的な取組を促しているところであります。
 御承知のように、金融再生プログラムにおいて、主要行の不良債権処理によって日本企業の大宗を占める中小企業の金融機関が著しく悪化することのないように、我々としては銀行業における新規参入を積極的に促進し、貸し渋り、貸しはがしのホットラインなど、各種のセーフティーネットを講じることとしております。
 いずれにしても、これらに基づき中小企業金融の円滑化に努めてまいる所存であります。金融はようやく変わりつつあるというふうに思っております。(拍手)
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 竹中平蔵

speaker_id: 23089

日付: 2003-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議