尾辻秀久の発言 (本会議)

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○尾辻秀久君 私は、自由民主党・保守新党を代表して、ただいま議題になりました十四年度補正予算案と関連法案について、総理と財務大臣に質問をいたします。
 まず、総理のロシア訪問についてお伺いをいたします。
 日本と旧ソ連邦は、一九五六年に国交が正常化して以来、五十年近くがたちました。その間、経済・文化交流等、幅広い分野にわたって関係を強化してまいりましたが、領土問題がネックになり、いまだに平和条約は締結されておりません。
 今回の総理訪問の目的は、外務省の不祥事等により生じたきしみを修復することにあったと思いますが、ロシア側も日本との関係強化について大きな期待を寄せているのが分かります。プーチン大統領は拉致問題についても可能な限り協力するという意向を示されたと聞いております。閉塞感のある日朝間の諸問題の解決につながればと期待をいたします。
 アジアの安定、平和のためにも日本とロシアの関係はますます重要になってまいります。領土問題の早期解決、日ロの平和条約締結等について総理はどのように取り組んでいかれるのか、基本的なお考えをお聞かせください。
 次に、国民の今日の最大関心事であります景気・経済問題についてお尋ねをいたします。
 企業倒産、失業率は依然高い水準にあります。雇用不安と所得の減少等が消費マインドを冷やし、それを受けて更に生産が縮小していくという悪循環を繰り返しています。資産デフレの加速もあります。産業空洞化、少子高齢化等、構造的なものも加わり、複合的不況から一向に回復の兆しを見せておりません。
 一月の月例経済報告では、景気はこのところ弱含みという表現になっておりますが、分かりにくい言葉でありますので、現在の景気をどのように認識されているのか、分かりやすく総理に説明をしていただきたいと存じます。
 また、アメリカによるイラク攻撃の動きがあります。それが現実となれば、原油価格の高騰、長期金利の上昇等が予想され、世界経済にもマイナスの影響を与えることは間違いがありません。その影響を大きく受けるのは、中東からの原油輸入に多くを依存している日本であります。
 イラク情勢が及ぼす影響を含め、今後の日本経済の見通しと経済運営について総理のお考えをお伺いいたします。
 改革加速プログラムや総理の年頭の記者会見においても、政府と日銀が一体となってデフレを克服することが重要との認識を示しておられますが、インフレ目標など意見が一致しているとは思えません。日銀の独立性が高まり、財政と金融が分離された今日、総理がリーダーシップを発揮されるべきと考えます。総理のお考えをお尋ねいたします。
 次に、補正予算についてであります。
 今、提案されている補正予算は、デフレ脱却の方策を熟慮した上で、その必要額を積み上げていった結果が三兆円になったのでありましょうか。まず三兆円という規模ありきだったのではないかという見方もあります。補正予算を編成するに当たってどのようなお考えで臨まれたのか、財務大臣にお尋ねをいたします。
 景気対策にはタイミングがあります。機動的かつ弾力的な対応が必要であります。臨時国会ではなく通常国会の冒頭で補正予算の提出となったのはどのような理由なのか、併せて財務大臣にお尋ねをいたします。
 この補正により、総理が言われた国債三十兆円の枠は崩れました。やむを得ない措置と理解いたします。
 ただ、心配なのは将来のことであります。借金をまた借金して返しながら、その借金が雪だるま式に増えていくという、言わば無間地獄に入っていくのではないかと不安を感じます。
 そこで、「改革と展望」の今回の改定では、二〇一〇年代初頭におけるプライマリーバランスの黒字化を目指すという考えを示しておられますので、大ざっぱな数字でいいのでありますが、そのときの歳入歳出の規模、公債費の額をどの程度と想定されているのか、総理にお尋ねをいたします。
 次に、社会保障と財政についてお尋ねをいたします。
 国民が現在消費に慎重になっているのは、年金、医療等について不安を持っていることにあると考えます。
 総理は、聖域を設けることなくあらゆる改革を進めることが将来の日本には必要と、常日ごろ言っておられます。しかし、消費税については聖域化され、在任中は税率はいじらない。ただいまの民主党の代表質問に対する御答弁の中でも言明をされました。一方、消費税についての議論は解禁されたようでありますので、お伺いをいたします。
 無駄な歳出の徹底的な洗い直しは当然のことではありますが、消費税を社会保障関係の財源の一つとして検討すべき時期ではないかと考えます。総理の基本的なお考えを改めてお示し願いたいと存じます。
 日本は、技術立国として製造業を中心に経済が成り立ってきました。
 日本企業は、昨年のアメリカの特許認定件数で十位以内にキャノンなど六社が入る健闘をしております。一方、技術の流出、模造品等による被害も深刻になっております。
 知的財産保護や中国や東南アジア諸国の模造品に対する対応については、昨年秋の臨時国会において知的財産基本法が成立しており、また中国等においても国内法が整備されつつあると聞いており、一応の対応策は講じられつつあります。
 いずれにいたしましても、中国がWTOに加盟し一年が経過し、今後ますます日中の経済交流も進んでいくものと思われます。日本の高い技術力と中国の労働力の組合せ、お互いが補完し合いながら経済の結び付きを強化していくこと、いわゆる国際的な分業を進めることが重要となってまいります。このためにも、新しい企業の創出、産業の高付加価値化の推進、流通・エネルギー等の高コスト体質の改革を急がなければなりません。やる気のある企業の支援について、総理のお考えをお尋ねいたします。
 我が国経済は今極めて厳しい状況にあります。
 その中で、私たちは、過剰債務の解消、厳しいリストラ、企業再編等、日本経済再生への努力を続けております。規制改革による新たな分野での企業の誕生も期待されます。大学発のベンチャー企業も少しずつ芽を出してきています。
 総理は、新年早々、靖国神社にお参りをされました。国のために散っていかれた方々に報いるためにも、私たちは一日も早く元気にならなければなりません。日本経済の底力はいまだ健在であります。私たちが自信を取り戻すべきときであります。
 この点について総理のお考えをお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115615254X00220030122_010

発言者: 尾辻秀久

speaker_id: 28032

日付: 2003-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議