小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 尾辻議員にお答えいたします。
日ロ平和条約交渉についてでございますが、先般の日ロ首脳会談におきましては、四島の帰属の問題を解決して平和条約を可能な限り早期に締結するとの決意をお互いに確認いたしました。
ソ連がロシアに変わり、そして一党独裁から民主主義体制へ、統制経済から市場経済重視型に変わる。なおかつ、米ソ対決から米ソ協調路線に変わった。そして、ロシアはサミット参加国になった。三年後にはロシアが議長国になる。こういう国際情勢の変化とロシア自身の国内の変化をとらえて、私は、困難な北方領土の交渉、平和条約の締結、これが一番大事なんですが、同時に二国間で協力できる分野がある、また、国際舞台においても日ロが協力できる分野がある、そういう観点から、今後、ロシアと政治、経済、文化、芸術、スポーツ等、交流を通じて信頼関係を深めていく。これが平和条約締結交渉にとってもその交渉の基盤を強めていくことになるのではないかという観点から、私は今までの日ロ関係から新しい日ロ関係へつなげていきたいという気持ちを持ってロシアを訪問いたしました。
いろいろ難しい問題もありますが、同時に未来志向で、協力できる分野もあるという中で、ロシアと日本との信頼関係を築いて、将来、平和条約締結交渉に結び付けていきたいと思っております。
現下の景気認識及びイラク情勢の影響を含めた今後の日本経済の見通しと経済運営についてのお尋ねでありますが、一月の月例経済報告におきましては、生産の減少などにより景気が足下で下向きになっていることから、このところ弱含んでいるという表現を用いて景気判断をしたところですが、株価の低迷や緩やかなデフレが続いていること、また議員御指摘も含めた世界経済の先行き懸念が存在するなど、厳しい状況が続いているものと認識しております。
こうした中、政府としては、デフレを抑制しながら、経済活性化に向け構造改革を一体的かつ整合的に実行し、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を目指すとともに、国際経済等の動向を注視しつつ、経済情勢によっては大胆かつ柔軟な政策運営を行っていく考えであります。
このような政策運営により、我が国経済は、今年度後半はほぼ横ばいで推移することが見込まれるものの、十五年度には政策効果の発現や世界経済も徐々に回復していくことが見込まれることなどから、民需中心の緩やかな回復へと次第に向かっていくことを期待しております。
政府、日銀一体でのデフレ克服についてのお尋ねでありますが、デフレ克服は経済財政運営における重要課題であると認識しておりまして、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向け、政府は日銀と一体となって取り組むことが必要だと思います。日銀においては、更に実効性ある金融政策運営を行っていただけるよう期待しております。
いずれにしても、日銀とは、今後とも、経済財政諮問会議のほか、様々なレベルにおいて意見交換を行い、連携を取っていく考えであります。
プライマリーバランスの回復と歳出歳入の規模についてのお尋ねであります。
財政健全化は引き続き極めて重要な課題であり、一昨日の経済財政諮問会議において、二〇〇六年度までの政府支出規模は二〇〇二年度の水準を上回らない程度とすることを目指す、二〇一〇年代初頭にはプライマリーバランスを黒字化することを目指す等を内容とする答申が出されたところです。
今後の財政運営に当たっては、こうした考え方を踏まえつつ財政構造改革を推進していくこととしておりますが、二〇一〇年代初頭における歳出歳入の規模、公債費の具体的な額については、時々の経済財政状況を踏まえて適切に決定されるべきものと考えております。
消費税についてのお尋ねでございますが、消費税については私の在任中は引き上げることを考えておりません。しかしながら、この消費税の問題というのは、所得税あるいは資産課税、税制改革の中で議論は当然出てくると思いますし、私はその議論を封鎖する考えはありません。私の内閣におきましては、優先すべきは、消費税の引上げではなく、徹底した歳出の見直し、行財政改革だと思っております。
そういう中で、やはり社会保障をめぐる問題においては給付と負担、これをしっかりと正面から取り上げる必要がある、いかなる政策も税の裏打ちなくしては推進できないという観点から、私は議論は大いに結構だと思います。社会保障についても、これから持続可能な、高齢者と若い世代が協力し合っていけるような、そういう社会保障制度を構築していく必要がありまして、そういう点からも、税制の観点からあらゆる税項目についての議論を封鎖する気持ちはございません。
やる気のある企業の支援についてお尋ねがありましたが、厳しさを増す国際競争の中で、我が国の産業が選択と集中を通じて持てる強みを発揮し、高付加価値化を進めていくことが求められております。規制改革を通じた高コスト構造の是正、研究開発促進税制の抜本的強化、知的財産権の的確な保護などを通じ、我が国産業の国際競争力の強化を政府として後押ししてまいります。
日本経済の底力は健在ではないか、一日も早く日本が元気を取り戻すべきだという御指摘であります。同感であります。
小泉内閣は、やるべき改革を行わなければ経済の再生はないという認識の下に構造改革に取り組んでおります。現在、この構造改革の途上にありまして厳しい状況が続いておりますが、国民のたゆまぬ努力で培われた潜在力をいかに発揮するかが構造改革だと思っております。
厳しい環境の中で果敢な挑戦を続ける企業も数多く存在しております。また、都市再生、構造改革特区など、地方や民間の意欲を生かした経済活性化へ向けた取組が既に大きく動き出しているところであります。私は、このような我が国の持つ潜在力をいかに発揮させるかということについて改革が必要だと認識しております。
今後とも、勇気と希望を持ってこの構造改革を推進していきたいと思いますので、よろしく御理解、御協力をお願いしたいと思います。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕