日笠勝之の発言 (本会議)

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○日笠勝之君 私は、公明党を代表して、政府の財政演説に対し、総理並びに関係大臣に若干の質問を行います。
 本題に入る前に、政治姿勢の問題についてお尋ねいたします。
 政治倫理、なかんずく政治腐敗防止の確立は議会政治の根幹であります。我が公明党は、結党以来、清潔な政治を目指してまいりました。
 すなわち、ここ最近だけでも、政治家個人に対する企業・団体献金禁止、あっせん利得処罰法の制定、さらに、同法の処罰対象に私設秘書まで拡大、また、官製談合防止法の成立等を積極的に推進してまいりました。
 しかるに、長崎県知事選挙に事寄せた違法献金事件、次いでは、ゼネコン汚職事件に絡み現職衆議院議員の実刑確定など、相も変わらず政治と金の問題は後を絶たず、政治の信頼を損ねたことは極めて遺憾であります。
 中国のことわざに、源清ければ流れ清く、源濁れば流れ濁るとあります。法律を制定する国権の最高機関である国会が自浄能力を今こそ発揮すべきであります。
 総理は、昨年三月、記者会見で、公共事業にまつわる政治献金の在り方について法的対応が必要ではないかと述べられました。今後どのように対応されますか。総理の強いリーダーシップを求めます。
 今、私たちの眼前には、一つには、デフレ不況克服・経済再生、二つには、イラク、北朝鮮情勢にかかわる外交・安全保障問題と、二つの大きな課題があります。
 そこで、最初に、経済再生についてお伺いいたします。
 公明党は、深刻なデフレ経済からの脱却を図り、国民生活を守るための補正予算編成を昨年九月から一貫して主張し、官邸にもその旨を伝え、また、十二月四日には財務大臣に補正予算の重点事項の申入れを行ってきたところであります。
 具体的には、中小企業の対策の充実に五千億円、雇用対策の強化に五千億円、安心して暮らせる少子高齢化の実現に二千三百億円、また、安心、安全、バリアフリーの町づくり等、都市・地方再生緊急対策費として六千億円など、我が公明党が強く要請した内容が今般提出された本補正予算に反映されております。
 更に申し上げますと、中小企業対策として、金融セーフティーネットの整備は十兆円の保証規模を確保、また、取引金融機関から不良債権処理の加速を理由として貸し渋り、貸しはがしを受けた中小企業者に対する融資制度が中小公庫、商工中金等に新たに創設されます。
 さらに、雇用対策では、不良債権処理の加速化による失業者の発生に対応するため、早期再就職者支援基金事業に二千五百億円を確保、雇用再生集中支援事業に一千四百六十億円を創設、地方自治体の臨時雇用支援のため、今までより使い勝手の良い緊急地域雇用創出特別交付金事業には八百億円の拡充。そして、きめ細かな対策として民事法律扶助にも三億円余を計上。
 続いて、公共投資は、環境、教育、地方と都市の再生等、重点四分野に特化し、交通渋滞対策としてはボトルネック踏切対策に一千三百五十億円。交通機関のバリアフリー化に八百億円。電線等の地中化などで七百億円。
 また、公立学校施設等の耐震化に五百五十億円。保育所、特養等の少子高齢化基盤整備に一千億円など国民の安心、安全の要請にもこたえる内容となっており、大いに評価するところであります。
 そこでお伺いしますが、この補正予算は経済及び雇用にいかなる効果があるのか、お答えください。本補正予算と平成十五年度予算及び一兆八千億円の先行減税の平成十五年度税制改正が三本の柱となり、現下のデフレ不況克服・経済再生のエンジンとなるものと期待され、一日も早い成立を願うものであります。
 ただ、財政投融資で奨学金事業費が追加措置されている件について一言申し上げたい。
 公明党の強い要望で平成十一年四月から発足した、勉学に意欲のある人は全員に行き渡る有利子奨学金制度、すなわちきぼう21プラン奨学金により、現在三十九万二千人以上の学生に貸与されています。
 しかし、平成十二年度は一万七千百八十人、十三年度は二万一千六百人、今年度は九千五百人と三年連続して募集人員を補正予算で追加措置しています。実に三年間で合計四万八千二百八十人の追加をしなくてはならないという大変な見込み違いをしたということであります。
 この奨学金に応募し貸与されなかった学生並びに家族の方々の不安な心情を察すると、到底見過ごせません。どう責任を痛感しているか、御見解を求めます。
 ここで、税制について一点だけお尋ねいたします。
 公的年金の基礎年金部分への国庫負担割合を三分の一から二分の一への引上げ等、社会保障給付の財源として消費税税率引上げについて、複数の閣僚から引上げ容認とも言える発言が続いております。総理は、在任中は引き上げないと明言されています。閣内不一致と言われないよう、消費税税率引上げについて総理の明確なお答えを願います。
 次に、国際情勢に移ります。
 まず最初に、北朝鮮問題についてお尋ねいたします。
 北朝鮮のIAEA要員の国外退去指示、NPT脱退宣言、さらに弾道ミサイル実験再開等は北東アジアの安全保障を脅かしかねません。我が国としては、米国等関係諸国との十分な協議をしていくべきでありますが、今後の我が国の対応についていかに考えておられるか、お尋ねいたします。
 ここに来て、先日の総理の靖国参拝が日中、日韓の二国間の友好、信頼に影を差すのではないかと危惧されています。この信頼関係を今後どのようにして再構築されますか。
 さらに、昨年十二月に官房長官の私的懇談会が報告書をまとめ、その中に、国を挙げて追悼平和祈念を行うための国立の無宗教の恒久的施設が必要であるとの提言がありました。この提言に対し総理の御所見をお伺いいたします。
 また、帰国した拉致被害者五人の家族の日本への帰国問題は粘り強く交渉すべきでありますが、進展状況についてお答えください。
 次に、イラク情勢について伺います。
 米軍がクウェート等に大量の軍事配備を行って、一段と深刻化の様相を呈しています。今後の見通しをどう把握していますか。また、イラクの要人から、米英に次ぐ敵国などと我が国が言われる筋合いはありません。我が国はイラクに六千億円と言われている債権を持つ国として、イラクへの直接対話ができる数少ない国であります。一層の平和的外交の努力が不可欠だと思いますが、いかがお考えですか。もし、残念ながら米国がイラク攻撃をした場合、我が国の同盟国支援の対応として何が考えられるか、御答弁を求めます。
 終わりに、我が公明党は、本年を生活与党、与直し公明党として、まじめに働いている人が報われる社会を目指し、十八歳選挙権の実現など十一項目の公約を掲げ、庶民、中小企業の目線での要望実現に全力を挙げてまいる決意であります。そのためにも、本補正予算と来年度予算との一体化による切れ目ない十五か月予算として、経済再生に向けて早期の本補正予算の成立を重ねて期待し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115615254X00220030122_014

発言者: 日笠勝之

speaker_id: 18039

日付: 2003-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議