郡司彰の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○郡司彰君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成十四年度一般会計補正予算外二案に対して、反対の立場から討論を行うものであります。
 今日、我が国は、かつて経験したことのない未曾有の危機に直面しております。失われた十年が過ぎた今なお、先行きに明るさのかけらも見えない、全くの閉塞感が支配している状況であります。企業も労働者も、いつ我が身に降り掛かるかもしれぬ倒産やリストラの恐怖と闘っておりますが、その元凶である恐ろしいデフレ経済をここまではびこらせたのは、正に小泉失政内閣であることは歴然たる事実であります。
 しかるに、小泉総理は、デフレ経済をいよいよ悪化させ、二兆五千億円もの税収不足を招いておきながら、経済失政に対する反省も謝罪もないままに、国民に負担増だけを押し付けようとしております。
 加えて、政府は、国民との公約を忠実に守り、誠実に実行していくべき役割を担っているにもかかわらず、小泉内閣はそれとは全く逆の、国民との公約をいとも簡単にほごにし、やりたいことをやるのだと言わんばかりの反国民的内閣であることが、さきの我が民主党の菅直人代表との質疑応答で明確となったのであります。
 もちろん、それ以外にも、政府系金融機関の統廃合も景気悪化を理由に先送り、特殊法人改革の廃止・民営化は独立行政法人への単なる衣替えにすぎず、改革改革と言いながら、実態は何一つ変わっていないのであります。シャウプ勧告以来の抜本的改革と銘打った税制改革は、その実は、たばこや発泡酒への増税、配偶者特別控除の廃止など、国民負担の増加ばかりが目立つ増税改悪にほかならないではありませんか。
 政治家の命ともいえる公約を次々と破っても、そんなものは大したことではないと発言し、しかも反省のかけらも見せないことは、国民を愚弄するも甚だしく、もはや総理としての資格を完全に失ったに等しいのであります。これこそパフォーマンスだけを繰り返す小泉総理の本音であり、ついにその正体を現したものと受け止めざるを得ません。
 自民党をぶっつぶすと言った小泉内閣は、実は国民生活をぶっつぶそうとしているのです。もはや小泉総理に我が国のかじ取りを任せることはできないことを強く申し上げ、以下、本補正予算案に反対の理由を申し述べます。
 反対の理由の第一は、小泉政権が長引く不況の回復はおろかデフレ経済をいよいよ深刻化させておきながら、経済失政に対する反省も謝罪もないまま、国民に負担と苦痛だけを押し付けようとしていることです。
 小泉内閣の下で、平成十三年度一次補正、二次補正、そして平成十四年度本予算が編成されてきましたが、見てのとおり、景気は上向くどころか、逆に悪化の一途をたどっております。事実、名目GDPは、平成十三年度マイナス二・五%、十四年度マイナス〇・六%、十五年度になってもマイナス〇・二%の見込みで、一貫して減少し続けているではありませんか。そもそも、十四年度の名目成長率は当初見通しのマイナス〇・九%から実質見通しの〇・六%へ上方修正され、むしろ名目GDPに連動する税収は増加するはずではなかったのですか。今回の補正予算編成の最大の理由である税収不足は、正に小泉総理の経済失政によることが明白であるにもかかわらず、反省も謝罪もない小泉内閣の編成した予算など到底認めることはできません。
 反対理由の第二は、本補正予算の内容は現下の厳しいデフレ経済に対応するには全く不十分であることであります。
 野党四党は、昨年の臨時国会で、雇用失業対策、中小零細企業対策に重点を置いた補正予算を速やかに編成するよう強く要求してまいりました。しかし、事態を正確に認識していない政府がようやく出してきた補正予算の内容は、その効果が全く期待できないばかりか、ほとんど利用されない失業対策事業に更に予算を配分するなど、失業者や中小企業にとって十分とは到底言えないものであります。
 不良債権処理の加速で更に失業者の増加が予想される中、緊急対策として、国民負担増なき雇用保険財政基盤の安定化、非自発的失業者の生活基盤の確保、求職者の能力開発支援制度の改善等に重点を置くべきです。また、中小企業対策としては、中小企業金融円滑化のための特別信用保証の復活やセーフティー保証制度の拡充、ベンチャー企業やNPOの育成支援等を盛り込むべきことは当然であり、このような予算を到底認めることはできません。
 反対理由の第三は、本補正予算は旧態依然とした公共事業の利権構造を踏襲していると言わざるを得ないことであります。
 前内閣はIT、教育と冠を付け、小泉内閣では構造改革、都市再生、環境といった体裁の良い題目が付いていても、中身は従来と何ら変わっておりません。省庁別のシェアがほとんど変わっていないことがそのことを明白に物語っています。性懲りもなく公共事業を通じて政府・与党が自らの利権構造を維持するために国民の血税を流用することは断じて許せません。公共事業の受注企業からの献金が問題となった長崎県連の例を引くまでもなく、正に自民党小泉内閣こそが日本の政治構造を変える際の抵抗勢力であります。
 反対理由の第四は、近年、補正予算の義務的経費の追加が巨額に上り、しかも恒常化していることであります。
 本補正予算でも義務的経費の追加が実に九千億円近くに達しているのであります。以前は義務的経費の追加といえども三百億円から四百億円程度であったにもかかわらず、一気に九千億円からの規模に膨れ上がっているのは、補正予算の編成を前提に当初予算の編成を行っているからであり、財政規律の乱れと言わざるを得ません。これは正に当初予算編成後に生じた事由により編成をするという、財政法で規定する補正予算編成の要件を逸脱していると言わざるを得ず、このような予算は断じて認めることができません。
 予算とは、政権の公約を具体化し、公約した政策を実施するためのものでありますが、かくも平然と国民との公約をほごにして、それを恥とも思わぬ人が一国の最高責任者として編成した予算を我々は断じて認めるわけにはいきません。
 その場しのぎの発言と政治的パフォーマンスだけに終始する小泉総理の政治姿勢は、およそ一国の総理としての資格、資質に欠けるものであることを再度申し上げ、即刻退陣されることを強く求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 115615254X00320030130_004

発言者: 郡司彰

speaker_id: 23530

日付: 2003-01-30

院: 参議院

会議名: 本会議