小泉純一郎の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 浜四津議員にお答えいたします。
激励を賜りまして、誠にありがとうございます。
まず、デフレ対策についてでございますが、デフレ克服は現下の我が国における最重要課題の一つであります。できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向け、政府は日銀と一体となって総合的な取組を実施していく必要があると考えております。
十五年度予算においては、厳しい財政状況の中、雇用の創出や将来の発展の基盤となる分野に重点配分を行うとともに、持続的な経済社会の活性化に向けた税制改革を行い、十五年度におきまして一兆八千億円程度の減税を先行させるなど、経済活性化に向け、先般成立した十四年度補正予算と併せ、両年度を通じて切れ目ない対応を図ることとしております。このため、十五年度予算、税制改正法案等の関連法案の早期成立をお願いする次第であります。
また、構造改革特区を始め、地方や民間の意欲を生かした取組も目に見える形で大きく動き出すなど、規制改革も着実に進んでいるところであります。
デフレ克服のためには、金融面の対応も重要であり、日銀において更に実効性ある金融政策運営を行っていただけるよう期待しております。
日本経済を再生させるためには、デフレの克服を目指しながら構造改革を進める以外に道はないという認識を持っております。今後とも、金融、税制、歳出及び規制の四本柱の改革を一体的かつ整合的に実施することにより、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を目指してまいります。
中小企業の資金繰り支援についてでございますが、今般創設する資金繰り円滑化借換保証制度は中小企業の資金繰りを楽にするための制度です。中小企業者や金融機関等に対して説明会を開催する等、制度の普及を図るため、全国的な広報活動を行ってまいります。また、政府としては、金融機関に対し、中小企業への資金供給の一層の円滑化を繰り返し要請しているところであります。
こうした取組により、中小企業の円滑な資金供給の確保に万全を期してまいります。
総合的なセーフティーネットの整備拡充についてでございますが、厳しい雇用失業情勢に対応し、国民の雇用面の不安を払拭することは重要な課題であり、日本経済再生のため、産業再生機構の整備を始めとしたあらゆる政策手段を動員して、民需主導の持続的な経済成長の実現を図っていく考えであります。
このため、雇用、中小企業のセーフティーネットに万全を期すこととし、今般成立した平成十四年度補正予算及び十五年度予算におきまして、早期再就職支援策、雇用機会の創出対策や、やる気と能力のある中小企業への資金供給の円滑化などの十分な施策を盛り込んだところであります。十四年度補正予算、十五年度予算と併せ、切れ目のない対応を図ることが重要と考えております。
悪質な金融業者への対策についてでございますが、貸金業の無登録営業、違法な高金利による貸付け等を行う悪質な金融業者が存在することについては、政府としても深刻な問題と受け止めており、これまでも警察において集中取締本部を設置するなど、違法業者の取締りを強化するとともに、金融当局においては、登録業者に対し必要に応じ監督上の処分を行ってきたところであります。
また、制度面においても、平成十二年に貸金業規制法の罰則を強化するなどの対応を取ってきたところでありますが、今後とも、政府広報等の更なる活用により国民への注意喚起を図るなど、関係当局の連携を強化し、悪質な金融業者への対策に積極的に取り組んでまいります。
イラク問題に関する日本政府の対応についてでございますが、イラクの大量破壊兵器をめぐる問題は国際社会全体への脅威であります。イラクが査察に全面的かつ積極的に協力し、大量破壊兵器の廃棄を始め、関連する国連安保理決議を誠実に履行することが重要であります。
我が国としては、安保理を始め国際社会が協調して毅然たる態度を維持すべきとの考えの下、査察の状況、安保理の議論等を踏まえ、イラクが誠実に決議を履行するように我が国としての外交努力を継続してまいります。
北東アジア平和会議の設置に関するお尋ねでありますが、北朝鮮の核開発問題は、国際的な平和と安定、核不拡散体制の問題であるとともに、我が国自身にとって重大な懸念であり、我が国としては、関係諸国と緊密に連携しつつ平和的解決を図ってきております。
公明党が北東アジア平和会議を提唱しておられることは承知しており、政府としても、信頼醸成を通じた北東アジアの平和と安定の確保のため、二国間及び多国間の様々な対話を促進すべく今後とも努力してまいります。また、このような対話の在り方については、韓国新政権とも緊密に協議をしていく考えであります。
平和な国際社会を構築するための戦略についてでございますが、従来から、我が国は、国際社会全体の平和と安定の実現に向け、軍備管理、軍縮、不拡散等の取組を行ってまいりました。また、重要な外交手段であるODA等を活用して、環境問題等、地球規模の課題や紛争後の平和の定着、国づくりに積極的に取り組んできております。今後とも、このような方針を堅持し、平和な国際社会の構築に貢献する姿勢を明確にしていく考えであります。
対人地雷除去活動に対するお尋ねでございますが、埋設、放置されている対人地雷により多くの人命が失われる悲惨な状況にかんがみ、人道上の軍縮を進める必要があることから、我が国は、平成十年九月、対人地雷禁止条約を締結しました。以来、自衛隊が保有する約百万個の対人地雷について着実に廃棄を進め、関係各位の御尽力により、本年二月、最後の一個が廃棄されることとなりました。
しかし、世界に目を向ければ、今なお多くの対人地雷が残されており、廃絶はいまだ途上段階にあります。この対人地雷の廃棄は、我が国では政党や会派を超えて一致でき、国民世論によっても支持されるテーマであると思います。政府としては、今後も対人地雷の廃絶を国際社会で強く訴え掛けてまいります。
子育て支援策についてでございますが、少子化の進展は、今後、労働力の減少や地域社会の人口減などを通じて我が国の社会、経済に重大な影響を与えるものであり、少子化の流れを変えるための取組を着実に進める必要があると考えております。
このため、昨年九月には、従来の子育てと仕事の両立支援のための取組に加え、男性を含めた働き方の見直しや地域における子育て支援など、もう一段の施策の充実を図る観点から、少子化対策プラスワンを取りまとめたところであります。
今後は、これを具体化するため、待機児童ゼロ作戦を引き続き推進するとともに、家庭、地域、企業が一体となり計画的に次世代の育成を支援するための法案を提出するなど、総合的な子育て支援策を推進してまいります。
教育基本法の見直しと教育振興基本計画についてでございますが、御指摘の学習意欲や不登校の問題など、教育現場が直面する諸課題に対して迅速かつ的確に具体的施策を講じていくことは大切であります。
私は、教育改革を国政上の重要課題の一つとして位置付け、確かな学力と豊かな心の育成を目指して、習熟度別指導など、きめ細かな指導を推進して学力の向上を図り、また、不登校問題に対するネットワークを整備するなど、施策の一層の充実に努めてまいります。
一方、教育基本法については、教育の根本を定める憲法とかかわりの深い法律であると認識しておりますが、戦後半世紀を経て社会状況が大きく変化し、教育全般について様々な問題が生じております。勇気を持って新しい時代に立ち向かう人間を育成するためには、画一と受け身から自立と創造へと、教育の在り方を大きく転換する必要があり、教育の根本にさかのぼった改革が必要であると認識しております。
教育の根本を定める教育基本法の見直しについては、平成十二年三月に発足した教育改革国民会議以来、慎重に時間を掛けて議論が行われてきたものと承知しており、現在、中央教育審議会において、現行法の普遍的な理念は大切にすることや、教育基本法の見直しとその理念を具体化する教育振興基本計画は一体として考えることが必要であることを前提に議論がなされていると承知しております。
今後、同審議会の答申を踏まえ、与党とも十分相談するとともに、幅広く国民的な議論を深めながら、教育基本法の見直しとそれに基づく教育振興基本計画について政府としてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
インターンシップ及びジョブシャドーイングについてのお尋ねであります。
御指摘のジョブシャドーイングについては、生徒が自分の興味ある職業で働く人に密着しながら実際の仕事の内容を見聞きし、職業を実感するという大変興味深い工夫であると思います。我が国においても、若年者の早期離職率が高いこと等にかんがみれば、在学中の早い段階から、職業に関する情報や職業体験等を通じ若年者の職業意識形成を図ることが重要なことと考えております。
こうした観点から、インターンシップの普及を図るため、一昨年から大学生を対象とする受入れ企業開拓事業を実施しております。さらに、十五年度予算においては、高校生を対象としたインターンシップ実施事業所に対する支援を実施するほか、中高生の主体的な職場実態の見学、職業人への取材等の活動を支援することとしております。今後とも、こうした施策を効果的に実施することにより、若年者の職業意識啓発に努めてまいります。
環境教育、環境学習についてでございますが、循環型社会を目指す我が国としては、国民一人一人が環境保護についての意識を高め、責任ある行動が取れるようにするため、学校、家庭、地域社会において環境教育、環境学習の推進を図っていくことは重要な課題であると認識しております。
このため、政府としては、関係省庁の連携協力の下、学校、家庭、地域社会の様々な場において環境教育、環境学習に積極的に取り組んでおり、今後、御指摘の法制化の必要性も含め、更なる推進のための検討を深めてまいります。
また、御指摘の地球憲章については、生命共同体への敬意と配慮、生態系の保全など、持続可能な社会に向けた諸原則を掲げたものと認識しておりますが、これを教材としてどのように活用していくかについては、教育や学習を行う実施主体それぞれにおいて適切に判断していただくものと考えております。
改革に伴う痛みについてのお尋ねでありますが、改革を進める過程においては痛みを伴う事態が生じてくることがございます。これまでうまく機能してきた経済社会の仕組みで時代の流れに対応できなくなっているもの、これを構造的に改革していく際、変化により生ずる痛みだと思います。その痛みを和らげることは政治の責任であり、雇用や中小企業のセーフティーネットには万全を期してまいります。
努力が報われ再挑戦できる社会、人をいたわり安全で安心に暮らせる社会の実現は小泉内閣の最重要課題であり、保育所待機児童ゼロ作戦や社会人を含む学生への奨学金の充実等により、豊かな暮らしの実現に直接結び付く取組を進めております。国民一人一人がお互い支え合い、励まし合う社会の実現を目指してまいります。
新時代の政治のイメージについてでございますが、私は、就任以来、官から民へ、民間にできるものは民間に、国から地方へ、地方にできるところは地方へという、そういう流れを加速しなければならない、さらに、人においても企業においても社会においても国においても、自助と自律の精神、これなくして一国一社会の発展はないという考えから、失敗してもくじけずまた立ち上がる意欲を持って、国民一人一人が改革の原動力となるような社会の実現を目指していかなきゃならないと思っております。
政治に対する国民の信頼は改革の原点であります。国民との対話を重視し、広く国民の理解と協力を求めていく信頼の政治を実現してまいりたいと思います。
日本には、まだ駄目だ駄目だと言う人がかなりありますが、大きな、よその国にはない潜在力、能力もたくさんあります。この持てる力をいかに発揮させ、難局にたじろがないで敢然と立ち向かっていく、そういう勇気と希望を持って我が国の経済と社会の再生に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
残余の質問については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕