市田忠義の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、小泉総理に質問をいたします。
あなたが総理になって一年九か月がたちました。国民への負担増と不良債権早期処理の名による中小企業つぶしを柱とした構造改革によって、国民の暮らしと日本経済は一体どうなったでしょうか。
完全失業者は、あなたが総理に就任して以来、連続して増え続け、十二月はついに過去最悪になりました。勤労者世帯の実収入は五年連続で減り続けています。家賃が払えず、住む家を失う人も増えています。生活保護受給者は激増し、史上最多となりました。自殺をした人は四年連続三万人を超え、中でも経済的理由による人が大幅に増えています。昨年の企業倒産は、一九八四年以来、戦後二番目に多い一万九千四百五十八件に上っています。実体経済の反映である株価も下がりっ放しです。
国民の暮らしと日本経済はこれまで経験したことのない深刻な危機に直面し、税収は落ち込み、財政赤字もますますひどくなっています。小泉構造改革の破綻はこれらの動かし難い事実が証明しているではありませんか。改革なくして成長なしという言葉が今ほどうつろに響くことはありません。この事実を総理はどのように受け止めておられるのですか。もう我慢できない、何とかならないかと、これが多くの国民の共通の思いであり、その声に真正面からこたえるのが政治の責任であります。
では、何が必要か。
私たち日本共産党は、第一に、社会保障での負担増を中止すること、第二に、庶民や中小企業への増税を行わないこと、第三、不良債権処理の名による中小企業つぶし政策の転換を図ること、第四、雇用を守り失業者の生活保障に万全を期すこと、この四つの緊急対策が国民の暮らしを応援し、個人消費を拡大して日本経済を再生させる第一歩になると考えています。
ところが、小泉内閣は、こうした国民の切実な要求にことごとく背を向け、失敗を次の成功に生かすどころか、歴史に学ぼうともせず、破綻済みの誤った道をしゃにむに突き進もうとしています。
国民が望んでいる直ちにやるべき第一の問題は、社会保障分野での二兆七千億円の負担増を中止することであります。
まず、お年寄りの負担増についてであります。
政府は、年金切下げで三千万人の高齢者から三千七百億円もの所得を奪おうとしています。昨年、年金切下げが問題になったとき、当時の宮路厚生労働副大臣は、個人消費にも大変なマイナスを与えますし、また家計にも苦しさを更にエスカレートさせるから見送ると述べました。ところが、小泉内閣は、昨年秋、お年寄りの医療費負担を二千億円増やし、四月からは六十五歳以上の介護保険料を約一千億円引き上げようとしています。こんなに負担を増やしておきながら、年金は三千七百億円も削る。こんなことをやれば、高齢者の生活を痛め付けて消費を落ち込ませ、地域経済にも打撃を与えることは明らかであります。総理の認識を問うものであります。
サラリーマンの負担増も大変なものであります。
九七年に二割に引き上げられたサラリーマンの医療費の自己負担を今度は三割にする。今、サラリーマンの収入は減っているのです。その中での負担増がどれだけ家計を直撃し、消費を落ち込ませ、病院への足を遠のかせるか、これがもたらす国民の暮らしと健康、日本経済への影響を総理はどう考えていますか。
九七年の医療費の負担増のときには、病気なのに我慢して受診しない人が二百八十万人にも及びました。収入が減った下での負担増は更に受診抑制をもたらすことは間違いありません。そうなれば、健康悪化に拍車を掛け、かえって医療費を増大させることになります。だからこそ、日本医師会を始めとする医療関係者もこぞって反対しているのではありませんか。こんな道理のない計画は直ちに撤回すべきであります。
持続可能な社会保障制度のためにと、これまで何度も医療や年金の負担増が繰り返されてきました。それが国民の所得を奪い、不況を深刻化させ、保険料収入が減って新たな負担増という悪循環を繰り返してきました。社会保障への国庫負担の投入でこの不況と負担増の悪循環を断ち切ることこそ、社会保障の持続を可能にする道ではありませんか。
第二は、庶民や中小企業への増税をやめることであります。
配偶者特別控除の廃止で七千三百億円、発泡酒・ワイン増税で八百億円、その他、たばこの増税や消費税の免税点引下げなど、合わせて一兆七千億円もの大増税が計画されています。これを負担するのは専ら庶民であり消費者ではありませんか。
総理は景気対策のための先行減税と言いますが、研究開発減税、投資減税の恩恵を受けるのは、ほとんどが黒字の大企業だけであります。これで新たに投資が増えるという保証もありません。しかも、一番手を差し伸べなければならない赤字の中小企業には何の恩恵もありません。また、相続税の最高税率引下げの恩恵を受けるのは、一人当たりの相続財産が四億円を超える場合です。こんな人は二〇〇〇年度の実績で見ても数百件あるかどうかです。
配偶者特別控除の廃止によって増税になるのは千二百万世帯にも及びます。新聞の投書欄に、ビールより安いから発泡酒にしたのです、どこまで国民を苦しめればいいのですかという声が載っていました。あなたは、酒税、たばこ税の引上げについて、昨日、税制のゆがみを解消するためと言いましたが、ごくわずかの大企業と大資産家のための減税の財源に庶民増税を充てることが税制のゆがみを正すことになるというのですか。国民の懐を冷やす最悪の税制ではありませんか。
第三に、不良債権処理の名による中小企業つぶし政策を転換することであります。
異常に低い金利の下で、市中には使い切れないお金がじゃぶじゃぶあるのに、この一年六か月間で中堅中小企業への貸付けは全国銀行ベースでおよそ三十三兆円も減りました。
超低金利時代にもかかわらず、中小企業だけが異常な高金利に苦しめられています。中小企業家同友会全国協議会の調査によれば、過去一年間に銀行から金利引上げの要請を受けた企業が関東で四割以上、そのうち七割以上の企業がやむなくそれを受け入れざるを得ませんでした。
なぜこんなことが起きたのか。
総理は資金供給の円滑化を金融機関に繰り返し要請していると言いますが、繰り返し要請しているのに改まらない理由はどこにあると考えているのですか。総理が推進する不良債権処理の加速の名による貸しはがし、貸し渋りの結果ではありませんか。やる気と能力のある中小企業への資金供給について万全を期しているどころか、不況の中で歯を食いしばって頑張っている中小企業を一方的に不良債権と認定するようなことを許した金融行政から必然的に生じたものであり、政府の責任は極めて重大であります。しかも、不良債権は処理しても処理しても逆に増えているではありませんか。暮らしを支え、倒産、失業を抑え、景気を良くしてこそ不良と言われる債権も正常になるのです。
総理は中小企業金融対策に万全を期しますと述べられましたが、本気でそう思うのなら、現在の異常な事態をつくり出した大本、期限を切った不良債権の早期処理方針こそ撤回すべきではありませんか。答弁を求めます。
第四に、雇用失業対策を強化することであります。
昨年の完全失業率は五・四%で、戦後最悪でした。ところが、失業者を減らすのが政治の責任なのに、政府の経済見通しは更に高い失業率を掲げているのです。こんな政府が世界のどこにあるでしょうか。
今、雇用を守る上で急ぐべきことは、サービス残業など職場の無法をやめさせることであります。
一昨日、東京青梅の労働基準監督署は、サービス残業で経営者を逮捕いたしました。全国で初めてですが、サービス残業は言うまでもなく犯罪なのです。昨年、八十一億円の未払残業代が支払われましたが、トヨタ自動車などでは、過労死の危険ラインをはるかに超える年間三千時間以上の長時間労働が堂々と行われています。これを労働基準法どおりに厳格に守らせれば、新たな雇用が膨大に生まれることは明らかであります。目に余る長時間労働を強いている事業所には法定労働時間に見合う雇用の拡大計画を提出させるべきではありませんか。
雇用危機の下で、判例で確立している整理解雇の四要件を法制化するなど、法律による解雇の規制は急務となっています。日本共産党は、既に解雇規制・雇用人権法の制定を提唱しています。ところが、政府は、その要求にはこたえず、逆に、金さえ払えば不当な解雇も容認するなど、解雇をやりやすくしようとしています。ただでさえ雇用不安が深刻なときに、これまであったルールまで骨抜きにすることはあってはならないと思いますが、いかがですか。
総理は、離職者に対する早期再就職の支援を充実し雇用保険制度を見直すと言われました。その中身は、中高年失業者が受け取っている失業手当を減らし、生活を脅かすことによって仕事に就かせようというものです。これでは、支援どころか、脅しではありませんか。問題は、失業手当の高さにあるのではなくて、再就職の際の賃金の低さにあるのです。
失業の増大とともに見過ごすことができないのは、住む家を失う人が増えている問題であります。中でも都市基盤整備公団の居住者追い出しは目に余るものがあります。公団が家賃滞納を理由に裁判を起こし強制執行で追い出した人は、昨年四月から十二月までのわずか九か月間で二千七十二件にも上っています。公団業務の基本方針は国が定めることになっています。この経済危機の下で国が率先してホームレスをつくり出すなど、あってはならないことであります。総理の見解を求めます。
これまで見てきたように、未曾有の暮らしと日本経済の危機を目の当たりにしながら、あなたは国民に新たな負担増や増税を強い、中小企業つぶしを進めようとしています。それが今日のデフレの要因である需要の落ち込みを一層深刻にし、デフレを加速させることになるのは明らかであります。
一方で、五兆円の軍事費は聖域化して手を着けようとはしません。公共事業も、削ったと言いますが、総事業量は減らさず、関西国際空港二期工事など無駄な公共事業は野放しにして、まともにメスを入れようとはしません。これでは負担増と不況の悪循環に陥り、税収も落ち込みます。今ほど税金の使い道が問われているときはありません。貴重な財政資金だからこそ、国民の暮らしと社会保障を最優先にすべきではありませんか。
日本経済の源泉、原動力は一人一人の国民です。我が国の圧倒的多くの国民は、額に汗して働くことを尊び、人間を大切にし、助け合い、支え合って暮らしています。その国民から活力を奪って日本経済が活性化するはずがありません。にもかかわらず、失業率を高め、物価引上げを政府の目標に掲げるに至っては、何をか言わんやであります。国民の暮らしを支える政治に切り替えてこそ、長く厳しい不況から抜け出す道も開けてきます。日本共産党はそうした方向への政治の根本的転換を目指して奮闘するものであります。
今年は地方政治の在り方が全国的に問われる年です。中でも、市町村合併の動きが全国に広がり、地方政治の焦点の一つになっています。
日本共産党は、住民の意思に基づいて地方自治体を適切な規模にすることに一律に反対するものではありません。しかし、自治体の合併の是非は、何よりもそこに住む住民の合意と自治体の自発的な意思によって決められるべきであります。
ところが、今起こっている合併の流れは、自治体の自主的な意思によるものではなく、国の行政指導、財政誘導によって押し付けられているものであります。昨年十一月に行われた全国町村長大会の決議では、市町村合併が理念なき数値目標の下に半ば強制的に進められ、全国の町村はその対応を激しく迫られていると告発しています。
憲法は、地方自治の本旨を自治体の組織と運営にとって根本的な精神であると明記しています。国会での合併特例法の附帯決議でも、「住民投票その他の方法により、関係住民の意向を十分に尊重すること。」など、住民投票まで例示して住民の意思の尊重を求めています。
総理、市町村合併に当たっては、憲法で保障された地方自治の原則に立ち、強制は行わず、自治体と住民の意思を尊重すべきだと考えますが、いかがですか。
もう一つ重大なのは、自民党総務部会が示した市町村合併に関する中間報告と政府の地方制度調査会専門小委員会で示された「今後の基礎的自治体のあり方について」と題する、いわゆる西尾私案についてであります。それらは、一定期間後も合併しない人口一万人未満の小規模町村の権限を取り上げ、窓口業務などに限定してしまう、あるいは周辺の市や町に吸収合併することを義務付けるという、とんでもない中身です。
昨年の全国町村長大会のあいさつの中で、山本文男会長は、人口が少ないということのみをもって町村の権限が制限、縮小されるようなことになれば一体地域社会はどうなってしまうのか、本当に地域住民の福祉が守られるのか、自然や国土の保全ができるのか、町村自治は存亡の危機にあると述べています。
小規模町村を強制的に解体することは、憲法が保障する地方自治の原則をじゅうりんするものであり、絶対にあってはならないと思いますが、総理の見解を問うものであります。
次に、企業・団体献金と政官財癒着による政治腐敗の問題です。
小泉首相を始め、大島、鈴木、片山各大臣がそれぞれ代表を務める自民党選挙区支部が、前回総選挙の直前に国の公共事業受注企業から総額二千六百五十万円の寄附を受け取っていたと報道されました。関係四大臣は通常の党に対する善意の献金だとしていますが、献金した企業の多くは選挙応援のための寄附と述べています。ある建設会社は、何もないときに出すとかえって変に取られる、選挙のときだからこそと述べています。そうであれば、自民党長崎県連の前の幹事長らが逮捕された事件と全く同じではありませんか。総理の見解を伺います。
自民党長崎県連の問題がなぜ注目されたのでしょうか。それは、ゼネコンなどから受け取った献金が名目上政治資金として処理されていたものの、実態は選挙資金だと認定されたからであります。すなわち、公職選挙法の公共事業受注業者からの選挙献金を受け取ってはならないという特定寄附の禁止条項が初めて本格的に適用されたところにあります。
その後開かれた自民党の全国幹事長会議では、これで違法ならどうやって政治資金を集めればいいのかとの声が上がったと報道されています。思わず本音が出たのでしょう。長崎県連は例外ではなかったのです。自民党全体がいかに恒常的にこのような法の抜け道を探して企業献金を集めていたかがうかがわれます。自民党総裁であるあなたがまず襟を正し、自民党の実態を調査、公表すべきではありませんか。
あなたは、法律を幾つつくっても法律に違反する、どうしようもないなどと開き直りましたが、どうしようもないのは法の網を逃れて企業献金を集める自民党の体質そのものではありませんか。
公共事業の原資は国民の税金です。その税金を食い物にするとは、政党や政治家としての資質を根本から問われる問題です。政官財の癒着と利権の構造を断ち切り、腐敗政治を一掃するためには、抜け道や言い逃れのできない法律をつくることです。日本共産党がかねがね提案している企業・団体献金を明確に禁止すること、少なくとも、野党四党が共同提案しているように、公共事業受注企業からの献金を直ちにきっぱりと禁止すべきであります。
あなたは、さきの本会議で、今度の問題を深く受け止め、改めるべきは改めると述べましたが、抽象論ではなくて、何をどのように改めるのかを明確にすべきではありませんか。
総理、自民党の二〇〇一年度収入に占める政党助成金の割合は実に六〇%にも達しています。所管の片山総務大臣は、五割を超えるなんというのは論外、公的依存の傘の中でぬくぬくいくというのは問題と手厳しく批判していたことがあります。五割どころか六割を超え、どっぷりと税金に依存し、ぬくぬく状態になっている現状を、総理はどうお考えでしょうか。
制度が導入された一九九五年から昨年までの八年間に、二千五百億円もの巨額の税金が我が党以外の政党に投入されました。
この政党助成金は、支持していない政党にも税金が配分される憲法違反の制度であります。未曾有の国家財政の危機と深刻な不況の下、国民には負担と痛みを押し付けておきながら、なぜ自分たちだけは税金の山分けをするのか。きっぱりと廃止すべきではありませんか。
私たちは、今、二十世紀の二つの大戦を通じて確立された、話合いによって紛争を解決するという国連憲章を守って平和な秩序ある世界にしていくのか、それともそれを台なしにするのか、重大な岐路に立っています。
一月二十七日、国連査察団の調査結果が報告されました。報告では、イラクが大量破壊兵器を持っているという決定的証拠は示されませんでした。同時に、イラクの査察への協力が必ずしも完全でないことも指摘されています。
国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は、我々の仕事は着実に進展しており、査察は継続されるべきだと述べ、今後、数か月以内にイラクに核兵器開発計画が存在しないという信用に足る確証を提供できるはずだと表明しています。せっかく核がないことが証明されようとしているときに武力攻撃をすれば、核開発問題の検証を永久に不可能にしてしまうことになるではありませんか。
今、重要なことは、査察という手段を必要で十分な時間を取って継続し、それを強化して、国連の枠組みの中でこの問題を平和的に解決するために引き続き国際社会が努力を強めることであります。これは世界の多くの国々と人々が強く望んでいることであります。
総理、日本政府もこうした立場に立った外交を積極的に展開すべきだと考えますが、いかがですか。
私たちは、イラクが国連決議を無条件で遵守することを強く求めるものであります。同時に、米国に対して、国連を無視した一方的な武力行使の計画を放棄することを強く求めるものであります。
ところが、ブッシュ大統領は、二十八日の一般教書演説の中で、イラクが大量破壊兵器を廃棄しないなら、友好国を率いて武装解除すると述べました。国連が査察によって大量破壊兵器の存在の有無を検証する努力を行っているさなかに、一方的、独断的に大量破壊兵器を保有していると決め付け、国連を無視した一方的な軍事力行使を公言する米国の態度は、国際社会が取り組んでいる査察による解決への努力を妨害するものであります。国連憲章、国連決議を無視するものであり、絶対に許されないことだと思いますが、総理の見解を伺いたい。
世界の平和にとっての大問題にもかかわらず、総理が施政方針演説の中でイラク問題について触れたのはわずか二行半でした。しかも、イラクに国連決議の無条件、無制限の履行を求めるだけで、アメリカのイラク攻撃に反対するとは一言も述べませんでした。それどころか、一月三十日の予算委員会では、軍事的圧力を掛けることは必要とさえ述べました。イラクに国連決議を誠実に守ることを要求するのは当然であります。全世界がそれを求めています。同時に、世界は、アメリカも国連憲章や国連決議を守れと迫っているのです。なぜ総理はそれを言えないのですか。
この間、我が党の代表が中国、中東諸国、南アジアの国々を訪問しましたが、どの国の政府も、国連憲章を守り、イラク問題の平和的解決を強く求めていました。アメリカの同盟国からもイラク攻撃反対の声が巻き起こっています。イギリスでの世論調査によれば、八四%が新たな国連決議なしにイラクを攻撃することに反対しています。四三%がいかなる状況下でもイラクとの戦争に反対しています。おひざ元のアメリカでも反戦運動が高まっています。戦争が始まる前にこれだけの規模で戦争反対の声が巻き起こったのは、歴史的にも初めてであります。
総理、国際社会と協調しつつ外交努力を継続するというのなら、こうした平和の流れに合流することこそ、憲法九条を持つ国の政府が真っ先にやらなければならないことではありませんか。
仮定の話などとして態度表明を回避してはなりません。アメリカは一方的な武力行使を公言し、現に大量の部隊を展開しているのです。国連を無視したアメリカの一方的な武力行使に反対し、それへの一切の協力を拒否することを明言すべきではありませんか。
国連によれば、もしイラクへの攻撃が行われれば、初期段階で直接の被害者が十万人、間接の被害者が四十万人、合計五十万人の被害者が生まれ、国内避難民は二百万人に上ると予測しています。
総理は戦争によるこうした被害を考えたことがありますか。あなたは、多くの罪なき市民の命を奪い、傷付ける武力攻撃は絶対にやってはならない、そのために日本も力を尽くすべきだと考えるのか、それとも、場合によっては罪なき市民の命が奪われてもやむを得ないと考えているのか、国民の前にはっきりと答えてください。
国際的紛争、とりわけ核兵器など大量破壊兵器に関する問題は人類の生存と地球の存続にかかわる大問題であり、戦争ではなく平和的手段で解決されなければなりません。
アメリカの同盟国を含む世界の多くの国々がイラク問題や北朝鮮の核開発問題などについてその平和的解決のために力を注いでいるときに、イージス艦の派遣や有事法制など軍事的対応のみに憂き身をやつす日本政府の姿は、世界の流れに逆行するものと言わざるを得ません。
今こそ、国民の声にこたえ、有事法案を廃案にするとともに、憲法に基づく平和の外交に転換することを強く求めて、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕