大脇雅子の発言 (本会議)

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○大脇雅子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、小泉総理の施政方針演説に対する質問を行います。
 冒頭に、今般発生したアメリカのスペースシャトル・コロンビア号の事故につきまして、亡くなられた七人の宇宙飛行士の方々とその御遺族に対し、心から哀悼の意を表します。
 さて、小泉総理の施政方針演説は、総体として、各省庁の既成の重点政策のパッチワークであり、未来を開く具体策に欠け、聞こえてくる総理のメッセージは、競争せよ、自らにむち打て、貧しき者は更に忍耐せよという精神訓話であり、国民は先行きの定まらないまま羅針盤のない航海を強いられております。
 第一に、デフレ・経済政策、税制改革についてお尋ねします。
 小泉式構造改革の本質的特徴は、非効率な設備や労働者等を切り捨て、それを中核とする緊縮型構造改革で、貸し渋り、貸しはがしと相まって、これまで日本を支えてきた中小零細企業を直撃し、デフレの阻止と経済の活性化は望むべくもありません。これまでの政府の金融・デフレ政策等の経済政策はいかなる具体的成果を上げてきたのでしょうか。更なる不良債権を発生させないという具体的な政策はあるのですか。
 二〇〇二年末の完全失業率は五・四%、倒産件数も史上最高で、サラリーマンの消費支出も五年連続減となり、小泉構造改革によって富の格差は拡大しつつあります。総理は格差を是正して平等な社会を実現しようという志をお持ちなのでしょうか。
 今回の実質一兆八千億円の先行減税はどのような効果を生むとお考えでしょうか。
 減税について、九〇年代の過去四回、減税分がどの程度消費に向かったのか追跡調査を行った二〇〇二年九月の内閣府研究リポートがあります。このリポートは、減税の効果は限定的で、時間の経過とともに減衰する一時的性格であったと分析しています。これまでの減税効果をどのように認識されていますか。さらに、税制中立の観点から多年度でバランスを取ると言われています。いついかなる時期にどのような増税を考えていらっしゃるのでしょうか。
 リポートは、増税が間近に予想される状況では減税効果は更に小さくなると、その可能性を指摘しております。消費を担う中間層など庶民に対する医療費の負担増等に加えて、増税と連動した先行減税には反対いたします。
 第二に、雇用失業対策及び労働法制の見直しについてお尋ねします。
 パート、派遣、有期雇用等の非正規雇用労働者は拡大の一途をたどり、通常労働者との賃金を始めとする労働条件について不合理な差別的取扱いを受けております。一方、正規雇用労働者は、リストラの結果による労働強化、サービス残業の蔓延、過労死、過労自殺の増加にさらされています。総理はこうした現状をどのように改革していくのですか。
 労働こそ富の源泉であり、人こそ改革の担い手であるはずです。労働の意欲と喜びは、公平な処遇と性別役割分担の解消によって生まれます。働き方の構造改革こそ経済再生の根本であることをお忘れになっていらっしゃいませんか。
 さらに、今国会で予定される解雇ルールの法制化、物の製造への派遣の解禁、派遣期間の延長、契約期間の延長等の法改正の政策によって、労働者は安心して今後とも働き続けられるでしょうか。
 今こそ、雇用創出のためのワークシェアリングを積極的に進め、同一価値労働・同一賃金を含む均等待遇原則の法制化が必要です。パートタイム労働法の改正が急務であります。明確に御答弁をお願いいたします。
 社会民主党は雇用継続保障のための法制大綱骨子を策定いたしました。募集及び採用における人種、国籍、信条、年齢による差別的取扱いの禁止、経営上の必要から解雇が必要な場合には、事業主はワークシェアリング等による雇用の確保と分かち合いなど、解雇を回避する努力の最大限を尽くすこと、労働者への説明と協議を尽くすこと、合理的な基準により人選が行われること等、解雇の制限の法制化を提起しております。
 第三に、持続可能な社会保障制度の確立についてお尋ねします。
 規制緩和と財政危機により、日本社会の連帯の、そして扶助のシステムは崩壊しつつあります。老後の不安は極めて深刻であります。給付と負担の在り方をどのように見直そうとしておられますか。保険料を負担できるだけの働き手を増やすこと、これが絶対的な要件だと思いますが、いかがでしょうか。
 広く薄くの消費税は、年金生活者、勤労世帯、若者等に負担が厳しくなる税制であると考えますが、総理はいかがお考えですか。社民党は消費税アップには反対であります。
 さらに、教育基本法の改正についてお尋ねします。
 前文に、日本国憲法の精神にのっとり、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するためにこの法律を制定すると宣言している教育基本法の改正が今なぜ必要なのだと考えられるのでしょうか。とりわけ、歴史教育、平和・人権教育をどのようにお考えでしょうか。
 総理は靖国神社に参拝されたのですが、A級戦犯が合祀されている靖国に参拝をされることによって、アジア諸国の不信と批判についてどのようにお考えになっていられるでしょうか。
 第五に、イラク、北朝鮮問題についてお尋ねします。
 過剰な軍事力を背景にしたアメリカのイラク攻撃の危機をめぐり、紛争の平和的解決に向けた国際社会の努力が続いています。爆撃反対、子供に明日をと、イラク攻撃への反戦運動の広がり、独仏などEUの対応、イラク査察継続の国連の動き等を踏まえて、平和憲法を持つ日本の総理は、報復の連鎖を食い止めて平和的解決のためのイニシアチブを取るべきであると考えますが、いかがですか。日本の世論調査は、たとえ国連決議があっても参加反対という人たちが六〇%を超えています。
 九一年より七年間、国連大量破壊兵器廃棄特別委員会によるイラク査察で主任査察官として活動したスコット・リッター氏は、ブッシュ大統領支持者でありながら、イラク攻撃には明確な法的根拠がないとして反対の声を上げていますが、そのリッター氏が昨日講演し、ブッシュが運転する車からかぎを抜き取って、酔っ払い運転でがけから飛び降りるのを防ぐことこそが真の友人として果たすべき役割だと述べています。イラク攻撃の危機を深刻に受け止めるべきであります。態度をあいまいにしたまま暗黙のブッシュ支援は国際的な批判を受けましょう。
 さらに、アメリカから莫大な戦費調達への協力要請があると聞いておりますが、事実ですか。総理はもしアメリカから要請されたら受けられるのですか。
 北朝鮮の核開発も深刻な問題です。
 北東アジア非核地帯化・平和実現のために、憲法九条を持つ日本は韓国の太陽政策を支援すべきだと考えます。韓国、米国、中国、ロシア等、多国間の協議の枠組みはできているのでしょうか。また、日朝国交回復の早期達成への見通しはあるのですか。拉致被害者及びその家族、更に日本人妻、脱北者の帰国・救済問題へはどう取り組むおつもりでしょうか。
 第六に、有事法制についてお尋ねします。
 有事法制は、憲法の基本原則をないがしろにして、日本がアメリカに従属して戦争のできる国家に導くものであると考えます。日本は有事法制によらない平和と安全の保障を追求すべきであり、国際社会も、国際刑事裁判所の設置など、法の支配による平和の創造が基本的な原則となりつつあります。だからこそ、日本は予防外交と信頼醸成、非戦、非核、軍縮を目指すべきであります。
 日本の安全保障としての有事法制の在り方について、総理の明確な御所見を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115615254X00620030205_026

発言者: 大脇雅子

speaker_id: 18926

日付: 2003-02-05

院: 参議院

会議名: 本会議