小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 八田議員にお答えいたします。
 構造改革路線が破綻したのではないかとのお尋ねでございますが、構造改革は順調に進んでおります。この改革路線を今後もまっしぐらに進めてまいります。
 平成十三年度の日本経済については、米国における同時多発テロ事件の影響や、これも受けた世界経済の同時的減速などもあって、年度を通じて厳しい状況が続きました。これに対して、政府は、構造改革を推進しつつ、補正予算編成等を通じて景気の更なる悪化を阻止するなど、適切に対応してきたものと考えます。
 違法なサービス残業や長時間残業の解消等についてでございますが、長時間労働等の是正が新規雇用の拡大にどの程度つながるかについては単純には推し量れないものと考えますが、サービス残業をなくし長時間労働を抑制していくことは重要な課題と認識しております。
 我が国の年間総実労働時間については減少傾向となっておりますが、政府としては、引き続き労働基準法の遵守徹底を図るとともに、所定外労働の削減等に重点を置いて、政府目標である年間総実労働時間千八百時間の達成、定着に向けて取り組んでまいります。
 また、労働基準監督官の人員については、法違反の状況を生まないための監督指導等を適切に実施できるよう、厳しい行財政事情を踏まえつつも、必要な部署に必要な人員の確保が図られるよう努めているところであります。
 公共事業費削減と内容の見直しについてでございますが、公共事業については、全体の水準を削減しつつ、事業の根本にさかのぼった見直しを行い、大型ダムの新規着手や地方空港の新規建設を抑制するほか、雇用や民間需要の拡大に資する分野に重点配分を行っているところです。今後とも、公共投資の水準については、平成十八年度までの間に、景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に、その重点化、効率化を図っていくこととしております。
 なお、御指摘になった関空二期事業、中部国際空港とも、国際航空需要に適切に対応するために必要な事業であり、環境にも配慮しながら必要な見直しを行いつつ、着実に推進していく必要があるものと考えます。
 政治腐敗に対する反省と改善の努力についてでございますが、鈴木議員の問題、KSDの問題など、国民の政治への信頼を揺るがす一連の疑問が生じたことは大変残念に思っております。これらの問題を重く受け止め、再発防止に努めるとともに、改めるべき点は改めるという姿勢で政治改革に臨んでまいりたいと考えております。
 法を遵守することはもとより、国民の信頼を裏切ることのないよう政治家一人一人が襟を正し、今後とも一つ一つ確実に改革を積み重ねていきたいと思います。
 不良債権の新規発生が止まらない理由についてでございますが、不良債権については、現下の厳しい経済情勢の下、債務者の業況悪化に伴う新規発生が見られるところでありますが、これを上回る積極的な不良債権処理を行った結果、十四年九月期の全国銀行の不良債権残高は減少しており、悪循環に陥っているとの指摘は当たらないものと考えます。
 なお、政府としては、不良債権処理に伴う雇用、中小企業経営への影響に対しては細心の注意を払い、セーフティーネット策の整備には万全を期しているところであります。
 中小企業対策についてでございますが、中小企業は経済活性化と雇用創出の原動力であります。厳しい環境の中で、やる気と能力のある中小企業の資金繰りを円滑化するため、金融セーフティーネット対策に万全を期してまいります。
 また、中小企業の新規創業や新事業展開への果敢な挑戦に対して、資金確保、技術開発、人材育成等の支援策を強化してまいります。
 社会保障の負担増、庶民増税を中止すべきではないかとのお尋ねでございます。
 社会保障改革については、給付と負担の見直しを始めとした不断の制度改革が不可欠なものであります。今、改革を進めなければ、かえって将来に対する不安が広がり、経済にも悪影響を及ぼすことになると思います。
 また、今回の税制改革においては、平成十五年度に国、地方合わせて一兆八千億円程度の減税を実施することとしており、増税分は二千億円です。酒税等の見直しは、税負担のゆがみを是正するなど、国民皆が広く公平に負担を分かち合うとの基本的考え方によるものでありまして、二兆円の減税、二千億円の増税、合わせて一兆八千億円の減税であり、二千億円の増税ばかり言うのは余りにも一方的ではないかと思っております。
 当面の景気との関係についてですが、個々の負担増のみを取り上げて議論するのではなく、社会保障給付の拡大を通じた所得等の増加というプラスの側面や先行減税の効果なども含め、総合的に考えるべきものと思います。
 イラク問題についてでありますが、平和的解決を達成する上で重要なことは、イラクが査察への消極的な現在の姿勢を改め、大量破壊兵器の廃棄を始めとする国連安保理決議を誠実に履行することなんです。そのためには国際社会が協調して毅然たる態度を維持することが重要で、原口大使の演説において指摘したのも正にこの点であります。
 我が国は、今後ともそのような観点に立って外交努力を継続してまいります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 115615254X00820030221_017

発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2003-02-21

院: 参議院

会議名: 本会議