小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 広中議員にお答えいたします。
米国のイラク攻撃は国連憲章違反ではないかとのお尋ねでございます。
私は、国際社会が一致結束する上で、新しい安保理決議が望ましいと考えてきました。新しい決議が採択されなかったことは残念でありますが、今回の米国等の武力行使は国連憲章に違反するものとは思っておりません。すなわち、査察官の累次の報告等で明らかなとおり、イラクが決議一四四一で履行を求められている武装解除等の義務を履行していないことから、更なる重大な違反が生じていると言わざるを得ず、停戦条件を定めた決議六八七の重大な違反が生じていることから、決議六七八に基づき武力行使が正当化されると考えております。
イラク攻撃の目標に関するお尋ねですが、米国政府は、従来より、達成すべき目標はあくまでも関連安保理決議により義務付けられた大量破壊兵器の廃棄であると明確に述べています。
イラクに対する武力行使についてのお尋ねでございますが、私は、イラクにおける戦闘が一刻も早く、人的、物的被害もできるだけ少なく終結することを心から望んでいます。
また、イラク問題の本質は文明の衝突の問題ではありません。イラクが長年にわたり関連安保理決議を履行せず、大量破壊兵器を廃棄してこなかったことであります。このための国際社会による懸命な努力も尽くされ、イラクの対応を根本的に変えるための見通しが全く見いだせない状況の下、米国等が武力行使に至ったことはやむを得ないことだと思います。
イラク攻撃による経済への影響についてでございますが、戦闘開始以降、我が国の経済・金融市場は安定して推移しており、混乱は生じておりません。
今後の動向については、戦闘の推移などに左右されるものと考えられることから、現時点において確たることを申し上げることは困難ですが、本件が内外の経済に混乱を引き起こし、国民に不安を生じさせるようなことがあってはならないものと考えております。
このため、政府としては、各国との協調の下、引き続き為替、原油、株式などの経済・金融市場の動向を十分注視しつつ、不測の事態が生じないよう、原油の安定供給、金融システムの安定確保などについて、日銀とも一体となって万全を期していく考えであります。
戦費の試算等についてでございますが、米国行政府として戦費の試算を公式に発表したことはありません。我が国としては戦費負担については考えておりませんし、また、米国よりも要請を受けていません。
我が国は、さきに発表した対処方針に基づき、総合的かつ効果的な緊急対策を強力に推進するつもりでございます。また、これらの措置とは別に、テロ対策特措法に基づく支援を継続、強化します。
日本国民の安全確保のための対策についてでございますが、イラクとその周辺における在留邦人の安全確保のために、危険情報を速やかに発出するとともに、周辺国の在外公館において在留邦人との連絡、避難の体制を確立しています。さらに、一部の国については政府チャーター便や政府専用機の派遣も考慮しており、必要な準備を行っております。
国内でのテロを未然に防止するため、テロ関連情報の収集・分析を強化するとともに、国内重要施設、在日米軍施設、各国公館の警戒警備など、国内における警戒態勢の強化、徹底を図ります。
我が国関係船舶の航行の安全を確保するため、航行警報などを通じて情報を提供するとともに、関係国に対して警備強化の要請を行っております。
我が国の米国支持の背景についてでございますが、米国は我が国にとって掛け替えのない同盟国であり、我が国を取り巻くアジア地域の平和と安全の確保にとっても米国の役割は不可欠であります。そのような米国が大量破壊兵器廃棄という国際社会の大義に従って米国自身大きな犠牲を払おうとしている今、我が国が可能な限りの支援を行うことは同盟国として当然のことであると私は思います。
辞任する閣僚はいないのかとお尋ねであります。
米国を始めとする国々のイラクに対する武力行使を支持するとの立場は小泉内閣の一致した立場であります。本件が経済に混乱を引き起こしたり国民に不安を生じさせることがないよう、全閣僚一丸となって必要な施策を効果的かつ迅速に遂行してまいります。
我が国の立場についてのお尋ねでございますが、武力行使を支持するということは容易な決断ではございません。しかし、大量破壊兵器の脅威は人ごとでもありません。武力行使なしに大量破壊兵器が廃棄されない現在の状況の下では、今般の行動を支持することが我が国の国家利益にかなうものと考えております。(拍手)
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