陣内孝雄の発言 (本会議)

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○陣内孝雄君 ただいま議題となりました平成十五年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 平成十五年度予算の内容につきましては、既に塩川財務大臣の財政演説において説明されておりますので、これを省略させていただきます。
 平成十五年度予算三案は、去る一月二十四日、国会に提出され、二月五日、塩川財務大臣より趣旨説明を聴取した後、衆議院からの送付を待って、三月五日に審査に入りました。
 以来、本日まで審査を行ってまいりましたが、この間、三月十一日には政治資金等に関する集中審議、二十四日には外交・経済に関する集中審議を、また三月二十日には公聴会を、さらに二十五日及び二十六日には委嘱審査を行うなど濃密な審査を行ってまいりました。
 以下、質疑のうち若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
 まず、経済・財政・金融問題について、「日本経済の現状をどう認識しているのか。円安誘導策を取る考えはあるか。多年度税収中立と言うが、企業減税は時限措置なのに増税分は恒久措置となっており、実質的な増税ではないか。国庫補助金等の改革は進んでいないのではないか。二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスの黒字化をどう達成していくのか。日銀が買い取る資産についての基本的な考え方は何か」等の質疑があり、これに対し、小泉内閣総理大臣及び関係各大臣並びに日本銀行福井総裁より、「日本経済は厳しい状況にあり、経済活性化のために先行減税を行ったところである。不況下でも業績を上げている企業が出てきており、民間のやる気を引き出すような改革に取り組み、平成十七年度にはプラス成長にしていきたい。実勢レートが円安になれば好ましいと考えているが、一時的な為替の乱高下の場合を除き、政府として直接介入する考えはない。減税する場合にはそれに見合う財源を確保するのが原則で、財政規律の観点から、七年間での税収中立を示しており、先行き経済が良くなれば増収額を削減する考え方もあり得る。補助金については、交付金、税源移譲の問題とともに、三位一体の改革を行う方向で十五年度予算では芽出しを行った。今後、六月までに改革の工程表を取りまとめたい。プライマリーバランスについては、国と地方を合わせた政府の大きさをGDP比で見て大きくしないこと、経済活性化を通じて税収を確保しながら少しずつバランスを改善していくことを想定している。日銀としてはリスクの少ない資産を買い取るのが原則であるが、デフレ脱却等の厳しい局面では、日銀の資本基盤を十分点検しながら、ある程度危険資産に対しても踏み込んで政策効果を全うしていく必要がある」旨の答弁がありました。
 次に、中小企業・雇用問題について、「中小企業に対するセーフティーネットの整備についてどう対応するのか。中小企業に対する施策の周知徹底が不十分であり、行政の相談窓口の充実が不可欠ではないか。有効求人倍率は若干の改善が見られるものの失業率は高止まりしており、ミスマッチへの対応が必要ではないか」等の質疑があり、これに対し、関係各大臣より、「不良債権の処理に伴い中小企業は厳しい立場にあるが、セーフティーネット貸付け等を行い、平成十四年度補正予算で十兆円の融資枠を設定している。借換え制度や売掛債権担保融資制度等も含め全力を挙げて中小企業対策に取り組みたい。中小企業に対しての総合的な窓口として全国三百か所に中小企業支援センターを設置しているほか、商工会等に経営相談員約九千名を配置している。今後は中小企業の再生支援協議会をつくりワンストップ体制を整備していく予定である。雇用のミスマッチの原因にはいろいろあり、賃金や年齢が合わない場合、情報や能力の問題もあるが、情報については今年からインターネットに求人企業名を出すなど対応している」旨の答弁がありました。
 次に、医療・年金問題に関連して、「医療制度の抜本的な改革をどう進めていくのか。本年四月からの医療費自己負担の二割から三割への引上げを凍結すべきではないか。年金制度の改正へ向けての基本的な考え方は何か」等の質疑があり、これに対し、小泉内閣総理大臣及び関係大臣より、「医療制度の抜本改革については、保険の統合化、高齢者医療の問題、診療報酬の基本的見直し等について今月中に取りまとめを行い、スケジュールを明確にしていきたい。医療費の三割負担の問題は既に決着しており、既定方針どおり四月から実施していきたい。年金制度については、厚生労働省の案をたたき台としながら、年金、医療、介護を一体として国民各層の意見を聞きながら結論を出していきたい」旨の答弁がありました。
 次に、外交・防衛問題に関しては、イラク情勢が緊迫化する中で、「イラク問題に取り組む我が国の基本的な姿勢を明確にすべきではないか。新たな国連決議なくして米国がイラクへの攻撃に踏み切ったが、我が国が米国の武力行使を支持するのは問題ではないか。また、北朝鮮問題についての現状をどう認識し、取り組むつもりなのか。北朝鮮の核開発に向けた動きに対してどのような対応を取るのか」等の質疑があり、これに対し、小泉内閣総理大臣及び関係大臣より、「日本はイラクに対し武装解除するよう説得し、米国に対しては国際協調体制が取れるよう最後まで努力してほしいと要請している。国際協調及び日米同盟の重要性を両立させていくのが政府の明確な立場である。新たな国連決議が採択されなかったのは残念であるが、大量破壊兵器が独裁者やテロリストの手に渡れば何百万人、何十万人の生命が脅かされかねない。イラクが国連決議を遵守しなかったことが原因であり、米国を支持することとした。北朝鮮問題に対しては、日朝平壌宣言の誠実な実行なしには国交正常化がないことを繰り返し伝えている。国際社会から孤立するのではなく協調することが北朝鮮にとって最も利益になることを粘り強く働き掛けたい。最近の北朝鮮の動きはいわゆる瀬戸際外交の一環ではないかと判断しており、その一線を越えないよう、米国、韓国等関係国とも連携して対応したい」旨の答弁がありました。
 最後に、いわゆる政治と金の問題に関連して、小泉内閣総理大臣から、「今まで国会で何回も議論され襟を正さねばならない中で逮捕事件が起きたのは大変残念である。議員も秘書も心して政治と金の在り方に対する認識を厳しく問い直す必要がある。今後は不正が起こらないような資金調達、使途の方法等について与野党が胸襟を開いて話し合い、改善措置を今国会中に成立させる努力が必要である」旨の発言がありました。
 質疑は、このほか、消費税の引上げ問題、産業再生機構、名古屋刑務所問題、公務員制度改革、市町村合併、介護保険制度の見直し、構造改革特区、WTO農業交渉、環境問題、教育基本法の改正、エネルギー問題など広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、本日をもって質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して郡司理事が反対、自由民主党・保守新党及び公明党を代表して山本理事が賛成、日本共産党を代表して林委員が反対、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)を代表して平野理事が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、平成十五年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 115615254X01520030328_003

発言者: 陣内孝雄

speaker_id: 9031

日付: 2003-03-28

院: 参議院

会議名: 本会議