長谷川清の発言 (本会議)

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○長谷川清君 私は、民主党・新緑風会を代表して、小泉総理の日米首脳会談、エビアン・サミット等の報告に対し、総理及び関係大臣に質問します。
 まず、サミットのテーマとなりましたイラク復興支援について、民主党は国連決議なくして単独主義的なイラク攻撃を行ったアメリカやイギリス等の行動に対しては国際法上の疑義もありと、そういう観点から反対を表明してまいりました。
 しかし、既にフセイン政権は崩壊し、国連によるイラク制裁解除決議がなされ、イラクの国民の民生を安定させることが急務であることにかんがみ、援助を否定する態度を取るべきではありません。
 日本としては、医療や教育分野への支援、社会的なインフラの整備などに重点を置くと主張すべきであります。湾岸戦争後、我が国は、法人税や石油税の増税をもって支援を講じてまいりましたが、今日の日本の経済の情勢下にありましては、そうした手段は取るべきではないと存じます。でき得る限り、不要不急の経費の削減によって財源は賄うべきであると考えます。
 以上の諸点について総理の答弁を求めますが、さらに、イラク復興支援への協力で補正予算を編成することもあり得るのかどうか、併せて答弁をいただきたいのであります。
 自衛隊はPKO法やテロ対策措置法に基づいて海外で活動できることになっておりますが、ただし、受入れ国の同意が条件になっているのであります。しかしながら、このところ政府内において検討されております新法は、イラクに政権が樹立をされていないということにかんがみまして、相手国の同意なしに自衛隊を派遣できるものとすることと報じられております。自衛隊は米英軍への協力支援や被災民救済を行うものとし、武器の使用基準については現状のままでいいということも伺っております。
 私は自衛隊の活用を否定するものではありません。しかし、このようななし崩し的な拙速な議論は避けるべきであります。国民に丁寧に説明し、野党とも十分協議をした上で法案の最終案を決定する手順を踏んでいただけるかどうか、総理にお伺いするものであります。
 なお、現在、今、参議院におきましては重要な法案が山積をし、それをまじめに審議しているところであります。その最中に、山崎自民党幹事長から国会延長発言が飛び出してみたり、内閣改造をめぐりまして与党の中に不穏な動きが出ておりますが、これらイラク復興支援とともに、これらの動きについて、自民党総裁選をにらんだ政争の具と言わざるを得ません。有権者をないがしろにするこういう行為というものについて、参議院としては迷惑千万であります。ここに苦言を呈するものでございます。
 次に、北朝鮮問題について質問いたします。
 今回のサミットにおいて採択されました議長総括では、北朝鮮の核開発問題と拉致事件の包括的な、平和的な解決への支持が盛り込まれましたが、サミットにおいて拉致事件に言及されたのは初めてのことであり、国際的な世論においても政府が毅然たる態度を貫き通すことが不可欠であります。
 なお、先日行われました日米首脳会談で、小泉総理が、北朝鮮に対して、対話と圧力、これが必要だと述べたこの発言に関し、外務省内での動きによって、記者への説明資料から圧力という二文字が故意に削減されたと言われております。
 こうした行動がもし事実とするならば、日米同盟に対する重大な背信行為であるばかりか、二十数年間にもわたって生き地獄の苦しみのような味わいを続けてこられました被害者の方々やその家族に対しても説明の付かないことと受け止めざるを得ません。政府は事実の関係を明らかにすべきではありませんか。これに関与した外務省の担当者の更迭を求める声も強まっております。どう対処するおつもりか、小泉総理に答弁を求めます。
 小泉総理は、昨年の九月の平壌宣言が破綻をしているということを率直に認めるべきではないですか。拉致被害者及び家族全員の早期帰国や、安否情報の提示や、現地の調査や、拉致の行為に対する正式な謝罪と補償、原状の回復等々、これらを最優先事項として、米中朝に日韓を加えた枠組みで、さらに、国連安保理、国連人権委員会、これら国連機関を活用した取組というものを強化して拉致事件の早期解決を図るべきであると考えますが、総理のこの間における方針を明らかにしていただきたいのであります。
 また、今月の九日に、北朝鮮の万景峰号が新潟港に入港を予定しております。民主党は、これら対日・対韓工作に使われている疑いのある万景峰号などについては、北朝鮮工作員による不当な活動を防止するため、出入国管理規制や貨物等の輸出入の検査などの税関体制を強化することを政府に求めてまいりましたが、政府は、このたびのこの入港に対しましていかなる態度を取るのでしょうか。あるいは、北朝鮮向けの物資やお金の動き、対日工作などに対する監視体制をいかに強化をしていくおつもりなのか、総理に対して御所見を伺うものであります。
 さらに、核拡散防止条約、NPTの脱退、ミサイル発射の実験、あるいは核兵器保有表明など、幾つかの危険な瀬戸際の政策をエスカレートさせている北朝鮮には厳重に抗議すべきであります。こうした姿勢を絶対に容認しないぞという厳しい態度こそが重要であります。
 こうした北朝鮮の蛮行を転換をさせるためには、日米韓を始め、中ロとの政策調整が一層重要であります。国連に対して、北朝鮮問題の早期解決を促すなど、国際社会の関与を強めることが重要と考えますが、政府としていかなる態度で臨むのか、総理の見解を伺います。
 次に、日米関係についてであります。
 我が党は、責任政党といたしまして、日米同盟を日本外交の基軸としております。アメリカとの関係強化にも努めております。
 今般の一連の外交活動において、日米関係においても、両国首脳が緊密に意思の疎通を図り、協力をしてこれらの問題に対処していく機運がつくられたものについては一定の前進を評価しております。
 しかし、沖縄の海兵隊の削減方針がまことしやかに報じられている件についても、日本政府が正確な情報の把握やアメリカとの緊密な協議をしているようには見受けられないのであります。イラク復興支援などの重要課題に関してアメリカとどのように政策調整をされているのか、全く判然といたしておりません。
 また、今回のサミットでは、アメリカとフランス、ドイツなどとの関係修復が重要課題となりましたが、日本としてはもっともっとこの問題は積極的にかかわってよかったのではないでしょうか。
 沖縄米軍基地の整理縮小、アメリカの国際社会へのかかわりもいろいろ展望したときに、いかなる将来のビジョンを持って日本政府は新しい日米関係を構築しようとしているのか、その点について総理の答弁を求めます。
 次に、財政問題に移りますが、失政を重ねる小泉内閣に対しましては、これからの質問はどうしても辛口にならざるを得ません。
 今、経済の血液である金融が破綻寸前の状況にあります。総理は、テキサスでの首脳会談において、りそな銀行には金融危機に陥る前に公的資金の注入を決めたとか、日本経済の実態は言われるほど悪くはないんだということを強弁して、ブッシュ大統領をちょろまかしたわけではないが、ブッシュ大統領のお墨付きを得て、サミットに行き、我が国の金融システム対策や不良債権処理策についてあえて議題から外すというか、議題から避けている。経営者が多少の責任を取ったというだけで従業員も株主も何ら責任を取らない、このことも問題ではありますけれども、何はさておいても、かかる金融危機を招いた政府の責任を明らかにすることこそ先決ではないのですか。
 金融危機対応会議の直前まで、太平洋・島サミットにおいて総理はアイーヤと踊っていましたね、沖縄で。非常にいい顔をしておりました。大写しでした。その一方において、りそなが救急車で危篤状態で国立病院に送られているという映像です。これを同時に見た国民からすれば、危機管理意識に欠ける内閣の姿勢に危惧の念を抱かざるを得ません。総理のこの点に対する答弁を求めます。
 既にもう銀行には三十六兆円もの公的資金がつぎ込まれているのでありますが、中小企業には金は貸しません、庶民に、預金者に利息は払えません、手数料だけは取ります、そういう銀行が守られていて、その上に、銀行のずさんな事務のために、通帳が盗まれ、あるいは偽装の印鑑を使って銀行から預金を引き下ろす、こういうことが許されていて、元々の本来の預金者が補償さえ行われていないというこの事件が多発をしているのであります。
 小泉内閣は、金融再生どころか、銀行のやっている庶民や中小企業いじめに加担をしているのではありませんか。政府の金融政策は破綻していると断ぜざるを得ませんが、総理の明快なる答弁を求めます。
 サミットでは、小泉総理は、世界のデフレ懸念を逆手に取って、日本のデフレ脱却への取組を説明するにとどまりまして、厳しい責任から逃れて帰ってきております。もう限界でございます。
 小泉さんの構造改革を何とか転換を早くして、新しい社会のビジョンを明らかにしてリーディング産業を育てる、雇用をつくるための真の構造改革をこれから促進していかなければ日本の経済の再生はあり得ないと存ずるのであります。
 小泉総理はやみくもにスローガンだけを叫ぶだけであります。口だけ改革なんです。ゴルフでいえば、口だけワトソンと同様のことなのであります。肝心な、目指すべき国家の将来像を明らかにしていないのであります。私は、一言で言うならば、経済力の高い国家の創造を目指すべきであると考えます。
 そのためには、まず第一に、今コンクリートのように経済社会の土俵が固まってしまっております。まずは、経済に対する規制を撤廃しなければなりません。新たな規制は苗を新たに植えればよろしい。
 第二には、科学技術の基礎研究を徹底すること。これまでの日本の約五十八年間、〇・三%でずっと据え置いてきている。優秀な科学者は、助手まで連れて諸外国で、あちらで特許を取っている状況です。産学官の連携を高めてこれらの柱を築くこと。
 第三には、人こそが財産であるという発想の転換が必要です。戦後五十数年の間は、人材は人の材料として材料扱いです。これからの日本は、人こそが財産である、人材を扱う場合には人財と書いてジンザイと呼ぶ、そういう転換を必要といたしております。そこに支援をすることです。
 第四には、新しいニーズに対して、今は需要と供給がミスマッチを起こしているからデフレ不況なんです。このミスマッチを解決するためには、新しく多様化したニーズにどう供給体制を整備するか、それなくしてデフレ不況の克服はありません。
 最後に、商品のみならず、我が国は世界じゅうの六十億を相手にして、商品や文化や芸術や音楽やスポーツや環境や、ありとあらゆる人間としてのインタレストを供給する国に、それを目指していこうではないかと私どもは思います。
 このような国家像に向かって改革に取り組むという考えがおありなのかどうか、総理に本音のお答えをいただきたいのであります。
 民主党版の言う構造改革は、具体的な国家の将来ビジョンを定めた上で、お金の使い道にまで踏み込んで行政や財政の仕組みを大胆に変えようとするものであります。福祉、環境、科学技術などに予算の重点配分を行い、地方が自由に使える一括交付金制度を創設すべきであります。今のように、古い器の中に予算を幾らつぎ込んでも経済の回復などは望めないと考えますが、総理の答弁を求めます。
 小泉内閣の失政に苦しむ勤労者や若者、中小企業に対する緊急の策が今、不可欠であります。雇用保険の財政基盤の強化、きめ細かな職業訓練やキャリアカウンセリング、政府系の金融機関の貸付制度の拡充や、今、実態を無視した金融庁の検査マニュアルの見直し等々を図るべきではないかと考えますが、総理からそのお約束をいただきたいのであります。
 小泉内閣は、深刻な不況にもかかわらず、患者負担の引上げとか……

発言情報

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発言者: 長谷川清

speaker_id: 20901

日付: 2003-06-06

院: 参議院

会議名: 本会議