小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 長谷川議員にお答えいたします。
 イラク復興支援の重点分野及び自衛隊の活用についてでございますが、我が国は、国際協調の下、イラクが一日も早く再建され、イラク人の生活が正常化するよう、御指摘の医療、教育、インフラ整備等の支援も含め、速やかにできる限りの措置を講じていく考えであります。イラクの復興等を支援するために我が国として何ができるかについては、我が国の国力にふさわしい貢献を行うとの観点から、主体的に検討を行ってまいります。
 イラク復興支援に係る財源及び補正予算の編成についてでございますが、今後の事態の推移を見極める必要があることから、その財源等について現段階で確たることは申し上げられません。したがって、現時点でイラク復興支援のための補正予算の編成を議論することは時期尚早と考えます。
 日米首脳会談の対外説明についてでございますが、首脳会談について種々報道されていることは承知していますが、いずれにせよ、政府の方針は、私がブッシュ大統領に述べたとおり、北朝鮮問題の平和的解決には対話と圧力が必要であるというものです。本件に関連し更迭などは考えておらず、今後ともこの方針に基づき、政府は一体となって対北朝鮮政策に真剣に取り組んでまいります。
 拉致問題についてでございますが、政府としては、日朝平壌宣言に従って、北朝鮮をめぐる諸問題を包括的に解決し、北東アジアの平和と安定に資する形で日朝国交正常化を実現する方針に変わりはありません。特に拉致問題については、引き続き北朝鮮側に対し、被害者の御家族の早期帰国と追加情報の提供を求めるとともに、国際場裏や二国間会談の場等あらゆる機会をとらえて問題の早期解決に向けて粘り強く努力していく考えであります。
 万景峰号に対する対処及び北朝鮮向けの物資等の監視体制についてでございますが、万景峰号については政府としても重大な関心を持って情報収集を行っており、関係機関の連携を確保しつつ、輸出入貨物や出入国を行う乗船客の携帯品について厳正な審査、検査を行うなど、水際における厳重な取締りに努めています。北朝鮮向けの物資等については関係省庁が連携して監視を強化し、違法行為に対しては厳正に対処してまいります。
 北朝鮮の安全保障上の問題についての国際社会への働き掛けに関するお尋ねでございますが、政府としては、核問題を始めとする安全保障上の問題については、日米韓の連携を基本としつつ、中国及びロシア等の関係国や、国連や国際原子力機関等の関係国際機関と緊密に協力し、北朝鮮に対し、国際社会の一員として責任ある行動を取っていくよう引き続き積極的に働き掛けていく考えであります。
 日米関係の在り方についてでございますが、日米両国は強固な同盟関係にあり、世界の問題を世界の国々と協調しながら解決していく原動力だと思っております。さきの日米首脳会談で私とブッシュ大統領が一致したとおり、このような世界の中の日米同盟、これを強化し、御指摘のような日米二国間の問題や国際社会の諸課題にともに取り組んでいく考えであります。
 今般のりそな銀行への対応を含め、公的資金注入にかかわる金融行政についてでございますが、りそな銀行に対する公的資金の投入は、金融危機が生ずることを未然に防止し、預金者や中小企業を中心とする取引先に不安を与えることのないよう、銀行の再生と金融システムの安定を確保するために行うものです。金融機関が破綻したわけではなく、金融危機が生じたわけでもありませんが、りそな銀行がこのような事態となったことについては遺憾であると考えております。
 なお、従業員の責任については、年収の三割カットが既に公表されており、また、株主責任としては、配当の抑制を行うことを考えております。
 中小企業金融等をめぐる環境は厳しい状況にあるものと認識しておりますが、今後とも中小企業に対するセーフティーネットに十分配慮しつつ、不良債権処理を始めとする改革を進め、強固な金融システムを構築していくことが政府に課せられた責務であると考えます。
 経済力の高い国家の創造を目標に改革に取り組むべきとの御指摘でございますが、小泉内閣が目指すのは、簡素で効率的な質の高い政府の下に、自助と自律の精神で、国民一人一人や企業、地域が持っている大きな潜在力を自由に発揮できる、活力ある民間と個性ある地方が中心となった豊かな経済社会の実現であります。規制改革の推進、科学技術の振興等を通じた産業競争力の強化、文化、芸術分野を含めた多様な人材育成など、種々御提案のあった点についての基本的な考え方は長谷川議員とも共有しているものと考えており、これらの点に関する政府としての基本的な方針については、既に骨太の方針や「改革と展望」等において明確に示しているところであります。
 政府としては、今後とも、活力ある豊かな経済社会の実現を目指し、日銀と一体となってデフレ克服に取り組むとともに、各般の改革に全力を挙げて取り組んでまいります。
 予算の重点配分と一括交付金制度の創設についてでございますが、歳出の構造改革により、限られた財政資源を経済の活性化や将来の発展につながる分野へと重点的に配分することは重要な課題であると認識しております。こうした考え方の下、平成十五年度予算においても、歳出全般にわたる見直しを行い、活力ある社会、経済の実現に向けて、福祉、環境、科学技術などの分野において予算配分の重点化、効率化を行ったところであります。
 地方財政の自立性の向上を図ることも重要な課題と認識しておりますが、民主党御提案の一括交付金制度については、現行の補助金の水準より社会保障、教育分野を含め二割削減することが可能かなどの点で問題があるものと考えております。
 いずれにしても、政府としては、国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分の在り方を三位一体で検討し、今月中に改革案を取りまとめてまいります。
 雇用・中小企業対策についてでございますが、構造改革を進める上で雇用、中小企業のセーフティーネットに万全を期すことは政治の責任と考えております。このため、雇用保険制度の安定的運営を確保する観点から、早期再就職を促進するため、給付の在り方を見直すとともに、ハローワーク等におけるキャリアカウンセリングや若年者を対象とする民間機関を活用した職業訓練を充実するなど、きめ細やかな支援策も実施しております。また、政府系金融機関の活用を含め、やる気と能力のある中小企業の資金繰りを円滑化するため、セーフティーネット保証、貸付けの拡充などの措置を講じているところであります。
 なお、金融検査マニュアルについては、昨年、中小企業融資向けに別冊を作成し、中小企業の実態に即して検査を実施しているところであり、引き続きその周知徹底を図るとともに、内容の充実に努めてまいります。
 予定利率引下げ法案についてでございますが、今回の法案は、保険契約者等の保護の観点から、保険会社、保険契約者間の自治的な手続により予定利率の引下げを可能とする新たな選択肢を追加するものであります。なお、解約の停止命令は、予定利率引下げの手続進行中の破綻を防止することなどにより、結果として保険契約者等の保護につながるものであります。
 政府としては、こうした制度の意義や内容について、国民の十分な理解が得られるよう努めてまいります。
 消費税についてでございますが、これまでも繰り返し申し上げておりますが、歳出の見直しを含めた徹底した行財政改革を行うことが私の内閣の大きな目標であります。したがって、私の在任中は消費税率を引き上げません。しかしながら、少子高齢化の進展等を踏まえた将来の税制の在り方については、消費税を含め、大いに議論を行っていただきたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2003-06-06

院: 参議院

会議名: 本会議