古川元久の発言 (憲法調査会)

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○古川委員 民主党の古川元久でございます。
 私ども民主党の中で、この調査会の会長代理でもあります仙谷議員を会長にいたしまして政権準備委員会というものを設けまして、そこで私ども民主党が政権をとった場合にどのような政府をつくるのか、「国民と共に行動する「新しい政府」の確立に向けて」という報告書を先日発表いたしました。これは私、憲法に規定する行政権、内閣のあり方ともかかわる話だというふうに思いますので、本日は、その報告書をベースにして、ここで一言意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず、憲法六十五条における行政権は、さきの国会の中での統治小委員会でも少し私、述べましたけれども、本来、英語で言えばエグゼクティブパワー、日本語にすれば執行権と言うべきそういうものを意味しているのではないか。ですから、これは英語で言うアドミニストレーティブパワーであります行政権とは本来区別して認識されるものであり、内閣が行使するのはこのエグゼクティブパワー、執行権であるというそうした視点から、私どもは、内閣が構成されて、そしてその内閣が政府を運営していくべきというふうに考えております。これは、イギリスやドイツのような、いわゆる宰相システムという立場に立つものであります。
 この宰相システムとは、例えばイギリスの首相のように、他の閣僚の上に立つ。イギリスの首相は、他の閣僚たちの上に立つ第一人者でありまして、与党議員の投票によって辞任に追い込まれることはありませんから、こうした仕組みの中では、閣議で首相の権限を制約するシステムではないため、首相主導の内閣運営が可能になっております。私どもは、この日本でも、このようなイギリスやドイツのような宰相システム型の議院内閣制を日本の政治に開花させるべきだというふうに考えております。
 そうした視点から、日本の首相というものも、内閣の首相を第一人者としてみずから政府を運営し、部下としての大臣を自由に指名し、また自由に罷免する、そういう能力を持たせるべきである。首相に問われる最大の資質は、政府を運営し、強い力でリードするにふさわしい施策を確保するというすぐれたチーム編成能力が求められる、そして、このみずから編成したチームのリーダーとしてイニシアチブを発揮し行動する、そのことができることによって、私どもは、政府が行動力と変革力を持つことができるというふうに考えております。
 こうした視点から、これまでの自民党中心の政権の運営のあり方というものを検証してまいりますと、なぜ、従来の政権の中では現在の日本に必要な改革がなかなか実現できないかというところが明らかになってまいります。
 これまでの自民党中心の政権の中では、権力の二重構造が存在をしてまいりました。その権力の二重構造とは、第一に、政府と与党の二元体制であります。政府の方針と与党の方針の相違がこれほどまでに頻繁に起こって、それを容認するような政府は、世界じゅう見渡しても存在いたしません。
 また第二に、首相と各大臣の二重構造というものもあります。建前として、内閣は連帯して責任を負うということになっておりますけれども、現実には、各大臣は、首相や同僚閣僚との一体性などよりも、それぞれの代表する役所の官僚機構の利害を明らかに優先させるようなそういう傾向があります。
 そして第三には、政と官の分離、官僚主導の政策運営であります。相変わらず、官僚機構は政治の意思あるいは国民の意思とかけ離れた行政を行い、残念ながら、政策立案や予算策定を霞が関、とりわけ行政各部、すなわち各府省庁に依存する官僚主導の政治運営が続いております。
 こうした状況の中、三つの権力の二重構造がある中では、政策決定の責任の所在はことごとくあいまいなものとなり、それがまた族議員と天下り官僚の暗躍を許す、いわゆる政官業癒着の構造が放置される、そうした原因になっております。
 したがいまして、私ども民主党は、こうした政府のあり方を変えることなくして本当に政治や政策を変えることはできない。そうした視点に立ちまして、私ども民主党が政権をとった場合には、与党と内閣の意思決定の一元化を図り、国民が選出した政治主導の政府運営を確立することができる、そうした新しい政府というものを実現していきたい。そのことを、私ども政策として掲げるマニフェストとともに、これも政府の形、新しい政府の形も私どもが掲げる政権公約として、来るべき総選挙を戦っていきたいということを申し上げて、私の意見表明とさせていただきます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 古川元久

speaker_id: 31953

日付: 2003-10-02

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会