北川れん子の発言 (憲法調査会)
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○北川(れ)委員 社民党・市民連合の北川れん子です。
アフガニスタン戦やイラク戦はまだ終了しておらず、しかも、反テロ世界戦争は北朝鮮やイラン、シリアなどに拡大する危険性を残しています。
イラクに駐留するアメリカ兵、イギリス兵の犠牲者が毎日のようにふえています。兵隊だけが犠牲になっているのではなく、それを上回るイラクの一般市民が犠牲になっています。報道では少なくとも七千人以上との数字が出されており、軍事力という力だけを振りかざした結果が対立を生み出しているイラクの現状を見ると、軍事力だけでは、イラクの一般市民どころか、治安のためだとイラクに駐留する諸外国の兵士の安全すらも確保できないのが現実です。やはり、軍事力だけでは決着がつかないことを世界に発信した戦争であり、一方的な襲撃であったと思います。
現在、日本の自衛隊は、地震や台風などの災害緊急出動や国土保安のために人々に必要な存在として認識されています。他方では、近年、平和憲法の理念からかけ離れ、軍隊としての色彩を強めつつもあります。
小泉総理の改憲発言を初め、雰囲気的反護憲論が蔓延している中、平和主義を弱体させるような改憲を行うことは、日本が反テロ世界戦争にさらに本格的に参戦したり、その戦場となったりする危険を著しく高めていくと思います。だからこそ、平和憲法の理念のもとで、今ある問題をどう解決に向けるのかについて、政治の場で議論することが必要ではないでしょうか。
阪神大震災直後、被災地に来られた自衛隊の方々や消防隊の方々の働きを見て、違いを確認しました。消防隊の方々はみずから判断し救助活動に取りかかるのに、自衛隊の方々は命令がないと動きません、動けないのです。被災者の目から見ても、両者の違いが鮮明に浮かび上がってきました。それに、最も大きな違いは、消防隊は地域密着型であるため、路地裏までも知り尽くしているということです。身近な存在としての安心感は、あのような折、とても大切なものでした。
九条を使命とするのか、破壊や敵を想定しての行動を使命とするのかでは、大きな開きがあります。自衛隊の武器がどちらに向けられるのかという点もあり、関係において緊張感が強いられます。命令口調であることも気になる点です。
小泉総理は、二十九日の本会議で、イラクへの自衛隊の派遣については、自衛隊を戦闘地域に派遣せず、また、派遣された自衛隊が戦闘行為に参加しないというイラク復興支援法の原則を堅持しながら、現地情勢の調査結果などを踏まえて派遣の可能性、時期などを判断する、イラク復興支援は国際社会の重要課題であり、国際協調のもと、我が国にふさわしい貢献を行ってまいりますと答弁されていますが、今のイラクの情勢の中でイラクに自衛隊を派遣することが我が国にふさわしい貢献なのでしょうか。
大量破壊兵器は見つからず、イラク戦は違法であり、人道に反した侵略戦争以外の何物でもありません。イラク市民、医療関係者が求めているのは、医療貢献、殊に、劣化ウラン弾に汚染されているため、被曝治療、小児がん、白血病治療など、いち早く日本は名乗りを上げるべきです。
国民は、専守防衛、軍事大国化しない、非核三原則、文民統制などの理念のもとで自衛隊という存在を認識しています。しかし、他方では、専守防衛の枠を超え、クラスター爆弾の存在などが示すように、私には踏み外しているとしか思えません。クラスター爆弾は、十六年間で百四十八億円を使い、現在、国会に報告のないまま保有していることもわかりました。
また、ストックホルム国際平和研究所がことし六月に出した二〇〇二年の各国の防衛支出費を比較した資料では、日本は、一位アメリカの七分の一で、世界の六%を占める世界第二位の軍事大国になっています。国民一人当たりの国防費、日本は四万二千百二十円、アメリカは十四万四千六百八十円で、軍事大国が何かについて定義が難しいことは承知をしていますが、現実にも日本の防衛支出費は国際的に非常に大きいということを考えれば、何の歯どめもないことが気にかかります。
私は、去年一月、テロ特措法によりインド洋に派遣された自衛隊への視察をみずからしたいと防衛庁に申し込みましたが、自衛艦の位置がわかるから、防衛上、軍事上の機密だという理由で拒否された経験を持っています。自衛隊は、軍事機密という言葉一つで情報公開が当たり前のようになされていません。自衛隊員一人一人の人権が自衛隊の中でどう守られているのかを検証するためにも、情報公開の徹底は可及的速やかにされなければいけない課題だと思っています。年間六十人もの自殺者がなぜ出るのかも追及しなければならない問題です。
テロの温床となる貧困などの構造的に根深い問題に対して、とりわけ中東諸国との友好な関係をこれまで築き続けてきた我が国の役割を打ち捨て、単純な対立の図式を国際関係の中に固定化することに寄与する必要は全くないと考えます。
もはや、現在において一国の問題が世界的な問題になることは、イラクの問題だけに限らないことは明らかです。だからこそ、一つの国の問題にすぎないとしても、一つの国の問題だからと切り捨てることなく、国際協調の枠の中で慎重に取り上げるべきです。大国が軍事力を振りかざしたり、対立の図式の中に問題を矮小化することは、問題を解決への道から遠ざけるばかりです。
日本は、ASEAN地域フォーラム、ASEANプラス3における安全保障面での情報の交換や対話を重ね、アジア地域において具体的な信頼醸成措置や予防外交に向けた取り組みなど、協力が着実に進展してきました。国際協調のもとで……