小泉純一郎の発言 (予算委員会)
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○小泉内閣総理大臣 私は、就任以来、民間にできることは民間に任せていこう、また地方にできることは地方にできるだけ任せていこう、そういう方針のもとに、改革なくして成長なし、構造改革に手をつけないとますます日本経済、新しい時代に対応できないという基本的な方針のもとに政権の運営を行ってきたつもりでございます。いわば、余りにも中央政府依存型、こういう構造というものを正していこうということでございます。
そういう中で、金融、税制、規制、歳出、全般にわたり、新しい時代にふさわしいような改革をしていこうということでやってまいりました。
当初、私が就任する前は、大勢の意見というのは、金融機関、どうもおかしいんじゃないか、それから、不良債権に足をとられて資金が十分成長分野に行かないのではないかということから、不良債権処理、これが急務だということは多くの方が提言されてきたところであります。
しかし、いざ進めていきますと、これは、不良債権処理を進め過ぎると倒産が起こる、失業が増大するという批判が出てまいりました。しかし、私は、物事は何事においても両面がある、すべていいことばかりではない、しかし、今ここで不良債権処理をおくらせて、果たして金融機関が本来の機能を果たすことができるのだろうかということで、不良債権処理を進めてまいりました。
確かに、最初のころはなかなか処理が進まなかった。不良債権がどんどんふえるのではないか、新しい不良債権が積み上がっていくのではないかという御批判もいただきました。しかし、ここに来て、ようやく不良債権処理が進んできまして、予定どおり、平成十七年には終結させるような見通しも立ってまいりました。
また、税制改革におきましても、これは、財政状況が厳しい中にもかかわらず、単年度均衡主義ということではない、多年度で税収というものも考えていいのではないかということから、今年度におきましては二兆円の減税を先行させる、酒、たばこの増税分がありますから、二千億円の増税分を差し引いても一兆八千億円の減税を先行した、こういう税制改革も行ってまいりました。企業の中において研究、投資、開発というのは重要だ、そういう部分に重点を置いて減税を先行させてきたわけであります。
また、規制の面におきましても、なかなか、規制改革といっても、一方においては、規制改革がされますと現状の中で自分たちの仕事が奪われる、他の分野に奪われるからどうしても既得権を守ろうということで反対が強い。それだったらば、まず、地方の地域におきまして特別に、全国の規制緩和が無理であったならば、特定の地域に限って規制改革をして、その状況を見て、全国に広げられるんだったら広げていけばいい、失敗を恐れず新たな挑戦に向かって立ち上がっていこうという地方の意欲をかき立てようじゃないかということで、構造改革特区構想等で規制改革を進めてまいりました。
また、歳出におきましても、このままどんどんどんどん、いろいろな要望というものは、歳出を削減しなさいという要望よりも、新しい時代にこれは必要だ、あれは必要だ、どんどん歳出をふやす要求はたくさん来ますが、ここのところは切りなさい、削減しなさいというのはなかなか出てまいりません。出てきたとしても極めて少数であります。
そういう中で、一般歳出を前年度以下に実質を抑えていこう、そうすると、将来、余り大きな政府、大きな税負担なしに、新しい歳出の分野をめり張りをつけて変えていくことによって、新たな時代に対応できるのではないか。また、大きな政府ということにならないような形で、将来の財政全体も考えながら、同じ歳出の中で重点分野を設けて、ふやす部分があるんだったら減らす部分も考えなさいということでやってまいりました。
そういう中で、ようやく、厳しい経済環境にありますが、失業率におきましても、若干ではありますが、改善の状況を見せてまいりました。また、株価も、八千円を割ったころはまだまだ下がるという見方が大勢でありましたけれども、ようやく、今から考えてみると、あの四月の下旬、八千円を割って七千六百円になったときには、もう七千円を割って、これはどんどんどんどん下がっていくのではないかという見方から、やはりあのころが底だったんじゃないかという見方が今大勢になっているんじゃないでしょうか。また、企業収益も改善に向かっております。企業収益が改善に向かえば、民間の設備投資もふえてきまして、公的な政府の支出なくして、民間がむしろ設備投資をふやしてきた。
こういう状況を見ても、ようやく、若干ではありますが、明るい兆しが見えてきたのではないかな。二、三年、ゼロ成長、低成長、我慢してくれと言って私は就任しました。当時の政府の見通し、実質の成長率においても、名目成長率においても、当初の政府の見通しよりも上向いております。
こういう時期に、私は、今後三年間の総裁としての任期を付与されたわけではございますが、この皆さんの信託を受けて、ようやく、多くの国民の皆さんがこの厳しい状況に耐えて我慢してくれた、改革の種をまいてまいりましたけれども、芽が出てきた段階だと思うんです。この芽を立派な木に育てていくのがこれから私に課せられた責務ではないかと思っております。