石破茂の発言 (外交防衛委員会)
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○国務大臣(石破茂君) 委員が政務官のときにも随分とこの議論はいたしました。まさしく難解だけれども、ごまかしではありません。で、非戦闘地域という言葉がイラク特措法に出てくるわけではありません。それは、法律をよく読んで御議論をいただかないと立法府の議論にならないと私は思っています。思い込みで議論をされても、これはいつまでたってもかみ合いません。
どういうように出てくるかといいますと、対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為、すなわち国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう、そのような戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じてそのような戦闘行為が行われることがないと認められる地域において実施すると法律には書いてあるわけですね。
じゃ、おかしいじゃないかと。この法律にはそもそも、自衛隊の活動が憲法で禁ぜられた武力の行使、武力による威嚇に当たるものであってはならないとちゃんと書いてあるじゃないかと。何で、じゃ、こういうような言葉を持ってきたんだというような御疑問があるんだろうと思います。そこはごちゃごちゃになってしまって、非戦闘地域というのは危なくないところなんだろうという思い込みがあって、そういう議論が混乱をしてしまうということがあるのだと思います。自衛隊がやることは憲法に禁ぜられた武力の行使あるいは武力による威嚇であってはならない、当然のことです。これは法律に書いてあります。
じゃ、何でこんな概念を設けたか。
調べてみますと、結局昭和三十四年までこのお話はさかのぼる。昭和三十四年の安保改定のときに、米軍に対する輸送等々の評価をどうするのか。その行為自体は武力の行使でもない、武力の威嚇でもない、しかしながら、そういう行為が米軍の戦闘行為と一体化している。それ自体は武力の行使でもない、武力による威嚇でもないけれども、そうやることが一体化、一つのものとして法的評価を受ける、そういうことも避けましょうねということで、現に戦闘が行われる地域あるいは活動の期間を通じてそのようなことが予測される地域、そういうところでは活動しますまいということを定めたわけでございます。
それは、安全な地域ということではありません。安全なのかどうかということは、イラク特措法第九条において、防衛庁長官は派遣される隊員の安全に配慮しなければならない、ここで議論されるべきものなのです。安全かどうかは、非戦闘地域なんかあると思うのかという議論ではなくて、防衛庁長官はどうやって条文九条の安全配慮義務というのを果たそうとしているのかという議論において行われなければいけないのであって、非戦闘地域なんかあると思うのかということは、この条文の構成、そしてまた歴史的経緯、それを御理解がいただけないのでそういう御議論になっているのだろうと思っています。
非戦闘地域という概念は、繰り返して申し上げますが、日本は武力の行使、武力による威嚇は行わない、そして、それが一体化していると判断されるような地域においても行動しない、その憲法の趣旨をきちんと担保するために設けられた条文であって、安全かどうかという議論は九条において議論をしていただきませんと、これはいつまでたっても議論がかみ合わない。
ですから、戦闘地域で危険な地域、戦闘地域で安全な地域、非戦闘地域で安全な地域、非戦闘地域だが危険な地域、そういうようなカテゴリーに分かれるのであります。まさしく委員が的確におっしゃっていただいたとおりだと思っておりますが、今後ともこの御説明をきちんと御理解いただけるように、難解です、難解ですけれども、日本国憲法の趣旨をどうやって守るんだということを、長年の国会における議論も踏まえ、誠実に条文にしたのが私は特措法だと理解をいたしております。
以上です。