小泉親司の発言 (憲法調査会)
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○小泉親司君 私は、憲法調査会の代表として、コスタリカ、国連、カナダへの海外派遣に参加させていただきました。既に団長から口頭の基本的な御報告がございましたので、私は、私自身の感想的な意見を述べて発言とさせていただきたいと思います。
まず第一は、コスタリカの経験でありますが、私はコスタリカへ行きまして、コスタリカの憲法がコスタリカ国民の生活の隅々に大変強く生かされているということを痛感をいたしました。
コスタリカは、皆さんも御承知のとおり、憲法十二条で常備軍は持たないと、侵略行為があった場合については他国との集団防衛とともに軍備を保持するということを明記しております。
私は、モラレス国家緊急事態委員会委員長に、じゃ、もし緊急事態の場合に軍隊を保有するということになったときに、どういうふうな権限でだれがどのように組織するのかということを質問いたしました。そのときに委員長は、もう一度軍を構成するためには憲法制定議会を作ってそこで行わなければならない、今の憲法では軍隊を再編することはできない、もし国の安全保障が脅かされた場合、コスタリカは米州機構に助けを求め、米州機構を通じて国連の助けをかりることになるということを語っておりました。
それから、国会議員との懇談では、先ほども本田委員からもお話がありましたように、国際関係委員の元公安大臣のチンチージャ議員、女性の方ですが、大変理論的な方で、私がコスタリカが六十回も憲法改正をやっているのになぜ十二条は改正しないのかというところを尋ねたところ、同議員は、国民は憲法十二条を支持している、そればかりかそのコンセプトが国民の中に根付いているんだと。軍備の廃止によってその費用を国民の他の部門に利用できるようになった、その結果、コスタリカは中米の中では経済的に安定した国になっているということを語っていたことが私は大変印象的でありました。
この立場は、私は、国会議員の、政治家だけかなというふうに思っておりましたが、それだけじゃなくて、実際に治安警察を担当している警察においても徹底していると。私どもが敵国から守るには武力が必要ではないかと幾ら質問しても、オバンド警察学校長は、敵というのは、攻撃を受けるかもしれないという国と、いわゆる二つの立場があるんだと、よって、コスタリカは決して戦争をしないと言っているんだから、一方の立場が成り立たなくなれば当然戦争ということができないんだというような極めて積極的な中立宣言の立場を表明したことに、私は非常にこの国の憲法に基づく方針が警察部隊にも徹底しているなということを強く感じました。
コスタリカのこの立場は、憲法十二条ばかりじゃなくて、国民主権を徹底させるという点でも大変優れたものがあると思います。
最高裁判所の憲法法廷長と会見をいたしましたが、法廷長は、国民が憲法に明記されている教育を受ける権利、健康に過ごす権利、労働の権利、そして国際法の権利に基づく権利が侵害された場合については庇護申請というのがあるんだと。
この庇護申請というのはどういうことかといいますと、二十四時間、最高裁判所の玄関先に庇護申請を受け付ける場所がありまして、そこで労働基本権を侵されたということを訴えると、すぐに直ちに最高裁判所が動けるようになっていると。この点は、例えば読み書きができない方についても、当然のこととして、その代理人が直ちにこの申請を受け付けられるような、非常に優れた制度が私はできているのがこの点でも印象的でありました。私は、二年、失礼、一年前だったかな、にスペインにも行かせていただきましたが、スペインでは護民官という制度がありましたが、同じような大変積極的な制度で、この点も私はコスタリカの憲法を見る上でも大変重要かなというふうに思いました。
以上のように、コスタリカでの活動の印象は、憲法で明記された理想を議員や行政官や国民がこぞって具体化を進めているという事実でありまして、やはり憲法を暮らしの中に生かしているという点で大変私は感動を受けました。
二つ目にお話ししたい問題は、国連で特に日本がより積極的な活動を行う重要性があるということであります。
国連の調査では、ちょうど八月の下旬にイラクの国連事務所が攻撃されまして、御承知のとおりデメロ代表が亡くなり、ちょうど国連が国連中心の復興計画に切り替える努力を開始した下で調査が行われたというので、大変タイムリーだったというふうに思います。
国連ではアメリカが提案した国連決議が大変問題になっておりまして、イラク戦争で傷付いた国連の権威をどうやって取り戻すかという点で、国連の大変な事務当局を始め多くの国々が大変頑張っている姿を大変かいま見ることができました。
先ほども団長からもお話がありましたように、昼に、国連で働く日本人の職員の方々と昼食懇談をする場を持たせていただきました。これらの方々が異口同音に語っていたのは、やはり日本が国連においてもっと大きな影響力を持つべきなんだと。例えば、もっとトップの機関を日本人が持って、より日本の国連中心の外交と言われているものがより具体化できるようなことを実践すべきだということが強調されたと、このことをやはり特筆すべきなんじゃないかというふうに思います。確かに外務省の資料を見ましても、国連の日本人職員は、国連本部では要請される人員に比べて四三%、ユネスコが六二・七%、WHOが二八・三%という状況でありますので、これは単なる職員の数という問題にとどまらないで、日本が国際社会の中でこれからどういう重要な役割を果たしていけるかという指標でもあると思いますので、これらの点の改善を進める必要性を大変実感をいたしました。
コスタリカ、国連とともにカナダにも参りましたが、包括的には調査団長の報告にゆだねたいというふうに思います。
以上で報告に関する発言といたしたいと思います。どうもありがとうございました。