吉岡吉典の発言 (憲法調査会)
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○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。
団長始め各委員の報告、大変勉強になりました。先にいただきました調査資料と併せていろいろ実情が分かって、非常に良い調査だったと思います。
私は、まず最初に感じましたことは、この団長報告の中に、日本国憲法制定は、制定の背景に国際連合設立及びその憲章の精神が大きな影響を与えていますと指摘されていることです。私も全く同感であり、そういう国際連合憲章を受けての今の日本国憲法があると思いました。同時に、私は九条を持つ日本国憲法に誇りを持っている者の一人ですので、コスタリカの憲法に特別に関心を持ちました。
私が今、団長報告と併せてコスタリカの憲法について触れるのは、日本国憲法第九条というのは、いろいろ論議がありますけれども、制定経過がどうあろうと、やはりそれは、戦争のない世界を目指す世界が長い間の努力を続けてきたその努力の到達点が、日本では憲法九条を持つ憲法という形で現われたと思っているからであります。
この委員会でかつて宮本岳志議員も触れたことがございますが、早くも二百十二年前のフランス革命の際に作られたフランス憲法では戦争放棄をうたっていたということがここで述べられたことがあると私は記憶しております。
戦争違法化というのは、第一次世界大戦後本格化し、国際連盟規約が戦争に訴えざることを義務付けたのに始まり、国際連盟の、私いろいろな記録を調べてみますと、国際連盟の総会あるいはその当時いろいろな国際会議や二国間、多国間の取決めの中で、戦争の違法化あるいは戦争の犯罪化ということが繰り返し強調されており、一九二八年には不戦条約が作られ、そして第二次世界大戦を経て国連憲章、さらに、それをより一層発展させたものとして日本国憲法九条があり、また今問題のコスタリカの憲法というような流れの中で日本国憲法九条もコスタリカの憲法も見るのがやっぱり正確な見方ではないかという気がするからでございます。
日本国憲法九条はGHQに押し付けられたものだという議論がありますけれども、やはりそれは皮相な見方ではないかというのが私の考えであります。
選挙中のことですけれども、憲法九条をめぐる議論、各党の論争の中で、世界じゅうで軍隊を持たない憲法を持っているような国は日本だけだと、これはとんでもない憲法であり云々というような議論が行われていたのを私聞いて、やはり、今の議論の中でもちょっとありましたけれども、世界には、日本だけでなく、軍隊を持たない憲法があるんだということが日本でも余りにも知られていないんだなという感じを持ちました。
その軍隊を持たない憲法というのは、日本の憲法、コスタリカだけでなく、学者の研究書によりますと、アイスランド、リヒテンシュタイン、サンマリノ、モナコ、バチカン、モルディブ、西サモア、ナウル、ガンビア、モーリシャス等の小さい国にはありますが、現在では十一か国に上ると、私、手元に持っているこの本にも書かれておりますし、さらに別の資料を読んでみますと、軍隊を実際に持っていない国が現在では十七か国に上るという記録もありました。
ですから、私は、それらは小国の特殊な事情ということもあるかと思いますが、やはり世界が長い間戦争のない世界を目指してきた努力というのは、そういう形で地球上のかなりの、十七というのは私は決して小さい数字ではないと思います。そういう国々に実際に軍隊を持たないという実態が生まれている。
私は、そういう中で、先ほどの報告の中で、コスタリカでは再び軍隊を持つことはないということを言ったということも非常に興味深く聞きました。というのは、やはり軍隊を持たない国がもう一度軍隊を持ち直すというところへの後返りというのはないのが今の世界の大きな流れではないかと思うからであります。
そういう意味で、私は、今、ヨーロッパではEUの憲法草案の中に戦争放棄条項を織り込もうという運動が広がっているという報道とも併せて、世界の目指す方向というのがだんだん明らかになりつつあるという気がしております。
私は、そういう世界の歴史的な憲法の歩みを見る中で、やはり憲法九条というのは戦争のない世界を目指す先駆的な憲法であったという感じを更に強めるものでございます。
憲法制定議会の際に、吉田首相は、世界にこの憲法九条を広める先頭に立つということを当時言っていましたけれども、私は、そういうことが今こそ大事なときに来ているんだなという感じを持ちました。
私のようなコスタリカ憲法やら日本国憲法の受取方は違っているのかどうなのか、団長と小泉議員とに一言ずつ述べていただきたいと思います。