大村秀章の発言 (憲法調査会公聴会)

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○大村委員 ありがとうございました。
 地方自治の点につきましてお話しいただきましたが、道州制、合併、私もやみくもに合併を進めていくことがどうかということはありますけれども、ただ、やはり住民サービスをしていく上で最低の、ある程度の財政的な基盤がなければ全くサービスができない、また国の、国といいますか、地方交付税といいますか、そういったものにおんぶにだっこという話が本当にいいのか、それはまさに地方自治、みずからの財源でみずから決めていくことにつながるのかどうかという問題意識は、やはり私はあると思うんですね。そういう意味では基本的な観点が違うという感じがいたしますけれども、地方自治の問題も引き続き進めていきたいと思います。
 また、基本的人権について、使うべき権利を行使しない、使わないという御発言がありましたが、それもやはり認識がちょっと違うのかなということを申し上げておきたいと思っております。
 続きまして、平和と安全保障の問題。私、冒頭、まさに今の憲法を議論する観点の中で、国内的な自立と参加、さらに厚みのある市民社会をつくっていくことが必要だということを申し上げましたが、もう一つの大きなポイントは、やはり国際社会の中の日本、そして、日本自身の平和と安全保障をどういうふうに守っていくかということを議論させていただければというふうに思っております。
 まず私自身の考えを、これは憲法調査会でも、安全保障の小委員会の方でも申し上げさせていただきましたが、私は、憲法改正の議論の中では、今の日本国憲法の場合、どうしても前文そしてまた九条の問題が大変大きなテーマになるということは当然だろうというふうに思います。これはまさに戦後日本の象徴であったというふうに思うわけでありまして、この九条そのものが戦後日本のシンボルであって世界に誇れるものだということは、公述人の皆さんからそれぞれお話をいただきました。
 私も、この戦後五十数年間、まさに日本の国家の方針、基本的な理念を規定し、世界にこれを、日本という国はさきの大戦を経てこういうふうな理念を持った国として生まれ変わったんだという強烈なメッセージを発するという点では、大変意義があったというふうに思うんであります。そのことを否定する気は全くありませんし、それは今でも私は生きていると思うんでございます。
 しかしながら、しかしながらでございますけれども、国際情勢というのがございます。日本を取り巻く国際情勢が変わったということも事実だろうというふうに思います。これは日本が、我々がこう思うんだから世の中も世界もこうなんだ、そう思ってくれなきゃいかぬということではなかなか通用しないと思うんですね。
 これはもう私が改めて申し上げるまでもないんでありますけれども、冷戦構造が崩壊をしてソ連の脅威は消えたけれども、まさに日本を取り巻く地政学的なリスクは顕在化をしてきたと思います。これは朝鮮半島、北朝鮮の問題、核の脅威、そしてまたミサイル、北朝鮮がノドンミサイル二百基をもう用意をし、そして四十基は実戦配備をして、それがどこを向いているのかということを考える、そういった報道もございます。日本にとっての周辺事態の可能性もございます。また、冷戦構造が壊れて米ソ二極体制が壊れたということは、まさにそのことで局地的な紛争が起きてくる。そのことは、日本に対してお金だけではなくてやはり人の貢献、人的な復興支援を要請するということにもつながっているわけでございます。
 そういったことを全部つなぎ合わせていきますと、日本を取り巻く国際情勢の変化というのは、日本の国内事情は抜きにもう起こってしまった。それに対して日本の平和と安全を守る、国際的な社会の中での日本の国際貢献を考えるという上において、世界から日本に求められているものを着実に進めていくということからすると、この際、憲法九条も含めて、憲法九条もちゃんと議論をして、その上で私は改正をすべきだというふうに思うわけでございます。
 そのことが、今の憲法九条をそのままにしても、今の自衛隊の活動は可能でありますし、当然合憲だし、それはできるというふうに私は思いますけれども、それをさらに一歩進めて、日本としては、自衛隊を含めて、日本の周辺のまさに安全保障、ここを守るんだということ、そして世界の平和協力、こういうふうに貢献をするんだという明確なメッセージをむしろ発していった方が、私は、何かその解釈でぐるぐるやっていくということよりも、その方が明確にメッセージを発信するという意味でいいのではないかというふうに思います。
 そういう意味で私ども、まあ私だけじゃありませんけれども、自由民主党も、そして党派を超えた多くの先生方も、具体的には、憲法上自衛隊を認め、自衛隊を防衛を担う組織として位置づけた上で、国際平和協力業務を行うというふうに、憲法九条の二項を具体的には改正すべきじゃないかという意見があるわけでございます。
 そういった点につきまして、これはちょっと私の意見を今申し上げましたが、各公述人の皆様方の意見を聞けば、大体、九条については先ほどのお話でわかりますけれども、いま一度簡潔に、今私が申し上げた、この国際情勢の変化の中で日本の国際的な役割そして日本の平和と安全保障を守るためには、まさに時代に合わせて変えていく必要があるんじゃないかということについてどうお考えになるか、これも三人の公述人の先生方それぞれ御意見をお願いしたいと思います。それを簡潔にお願いします。

発言情報

speech_id: 115904187X00220040513_015

発言者: 大村秀章

speaker_id: 15995

日付: 2004-05-13

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会公聴会