小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 神崎議員にお答えいたします。
 日本の国のあり方についてでございますが、御指摘のとおり、我が国は重要な転換期を迎えていると思います。
 小泉内閣は、日本の潜在力は大きいし、可能性も大いに持っている、この潜在力、可能性をいかに発揮していくか、これが重要であると認識しております。国民一人一人、また、地域、企業が主役となって、努力が報われ、一度や二度の失敗にくじけず再挑戦できるような、そういう社会を目標としていきたいと思います。国際社会にありましては、日米同盟と国際協調、この両立を重視しまして、世界の平和と繁栄のために日本は何ができるかということを考えながら、積極的に貢献していく所存でございます。
 そのために、国内におきましても、内政におきましても、もろもろの改革を断行して、日本再生の歩みを確実なものとしていかなきゃならないと思っております。また、イラクにおける人道復興支援を初め、日本も、行動によって国際社会の一員としての責任を果たさなければならないと思います。
 私は、自由民主党、また公明党、この連立の基盤、連立のパートナーによる、公明党との今までの御協力、この信頼関係を基盤にして、これからも改革を断固たる決意で進めていって、日本の安定した平和な民主的社会建設のために大いに努力をしていきたいと思います。そして、世界からも信頼される国家として繁栄できるような、発展できるような、平和を大事にした、そういう国家として評価を受けることができるように全力を尽くしてまいりたいと思います。(拍手)
 イラクにおける現地の雇用についてでございます。
 イラクにおける活動をいかなる態様で行うかについては、細部をなお検討中でございます。しかし、御指摘のように、現地の人々との友好関係をいかに築いていくか、極めて大事なことだと認識しております。今後、先遣隊による調査結果も踏まえまして、自衛隊の宿営地内におけるいろいろな業務、そして現地の方々の雇用についても十分配慮していきたいと思います。
 国内の雇用対策についても十分配慮するのは当然ではございますが、まずイラクの問題につきましては、我が国が今月十六日に決定した、国際機関経由の学校、住宅及び公共施設の再建事業支援では、サマワも対象となっておりまして、現地住民の雇用拡大にもある程度寄与できると考えております。今後とも迅速な支援に努めてまいります。
 なお、メソポタミア湿原についてでございますが、イラク側とも調整の上、関係国際機関とも提携しながら、可能な支援のあり方について、今後、積極的に検討してまいります。
 イラクの文化遺産についてでございますが、イラクはメソポタミア文明発祥の地でありまして、国内にはイラク国民が誇りとする貴重な文化遺産が多数存在しております。我が国は、文化遺産の保護をイラク復興支援策の柱の一つと位置づけております。我が国の経験や技術を生かしながら、可能な限り協力支援を実施したいと考えます。
 イラクへ派遣される自衛隊員の安全対策でございますが、この派遣に当たりましては、現地の治安情勢などについて事前に調査いたしまして、必要な装備、武器、部隊運用の検討に生かし、隊員の安全の確保については万全の対応をしてまいりたいと思います。
 また、防衛庁におきましては、迅速なる情報収集や各種報告など、防衛庁長官が常に現地の状況を十分に把握し得る態勢をとっております。不測の事態の発生を極力回避するとともに、万一不測の事態が発生した場合にも、的確に避難、実施区域を変更、活動を終了し、臨機応変に対応できるような準備をしております。
 イラク支援における国連の役割強化ですが、我が国は、イラクの復興には国際協調が不可欠であり、そのために国連の十分な関与が重要と考え、イラクで本格的活動を早期に再開するよう国連に働きかけてまいりました。国連の役割については、当面、選挙問題及び治安問題に焦点を当てて議論が行われていくものと承知しております。我が国としては、国際協調を強化するための外交努力を今後とも継続し、強化してまいりたいと思います。
 イラク復興に人的貢献をしない場合の問題について御指摘がございました。
 我が国は一貫して、テロに屈してはならない、国際社会が協調してイラクに復興支援するべきである。また、この国連の決議による、すべての加盟国に対して、国連はイラク復興支援を要請しております。こういう観点から、今、世界の平和と安定の中に日本の安全と繁栄があるということを考えるならば、日本としてもこのイラクの復興支援にできるだけの力を注いでいくというのは当然のことだと考えております。
 その際、今、必ずしも一〇〇%安全じゃない、危険を伴うから自衛隊はだめだといって、果たして民間人が行けるかどうか。現実には行けない状況なんです。こういうことを考えると、私は、資金的な協力のみならず、人的な支援をどのようにしていくかということを考えた場合、日ごろから厳しい訓練を積んでいる、そして危険を回避する能力も持っている、使命感を持っている自衛隊の諸君に、困難な任務でありますけれども、あえて行っていただく、こういうことも人的貢献を考えると必要ではないかと思います。
 自衛隊がイラクに行くから戦争に行くんだという誤った宣伝をしている人々もいますが、全くそうではありません。自衛隊の諸君は、戦争に行くんじゃありません。戦闘に参加するために行くんじゃないんです。イラクに安定した民主的政権をつくるために、復興支援のために、人道支援のためにできることをやろうとする、そういう自衛隊の諸君に対しては、できれば、反対している側からも敬意を持って自衛隊員諸君に接していただきたいと思います。(拍手)
 そして、資金的協力と人的協力、これを車の両輪として、できるだけ早く、イラク人が希望を持ってみずからの政府を立ち上げる、安定した民主的政権をつくるよう立ち上がることができるように、日本政府もできるだけの支援、協力をしていきたいと考えております。
 国連待機制度についてでございますが、我が国は、国連への協力を外交の重要な柱としております。今後とも、人道的な国際救援活動や国連平和維持活動などに積極的に協力してまいります。政府としては、国際社会の平和と安定のための自衛隊の活動のあり方について現在検討しているところであり、国連待機制度への参加についてもその一環として検討していきたいと思います。
 私の靖国参拝についてでございますが、この問題については、引き続き、中国、韓国に対しても理解を求めるよう努力をしていきたいと思います。中国と韓国は日本の重要な隣国でありまして、今後とも、幅広い分野において、両国との関係の発展、未来志向の協力関係の進展に努めてまいります。
 新たな追悼平和祈念施設につきましては、懇談会の意見を踏まえた上で、国民世論の動向等、諸般の状況を見きわめながら、今後の対応を検討してまいります。
 武器輸出三原則につきましては、弾道ミサイルシステムに関する日米共同技術研究が進む中、これとの関係を踏まえ、国際紛争等を助長することを回避するという平和国家としての基本理念に立って検討していくことが必要であると考えます。
 みらい創造プロジェクトについてですが、科学技術を振興して我が国の将来の発展基盤を整備するということは、小泉内閣の極めて重要な政策の柱であります。
 革新的ながんの治療技術に関する研究開発、国民の暮らしをよくし、経済活性化につながる研究開発プロジェクトでありますみらい創造プロジェクトについては、予算を重点的に配分し、積極的に推進することとしております。平成十六年度には、産学官の協力のもと、九十を超えるプロジェクトを進め、新たな産業の創出を通じて科学技術創造立国を実現してまいります。
 住宅リフォームについてでございます。
 高齢化が進み、地球環境が悪化する中で、豊かな住生活を実現していくためには、つくっては壊すという考え方から、いいものをつくって、いかに大切に長く使うか、こういう社会に移行することが重要だと思っております。住宅のリフォームの役割は、これからも推進していかなきゃならない課題だと思います。
 政府としては、これまで、耐震改修やバリアフリー化のための補助、事業者に関する情報提供、リフォームしやすい住宅や長寿命木造住宅の普及などに取り組んでいるところでありますが、今後さらに、各種施策を総合的に実施することにより、リフォームの推進を図ってまいります。
 若年者の雇用でございますが、高い失業率や離職率、フリーターの増大など、若年者をめぐる厳しい雇用情勢に対応するため、御指摘のとおり、若年者の職業体験機会を在学中の早い段階から充実し、若年者の職業意識形成を図っていくことは極めて重要であります。
 このため、昨年取りまとめました若者自立・挑戦プランを踏まえ、総合的な学習の時間等を活用しつつ、企業等の協力を得ながら、小学校段階から仕事と触れ合う機会を充実し、若年者が将来に希望を持ち、職業的な自立を図ることが可能となるよう、強力に取り組んでまいります。
 中小企業金融でございますが、我が国経済の活力の源泉である中小企業について、やる気と能力のある中小企業が厳しい環境の中にあってもその力を発揮していくためには、中小企業への円滑な資金供給を確保していかなければならないと思います。
 政府は、中小企業金融対策の強化に積極的に取り組んでまいりましたが、今後とも、担保や第三者保証人等に依存しない融資の拡大、売り掛け債権の担保化の促進など、多様な手法により、新規開業者を含め、中小企業への資金供給の円滑化を支援してまいります。
 鳥インフルエンザでございますが、我が国で七十九年ぶりに確認された高病原性鳥インフルエンザにつきましては、現在、家畜伝染病予防法に基づき、鶏の処分、周辺農場の移動制限等の蔓延防止措置を講じているところであります。この病気は、卵や肉により人に感染したという報告はございません。今後とも、関係府省が連携して、蔓延防止や感染原因の究明など各種対策を的確に実施してまいります。
 BSE発生についてでございますが、米国産牛肉の輸入禁止措置につきましては、我が国としても、食の安全、安心が確保されることを前提として、早期に輸入を再開することが望ましいと考えており、米国と十分協議してまいります。
 がん対策でございますが、我が国の死亡原因の第一位であるがんについては、昨年七月に策定した第三次対がん十カ年総合戦略に基づき、罹患率と死亡率の激減を目指し、革新的な治療法の開発など研究の推進、検診の充実など予防の推進、さらには、地域がん診療拠点病院の整備など医療の向上とそれを支える社会環境の整備の三本柱の対策を強力に推進してまいります。
 空き交番の解消でございますが、来年度は、空き交番の解消を目指し、三千名を超える警察官を増員するほか、退職警察官などを活用した交番相談員の増員を図ってまいります。
 地域の治安活動について、民間警備員を拡充してはどうかというお話でございます。
 警備業は、防災を初め、犯罪に強い社会の構築にも不可欠の存在であると認識しております。地方公共団体におけるさまざまな活用方策に加えて、政府といたしましても、緊急地域雇用創出特別交付金の活用などにより、警備業者による防犯パトロール事業を推進してまいりたいと思います。
 交通警察の一部民間委託についてでございますが、交通警察部門の業務の一層の効率化を図るため、今国会においては、駐車違反取り締まりに関係する事務について民間に委託できるように制度改正を行うこととしております。今後とも、民間への委託や地方自治体との協力を推進してまいります。
 行政のむだについてでございますが、小泉内閣におきましては、行政のむだを省くことを最優先課題の一つに位置づけまして、これまで強い決意でその実現に当たってまいりました。
 道路関係四公団改革では、当初の四兆円縮減に二・五兆円の上乗せを決定したところであります。また、公共工事全般では、今後五年間で、物価の下落等を除いて一五%の総合的なコスト縮減を達成することを決定しております。このほか、十六年度予算から、特別会計について徹底したむだの見直しを進めているところであります。
 今後とも、むだ遣いをなくす行財政改革に全力を挙げるとの方針を堅持いたしまして、簡素で効率的な政府の実現を目指していく考えであります。このため、引き続き経済財政諮問会議を活用しつつ、これまでの取り組みを強化するため、御提言も踏まえまして、内閣に検討チームを設けたいと思います。
 国会議員互助年金及び国会議員の歳費など国会議員の待遇については、その見直しや歳出カットの継続の必要について、国会議員みずからが不断に検討していくべきものと考えます。今後とも、各党において十分議論していただきたいと思います。
 政治への信頼についてでございますが、さきの総選挙に関し、公職選挙法違反容疑で衆議院議員が逮捕されるなど、政治の信頼を揺るがす一連の問題が起きていることは極めて遺憾に思っております。政治に対する国民の信頼は改革の原点でありますので、国民の信頼を得ることができるよう、政治家一人一人が襟を正していかなければならないと思います。さらに政治改革を進めて、信頼の政治の確立を目指してまいります。
 年金についてでございます。
 政府・与党で合意した年金制度改革案は、将来の負担が過大とならないよう極力抑制して、その上限を国民に明らかにするとともに、少なくとも現役世代の平均的収入の五〇%の給付水準を維持しつつ、急速な少子高齢化が進行する中で年金を支える力と給付の均衡をとることのできる仕組みに転換するものであります。また、課題であった基礎年金の国庫負担割合についても引き上げの道筋を示しました。
 また、多様な生き方、働き方に対応した制度の見直し、年金積立金の運用のあり方、保険料の収納対策の強化などの諸課題への対応策を取りまとめることとしております。
 これらは、持続可能な制度の構築に向けた根幹にかかわる大きな改正であり、国民の安心の確保につながるものであると考えておりまして、本国会に関連法案を提出して早期の成立をお願いし、改革を進めてまいりたいと考えます。
 教育の問題でありますが、日本発展の原動力は人であります。教育改革の推進も、まずは人が一番問題であるという認識に立ちまして、国政上の最重要課題の一つだと思います。
 教育全般についてさまざまな問題が生じております今日、二十一世紀の教育のあり方、子供たちのための教育とは何かという教育の根本にさかのぼった議論が必要と考えており、教育基本法の改正につきましては、国民的な議論を深めながら、また与党における議論も踏まえながら、精力的に取り組んでいく考えであります。
 また、御指摘のあったいじめ、不登校などの教育の諸課題に対する取り組みを強化していくことも重要であります。スクールカウンセラーなどの教育相談体制や、地域住民による学校を活用した小中学生の体験活動の充実など、社会全体で心豊かでたくましい子供をはぐくむ環境の整備に努めてまいります。
 アジア諸国とのFTAについてでございますが、貿易や投資の自由化を通じまして経済の活性化に資するものであり、今後とも積極的に取り組んでまいります。我が国と緊密な関係を有する東アジア諸国とのFTAは、重要な戦略的課題でもあります。特に、交渉開始を決定した韓国やASEAN諸国とのFTAはぜひとも成功させたいと私も考えております。
 農業でございますが、アジアは、農業国であると同時に世界の栄養不足人口が集中している地域でもあります。こうした中、食料輸入大国である我が国は、国境措置に過度に依存することなく、農産物の輸出も視野に置いた積極的な農政改革を展開し、競争力を強化していくことが重要であります。
 こうした考え方のもと、食料・農業・農村基本計画の見直しを進める中で、やる気と能力のある経営の支援など、御指摘の趣旨も踏まえて検討を進め、今後の農政の展開方向を見定めていく考えであります。
 北朝鮮の問題につきまして、六者会合における拉致問題でございますが、拉致問題の解決のため、北朝鮮に対して現在、政府間協議を求めているところでございます。拉致問題に進展が見られない現下の状況において、政府としては、次回六者会合におきましても拉致問題を取り上げ、北朝鮮の誠実な対応を求めていく考えであります。
 核問題についてでございます。
 北朝鮮による核兵器の開発は容認できず、北朝鮮は、すべての核開発計画を完全に検証可能かつ不可逆的な形で速やかに廃棄する必要があります。我が国としては、今後とも、関係国や関係国際機関と緊密に連携しながら、六者会合等さまざまな場において、北朝鮮に対して、国際社会の一員としての責任ある対応を求めていく考えであります。
 次回六者会合の実現への我が国の取り組みについてでございます。
 いまだ日程は確定しておりませんが、我が国は、次回会合を前提条件をつけずに可能な限り早期に開催すべきであるという立場をとっております。そのために、関係国と緊密に連携しながら、今後も外交努力を継続してまいります。
 芸術家の社会的地位についてでございます。
 芸術家等の社会的、経済的、文化的地位の向上については、文化芸術振興基本法に基づき閣議決定した基本的な方針においても、創造活動のための諸条件の整備や積極的な顕彰を行うことが盛り込まれております。また、著作権など芸術家の権利の充実や創作活動への公的助成の充実にも取り組んでおりまして、さらに幅広い観点から芸術家の地位向上策を検討してまいります。
 公共事業において、文化芸術の視点を政策評価基準とすることについてでございます。
 町づくりなど公共事業等において行う政策評価では、目標の達成度を客観的に測定するため指標の数値化が必要でありますが、それが困難な文化芸術の視点については、現在、これを取り入れるに至っておりません。
 しかしながら、公共事業等においても、文化芸術の視点は今後重要になると思います。例えば、町並みの保存、形成の中での文化財保護の状況など、比較的指標化になじみやすい分野での政策評価のあり方について、今後、十分研究してまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣亀井善之君登壇〕

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-01-22

院: 衆議院

会議名: 本会議