井上喜一の発言 (本会議)
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○国務大臣(井上喜一君) ただいま議題となりました武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案、武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律案、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律案及び国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
初めに、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案について御説明申し上げます。
この法律案は、武力攻撃事態等において武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、並びに武力攻撃の国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることの重要性にかんがみ、これらの事項に関し、国、地方公共団体等の責務、住民の避難に関する措置、避難住民の救援に関する措置、武力攻撃災害への対処に関する措置その他必要な事項を定めることにより、事態対処法と相まって、国全体として万全の態勢を整備し、もって国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施することを目的とするものであります。
以上が、この法律案の提案理由であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
総則的事項としては、国、地方公共団体及び指定公共機関等は、国民の保護のための措置の実施に当たり、相互に連携協力し、的確かつ迅速な措置の実施に万全を期さなければならないこと、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならないこと、政府は国民の保護に関する基本指針を策定し、地方公共団体及び指定公共機関等は基本指針等に基づいて国民の保護に関する計画または国民の保護に関する業務計画を作成すること等を定めております。
住民の避難に関する措置については、対策本部長は警報を発令するとともに避難措置を指示すること、都道府県知事は住民に対し避難を指示すること、市町村長は避難住民を誘導すること等を、避難住民等の救援に関する措置については、都道府県知事は避難住民等に対し、食品の給与、医療の提供その他の救援を行わねばならないこと、都道府県知事は救援のため必要があるときは、医薬品、食品その他の救援の実施に必要な物資の売り渡しを要請することができること等を、武力攻撃災害への対処に関する措置については、国は武力攻撃災害への対処に関しみずから必要な措置を講ずるとともに、地方公共団体と協力して的確かつ迅速に措置を実施しなければならないこと、内閣総理大臣は放射性物質等による汚染への対処のため関係大臣を指揮し必要な措置を実施しなければならないこと等を、国民生活の安定に関する措置等については、指定行政機関の長等は生活関連物資等の価格の安定のために必要な措置を講じなければならないこと等を、復旧、備蓄その他の措置については、指定行政機関の長等は武力攻撃災害の復旧を行わなければならないこと等を、財政上の措置等については、収用その他の処分が行われたときは損失を補償すること、地方公共団体の措置に要する費用は原則として国が負担すること等を定めております。
また、緊急対処事態に対処するための措置については、内閣総理大臣は緊急対処事態の認定について閣議の決定を求めること、国民の保護のための措置に準ずる措置を講ずること等を定めております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。
引き続きまして、武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律案について御説明申し上げます。
この法律案は、武力攻撃事態等において、日米安保条約に従って我が国に対する外部からの武力攻撃を排除するために必要なアメリカ合衆国の軍隊の行動が円滑かつ効果的に実施されるための措置等について定めることにより、我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に資することを目的とするものであります。
以上が、この法律案の提案理由であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
合衆国軍隊の行動による国民等への影響を考慮した措置として、政府は、合衆国軍隊の行動に関する状況等について情報の提供を適切に行うこと、合衆国軍隊の行動等について関係地方公共団体との連絡調整を行うこと、合衆国軍隊の緊急通行等による損失を補償すること等を定めるとともに、合衆国軍隊に対する支援に係る措置として、自衛隊が物品及び役務の提供を実施すること、内閣総理大臣は、合衆国軍隊の用に供するため緊急やむを得ない場合に土地等を使用することができること等を定めております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。
引き続きまして、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律案について御説明申し上げます。
この法律案は、武力攻撃事態等における特定公共施設等、すなわち、港湾施設、飛行場施設、道路、海域、空域及び電波の利用に関し、指針の策定その他必要な事項を定めることにより、その総合的な調整を図り、もって対処措置等の的確かつ迅速な実施を図ることを目的とするものであります。
以上が、この法律案の提案理由であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
対策本部長は、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、特定公共施設等ごとに、その利用に関する指針を定めることができること、港湾施設及び飛行場施設の利用に関し、対策本部長は、港湾管理者や飛行場施設の管理者に対し、利用の確保に関する要請を行うことができること、内閣総理大臣は、対策本部長の求めに応じ、港湾管理者や飛行場施設の管理者に対する指示等を行うことができること等を定めております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。
最後に、国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律案について御説明いたします。
この法律案では、国際人道法に規定する重大な違反行為を処罰することにより、刑法等による処罰と相まって、国際人道法の的確な実施の確保に資することを目的とするものであります。
以上が、この法律案の提案理由であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
この法律案は、重要な文化財を破壊する罪、捕虜の送還を遅延させる罪、占領地域に移送する罪、文民の出国等を妨げる罪を新設するほか、これらの行為その他のジュネーブ諸条約等が規定しております重大な違反行為について、国外犯の処罰を可能とするため、所要の法整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
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