井上喜一の発言 (本会議)

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○国務大臣(井上喜一君) 国民保護法制の策定と緊急事態基本法との関係についてのお尋ねがございました。
 国民保護法制の整備につきましては、武力攻撃事態対処法案の審議の過程におきまして、「武力攻撃事態対処法の施行の日から一年以内を目標に実施をすること」との衆参両議院の委員会の附帯決議がなされていることなどから、国民保護法案を今国会に提出したものでございます。
 なお、いわゆる基本法につきましては、与党と民主党の間におきまして三党協議会が開催され、緊急事態基本法、仮称でありますけれども、これを制定することについて合意がなされたものと承知をしておりますが、政府といたしましては、まずは、今国会に提出いたしました国民保護法案を初めとする有事関連七法案の成立に万全を期してまいりたいと考えており、緊急事態基本法につきましては、与野党間の御論議を見守りながら、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、国民保護法案と一九三八年の国家総動員法との違いは何かとのお尋ねがございました。
 国家総動員法におきましては、国家総動員とは、戦時に際し国防目的達成のため人的及び物的資源を統制運用することとされ、同法では、国家総動員上必要がある場合に政府が講ずることができる措置を広範に定めていたものと承知をいたしております。
 一方、国民保護法案は、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施することを目的といたしまして、住民の避難でありますとか避難住民等の救援、武力攻撃災害への対処等に関し国や地方公共団体などが講ずる措置を規定するものでありまして、その目的、内容とも国家総動員法とは全く異なるものでございます。
 基本的人権についてのお尋ねがございました。
 武力攻撃事態等におきましても、日本国憲法の保障する国民の基本的人権が最大限尊重されることは当然のことであります。武力攻撃事態等において、国民の生命、身体等を保護することのためにやむを得ない場合に限って、国民の自由と権利に必要最小限度の制約が加えられることもあり得ますが、この場合においても、日本国憲法の保障する基本的人権が最大限尊重されるものでございます。
 次に、武力攻撃事態等における行政側から住民側への要請についてのお尋ねがございました。
 武力攻撃事態等において、国全体として万全の措置を講ずるためには、国民の協力が必要であり、国や地方公共団体が国民の保護のための措置を実施する際に、それを補完する形で国民に必要な協力を要請することといたしております。
 国民保護法案におきましては、国民の協力は国民の自発的な意思にゆだねられるものであって、その要請に当たって強制にわたることがあってはならないと規定しておりまして、国民に協力を義務づけるものではありませんが、住民の避難や被災者の救助の援助などの場面におきましては、一定の国民の協力が得られるものと期待をいたしております。
 次に、米軍との協力関係に係る憲法の修正についてお尋ねがありました。
 武力攻撃事態等における日米間の協力として我が国が行う措置は、我が国憲法の範囲内におきまして、武力攻撃事態対処法に定められた基本的な枠組みのもとで、米軍行動関連措置法案等に従って適切に実施することができるものと考えております。
 地域の実情に応じた国民保護措置についてのお尋ねがございました。
 それぞれの地域の実情に応じた具体的な国民の保護のための措置の内容につきましては、国民保護法案に基づき、各地方公共団体が作成する国民の保護に関する計画において定めることといたしております。
 次に、国民保護法案に関し、都市についての特別な措置の必要性についてお尋ねがございました。
 都市部における住民の保護については、特に、適切な交通規制、避難路の確保等が重要でありますが、これらの対応につきましては、都市部を抱える地方公共団体が作成する国民の保護に関する計画の中で定めることといたしております。
 武力攻撃事態における一元的な指揮権についてのお尋ねがございました。
 我が国に対する武力攻撃に際して共同対処をする際の自衛隊及び米軍の関係につきましては、日米防衛協力のための指針においても、「自衛隊及び米軍は、緊密な協力の下、各々指揮系統に従って行動する」とされているところでありまして、日米どちらかが一元的な指揮権を持つといった関係にはございません。
 次に、武力攻撃事態への対処に関し、各機関の主張が異なる場合の対応についてお尋ねがありました。
 武力攻撃事態等において、国は、組織及び機能のすべてを挙げてこれに対処することといたしますとともに、国全体として万全の措置を講ずる責務を有しております。
 このため、武力攻撃事態対処法においては、対処措置の的確かつ迅速な実施を図るため、対策本部長による総合調整等が規定されており、関係機関による武力攻撃事態等への対処に関し、必要がある場合には、この総合調整等が行われることとなります。
 また、米軍との関係については、日米間において調整メカニズムを通ずるなどにより必要な調整が行われることになっており、日米両国政府は、整合性を確保しつつ、適切に共同で対処することといたしております。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 115905254X02320040413_018

発言者: 井上喜一

speaker_id: 2023

日付: 2004-04-13

院: 衆議院

会議名: 本会議