小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 渡辺議員にお答えいたします。
 今回の訪朝の成果でございますが、先ほど御報告したとおり、金正日国防委員長との首脳会談において、日朝双方が日朝平壌宣言を履行していく考えであることを改めて確認いたしました。
 具体的には、拉致被害者家族五名の帰国を実現し、曽我ひとみさんの御家族についても、第三国での再会につき調整することとし、安否不明の方々の真相究明に向けた、白紙状態からの徹底した調査を直ちに再開することになりました。
 また、核問題については、金正日委員長自身から、凍結は非核化への第一歩であり、当然検証を伴うものとの発言があり、六者会合を通じ、核問題の平和的解決に向けて一層の努力を傾けることで合意しました。
 さらに、ミサイル発射のモラトリアムの継続を再確認するなど、我が国のみならず、地域の安全保障にとって重要な諸問題についても成果があったと考えております。
 ジェンキンス氏らに関する問題でございますが、首脳会談において金正日委員長からは、訪日するか否かはジェンキンス氏の意向に任せる、自分は家族が離散することは望まない、貴総理が本人と直接話し合ってもよいといった発言がありました。
 私は、これを受け、金委員長との会談後、ジェンキンス氏及び二人のお子さんと話し合い、強く来日を働きかけました。しかし、ジェンキンス氏は、来日した場合、米国から訴追されるおそれがあり、訪日できないとの強い意向を示したので、私から、まずは第三国で曽我ひとみさんと再会してはいかがかと提案し、それに対し、ジェンキンス氏及び曽我さん双方がこれに同意いたしました。
 政府としては、曽我さんの意向も踏まえつつ、一日も早く、適切な第三国における御家族との再会を実現させたいと考えております。
 安否不明の方々に関する調査でございますが、安否不明の方々についての真相究明は一刻も早く行う必要がありますが、我が国のみでできることには限界があり、北朝鮮側の協力が必要であります。今回、北朝鮮側が、本件は解決済みであるとの従来の姿勢を改め、白紙に戻り、早期に本格的かつ徹底的な調査を行うとしたことは、極めて重要であると考えます。
 我が国としては、早急に先方の再調査の結果を求める一方、我が国独自の調査結果とも突き合わせて真相の解明を図っていく考えであります。
 拉致問題に関する専門幹事会についてでございますが、あす、専門幹事会を開催し、今回の首脳会談の結果を踏まえて、拉致問題に関する今後の政府の取り組みについて協議することとしております。
 核、ミサイル問題についてでございますが、私は、完全な核廃棄がこの地域の平和と安全に不可欠であることを強調し、国際的な検証のもとでの核廃棄を強く求めました。また、そうすることによってこそ北朝鮮の安全が保障され、北朝鮮の利益にもなると説明いたしました。
 これに対して、金正日国防委員長からは、朝鮮半島の非核化が最終目標である、六者会合を活用して平和的解決に努力したい、核の凍結は非核化の第一歩であり、検証が伴うものである旨の発言がありました。また、金正日委員長との間で、ミサイル発射のモラトリアム継続についても再確認を行いました。
 政府としては、今後とも、日朝平壌宣言に沿って、拉致、核、ミサイルといった日朝間の諸懸案を包括的に解決した上で、北東アジア地域の平和と安定に資する形で日朝国交正常化を実現すべく、努力を傾注していく考えであります。
 G8サミットでございますが、今回、拉致問題について一定の前進が見られました。また、核問題については、完全な核廃棄の必要性を金正日国防委員長に対して求め、朝鮮半島の非核化が最終目標であり、六者会合を活用して平和的解決に努力したい旨等の発言があったことが成果であると考えております。
 G8サミットでは、今後の六者会合の進展にもつながり得るこのような結果を説明し、我が国の対北朝鮮政策に対する理解と支持を求めたいと考えております。
 日朝平壌宣言と北朝鮮に対する制裁についてでございますが、日朝平壌宣言は、日朝双方が日朝間に存在する諸問題に誠意を持って取り組むとしております。政府として、北朝鮮に対し、日朝間の諸懸案の解決に向けた前向きかつ誠意ある対応を促していくため、その時々に最善の方策をとっていく考えであります。
 いずれにせよ、日朝平壌宣言の精神に従った取り組みがなされようとしている現時点において、北朝鮮に対し、いわゆる経済制裁を発動する考えはありません。
 今後の日朝関係に関してでございますが、政府としては、今回の日朝会談の成果を踏まえ、今後とも、日朝平壌宣言に沿って、拉致、核、ミサイルといった日朝間の諸懸案を包括的に解決した上で、北東アジア地域の平和と安定に資する形で日朝国交正常化を実現すべく、引き続き努力を傾注していく考えであります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 115905254X03520040525_026

発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-05-25

院: 衆議院

会議名: 本会議