小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 鳩山議員にお答えいたします。
 今回の首脳会談のあり方についてでございますが、今回の首脳会談は、日朝関係の現状を踏まえ、外交上の慣習、儀礼にとらわれず、日朝双方が日朝平壌宣言を履行していくことを改めて確認することが我が国自身の国益に資するとの大局的な政治的判断によって決断したものであります。(拍手)
 今回の首脳会談においては、拉致、核、ミサイルといった日朝間の諸懸案について、北朝鮮側の前向きな対応を強く求め、重要な成果を得たと考えております。私が今まで行った首脳会談の中でも最も時間をかけた方でありますが、会談時間の長短が成果を判断する基準であるとは考えておりません。(拍手)
 ジェンキンス氏の問題についてでございますが、米国政府との間では、ジェンキンス氏に関して、人道的観点から一定のやりとりを行ってきていましたが、日朝首脳会談に先立って、米国との間で、その身柄の扱いについて何らかの合意があったということはありません。また、私は、ジェンキンス氏に対して、来日を説得した際、同氏の御家族が日本において一緒に暮らせるよう日本政府として最善の努力を払うということをお伝えしたものであります。
 安否不明の方々に関するお尋ねでありますが、本件に関し、今回、北朝鮮から新たな情報提供はありませんでしたが、金正日国防委員長は、改めて白紙に戻り、早期に本格的かつ徹底した調査を行う旨明言いたしました。
 安否不明の方々についての真相究明は一刻も早く行う必要がありますが、我が国のみでできることには限界があり、北朝鮮側の協力がぜひとも必要です。今回、北朝鮮側が、本件は解決済みであるとの従来の姿勢を改め、白紙に戻り、早期に本格的かつ徹底した調査を行うとしたことは、極めて重要であると考えております。(拍手)
 我が国としては、早急に先方の再調査の結果を求める一方、我が国独自の調査結果とも突き合わせて真相の解明を図っていく考えであります。
 いわゆる特定失踪者についてのお尋ねですが、政府としては従来より、被害者と認定された十五名の方々に限定することなく、広く北朝鮮による日本人拉致という観点から、諸外国との間で情報収集・交換を行っております。今回の首脳会談においても、今後新たに拉致と認定される事案がある場合には、真相究明の対象として取り上げていく旨、北朝鮮側に伝えました。
 拉致問題への対応のための本格的な対策本部の設置についてでございますが、政府は、拉致問題を日朝間の諸懸案の最優先課題と位置づけ、日朝国交正常化に関する関係閣僚会議のもとに設置された拉致問題に関する専門幹事会を中心に、拉致被害者・家族支援室や関係省庁、関係機関が緊密に連携して、その解決に向けて全力で取り組んでおります。今後の取り組み体制については、今回の首脳会談の結果を踏まえ、問題解決の状況を見きわめながら適切に判断してまいります。
 北朝鮮に対する経済制裁と拉致問題の取り扱いについてでございますが、日朝平壌宣言は、日朝双方が日朝間に存在する諸問題に誠意を持って取り組むとしております。
 政府として、北朝鮮に対し、拉致問題の解決に向けた前向きかつ誠意ある対応を促していくため、その時々に最善の方策をとっていく考えですが、いずれにせよ、日朝平壌宣言の精神に従った取り組みがなされようとしている現時点において、拉致問題を理由として北朝鮮に対しいわゆる経済制裁を発動する考えはありません。
 なお、今回の首脳会談における私の発言は、特定船舶等入国禁止法案の立法府における扱いを念頭に置いて行ったものではありません。
 核問題、六者会合についてでございますが、我が国は、従来より北朝鮮に対し、日朝平壌宣言を遵守して核問題を含む諸懸案を包括的に解決することが北朝鮮自身の利益であることを働きかけてまいりました。今回の首脳会談でも、私より、このような考えに基づいて、金正日国防委員長に対し、核問題についての国際社会の見方及び我が国の立場をしっかり主張し、金正日国防委員長自身から、六者会合に対する前向きな発言がありました。
 我が国としては、このような成果を踏まえ、引き続き米韓両国を初めとした関係国と緊密に連携しつつ、六者会合を通じた平和的解決に取り組み、その中で、北朝鮮に対し、日朝平壌宣言の遵守を引き続き働きかけていく考えであります。
 拉致とテロ行為の関係及び北朝鮮に対する人道支援でございますが、北朝鮮による拉致は、国民の生命と安全にかかわる重大な問題であることは疑いのない事実であり、普通にはテロと言えると考えます。
 今般の首脳会談を踏まえ、我が国としては、国連機関を通じ食糧及び医薬品等の人道支援を行う考えであることを表明しました。これは、国連機関の人道支援についてのアピールにこたえ、国際社会の一員として支援するという観点から判断したものであり、北朝鮮側に拉致問題に対する見返りを与えたものではありません。
 今回の訪朝について、北朝鮮における報道についてでございますが、北朝鮮側が今回の日朝首脳会談を報ずるに当たって、北朝鮮なりの表現を用いていることはあろうかと思います。
 他方、重要なことは、そのような報道の一つ一つにこだわることではなく、今回の首脳会談の成果を基礎として、拉致問題、核問題を初めとした諸問題の解決に向けた前進を図っていくことであると考えております。(拍手)
 今回の訪朝に関する北朝鮮側の思惑についてでございますが、今回の訪朝は、日朝関係の現状を踏まえ、日朝双方が日朝平壌宣言を履行していくことを改めて確認することが我が国の国益に資するとの大局的な政治判断によって決断したものであります。
 今回の訪朝によって、日朝平壌宣言を土台とする日朝関係の進展に重要な契機が得られたと考えます。また、拉致問題について一定の前進を見るとともに、核問題についても金正日国防委員長の一連の意味のある発言がありました。これらのことにかんがみ、今回の私の訪朝は日朝双方にとっての利益であったと考えます。
 日朝国交正常化交渉と安否不明の被害者の問題でございますが、国交正常化交渉の再開については、政府として、従来より、まずは拉致被害者御家族の帰国を実現し、その上で再開された国交正常化交渉の中で安否不明者に関する真相究明も行っていくとの方針であります。(拍手)
    —————————————
    〔議長退席、副議長着席〕

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-05-25

院: 衆議院

会議名: 本会議