南野知惠子の発言 (共生社会に関する調査会)
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○南野知惠子君 それでは御報告させていただきます。
昨年の二月十二日に理事会におきまして設置が決定されました配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の見直しに関するプロジェクトチームは、設置以来、学識経験者、有識者及び政府関係者等からのヒアリング並びにメンバー間での議論を重ねてまいりました。その経過につきましては、これまで二回にわたって本調査会にも御報告させていただいたところでございますが、今般、メンバーの方々の昼夜を問わない熱心な討議の結果、お手元にありますような配偶者暴力防止法改正案の骨子をまとめ上げることができました。
今後は、この骨子に基づきまして具体的に立案化の作業に入ることとなりますが、本日、この場で調査会委員の方々に法律改正案骨子の内容について御説明をさせていただきたいと思います。
第一は、「配偶者からの暴力」の定義の拡大であります。
「配偶者からの暴力」の定義における「暴力」の内容について、保護命令に関する部分等を除き、身体的暴力のみならずそれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動が含まれるようにすることとしております。なお、これに伴いまして、法律の前文について所要の改正を行うこととしております。
第二は、保護命令制度の拡充であります。
その一は、元配偶者からの暴力に係る保護命令の申立てでありますが、配偶者からの暴力を受けた後離婚した者が、その配偶者であった者から引き続き暴力を受けるおそれがある場合についても、保護命令の申立てをすることができることとしております。
その二は、子どもへの接近禁止でありますが、被害者に対する保護命令の実効性を減殺させることを防止する観点から、被害者の同伴する子どもへの接近の禁止を命ずることができるようにするとしております。
その三は、退去命令の期間の拡大でありますが、退去命令の期間を現行の二週間から二か月に拡大することといたしております。
その四は、退去命令の再度の申立てでありますが、当事者双方の事情から見てやむを得ないような場合については、退去命令の再度の申立てをすることができることとしております。
その五は、保護命令の再度の申立て手続の改善でありますが、保護命令の再度の申立てをする場合において、配偶者暴力相談支援センター又は警察職員に対し、その後の状況に関して相談等をした事実に係る所定の事項が申立て書に記載されているときは、公証人面前宣誓供述書の添付を不要とすることとしております。
その六は、退去住居付近の徘回の禁止でありますが、接近禁止命令及び退去命令が併せて発せられた場合に、被害者とともに生活の本拠としている住居の付近を徘回することをも禁止することとしております。
三番目としては、市町村における支援センター業務の実施であります。
都道府県のほか、市町村においても、配偶者暴力相談支援センターの業務を実施することができるようにすることとしております。
第四は、被害者の自立支援の明確化等であります。
その一は、国及び地方公共団体の責務でありますが、国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の自立を支援することを含め、その適切な保護を図る責務を有することを規定することとしております。
その二は、基本方針及び基本計画の策定であり、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関し、政府の基本的な方針を定めることとするとともに、都道府県は基本的な計画を定めることとし、国は都道府県に対してその作成に必要な助言等を行うよう努めるべきであることを規定することとしております。
その三は、福祉事務所による自立の支援でありますが、福祉事務所は、法令の定めるところにより、被害者の自立の支援のために必要な措置を講ずるよう努めるべきことを規定することとしております。
その四は、自立支援に係る市町村の連携協力でありますが、被害者の保護のために連携協力に努めるものとされている関係機関として、市町村を明記することとしております。
その五は、支援センターによる自立支援の明確化及び調整機能の発揮でありますが、被害者が自立して生活することを促進するため、就業の促進、住宅の確保、援護等に関する各種制度の利用等についての情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を配偶者暴力相談支援センターが行うことを、その業務として明記することとしております。
その六は、自立支援等に係る民間団体との連携でありますが、配偶者暴力相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間団体との連携に努めるべきであることを規定することとしております。
第五は、外国人、障害のある人等への対応であります。
職務関係者は、その職務を行うに当たり、被害者の国籍、障害の有無等を問わず、その人権を尊重すべきことを規定することとしております。
第六は、警察による援助であります。
警察においては、更なる配偶者からの暴力による生命又は身体への危害の発生防止について被害者からの援助を求められたときは、被害者に対し必要な援助を行うよう努めるべきであることを規定することとしております。
第七は、苦情の適切かつ迅速な処理についてであります。
被害者の保護に係る関係機関は、その業務の実施に関して被害者からの苦情の申出を受けたときは、適切かつ迅速に処理するよう努めるべきであることを規定することとしております。
最後は、法律の見直しについてでありますが、改正法の施行後三年を目途とする見直し規定を置くこととしております。
以上が改正案の骨子であります。
冒頭にも申し上げましたように、今後も改正案の立案化に向けて詰めるべき問題もございますが、今国会におきまして、本調査会として法律改正案を提出することを目指しておりますので、委員各位の御協力をよろしくお願いしたいと思っております。
また、プロジェクトチームのメンバーの方々におかれましては、今後とも引き続き御協力を賜るようお願い申し上げ、報告を終わらせていただきます。
ありがとうございました。