山本和儀の発言 (共生社会に関する調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(山本和儀君) 私は昭和四十八年から子供たちのノーマライゼーションに取り組んできました。それは、専門家から物を見るものではなく、当事者、保護者の方の、どういう生き方をするかという選択ですね、自己決定を大事にしてきたんです。
私自身は、非常に極論を言って申し訳ありませんが、私は養護学校は差別教育だと思っております。統合教育は、本来ノーマライゼーションを進めていく上に非常に大事な教育であり、分離教育というのは差別を助長するだけだという具合に感じています。そのことを通してお話を進めていきたい。(OHP映写)
自立の基本的な考え方というのは、以前は日常生活を一人で営むことができることということだったと思うんですけれども、今は自分の生き方を自分で決めると、人に決めてもらうんではないということだと思います。特に専門職、専門家という人たち、私自身もそうですけれども、医療、福祉、学校教育の専門家が子供たちを差別してきたという具合に、こう思っています。それは、当事者が望む地域で生活することを許さなかったと、いわゆる就学指導委員会なるもので子供たちを差別してきた、そういう歴史が今日的な課題を残しているという具合に思っています。
共生の基本的な考え方は、共生の前提となる思想というのはノーマライゼーションです。障害の程度あるいは種別、あるいは重度、軽度に関係なくすべての人たちが地域で生活できる環境を整備することが本来、我々専門家と言われる立場の人たちの役割であり、その中で彼らが、彼らを支援していくことが本来的であるという具合に思っています。
さらに、ノーマライゼーションの具現化として必要なことは社会的あるいは人的バリアの除去。特に人的バリアが障害を持つ子供たちあるいは保護者の方々を非常に苦しめてきた歴史があるんだと。そこを専門家は分かっていないと。自分の知識、技術を、あるいは哲学を子供たちあるいは保護者に押し付けてきたという具合に考えています。ともに育ち合う機会というのは正に統合保育、統合教育であり、そのことなくしては成り立たないと。さらに、そのことを理解してもらうためには地域全体が変わっていく必要があると。環境整備ということになると思います。
ここで、大東市の実践を述べていきたいと思います。
大東市は、昭和四十八年から統合保育、統合教育を目指して進んできました。五十四年には大東市障害児教育基本方針というものを打ち出し、すべての子供を校区で見ていこうと、そして必要な支援は教育委員会が担っていくということです。これはハードとソフトの一体となった取組です。
これは療育センターです。療育センターは、子供たちをできるだけ早く保育所に送り出すこと、あるいはそのための、保育所の子供たちの交流、さらに子供たちを、保育所に行った後、専門家が保育所に出向いて保育士と一緒に療育を継続していくというシステムを取ってきました。さらに、学校に上がる前には、それぞれの学校がハード、ソフトの整備をやっていく。手すり、スロープ、だれもが使えるトイレ、あるいは訓練室を用意する。さらに、重度の、学校の給食が食べられない子供に対する配慮として、調理コーナーを設けて子供たちが食べられるようにしていくと。そして、その子に合った机、いす、そういうものを用意する。また、一方、校内研修会を開いて、校長以下すべての教職員と療育について話し合うと、子供のかかわり方について話し合うというシステムを作ってきました。また、通学保障。通学保障として、必要な子供にはタクシー通学を保障していく。さらに、療育を継続すると。そして、必要な医療的な側面、地域の開業医の方を、校医になってもらって、そういう必要な情報を提供してもらう。
あとは子供たちの表情を見ていただきたいと思います。ともに生きること、ともに学ぶこと、重度、軽度に関係なくそういう準備をすることこそ本来教育のある姿だという具合に思っています。子供を囲い込んだり、子供たちから分離したやり方というのはノーマライゼーションを推進しないという具合に思っています。それは高齢者の場合も全く同じですが、この場合飛ばしたいと思います。
これは充実期という形でお話しさせていただきたいと思いますが、中学卒業後の子供たちの療育を、在宅訪問あるいはいろんな形で支えていくというのは地域の行政の役割であると思っています。
大東市は、六十年に理学療法課、現リハビリテーション課を設置して、トータルに子供を、あるいは高齢者、すべての人を支えていくシステムを作っていった。さらに、そのためにはあらゆる機関とネットワークが必要であるということ。さらに、そのことを理解してくれる地域住民の協力と参画が必要です。
リハビリテーション事業というのは以下のとおりです。高齢者の機能訓練事業やあるいは在宅訪問、保健所とかあるいは病院とか、そういったところと連携を取りながら地域全体を包括して支えていくというシステムが重要です。
これは中学以下の、卒業された後の子供たちのリハビリテーションの保障ですね。
これは脳血管障害の方の在宅での生活です。決して家に閉じ込めない、通所あるいはレクリエーションを含めた地域活動をやる、そのことでその人を支えていくということです。在宅訪問も、障害のある子供を支えるためにやるということと通所に来てもらうということ、さらに、子供たちにとって大事なデイサービスとかそういうことを充実していくことが地域で支えていくことで、決して子供を囲い込まないということが大事だと思います。
関係機関とのネットワークとサービスの提供の一元化、一番大事なのは自分たちで囲い込まないということなんですね。教育は教育の中で、あるいは養護学校の中でということではなく、校区の中で、学校の中で、いろんな地域との連携、民生委員との連携、ボランティアとの連携、あるいはその他の関係部局といいますか、専門家との連携が必要です。
障害者を支える町づくりというのは、具体的には家庭介護講習会を開いたり、あるいは地域リハ祭り、住民に知ってもらう啓発事業を展開していくことで地域が変わってくると。ノーマライゼーションの基盤は私は統合教育にあると信じております。そのために必要な手だてを教育委員会あるいはそれぞれの部局がしっかりと考えていくこと、支えるシステムを作ることに尽きるという具合に思っています。
これは市民が行っている啓発です。家庭介護講習会であったり、あるいは大きなイベントであったり、その中には医師会、薬剤師会、保健所、いろんな人が参加すると。そのことで地域が変わっていくんであって、ノーマライゼーションはあらゆるところから手を付けていくという戦略が必要です。
就労はいろんな形の就労がありますが、一番大事なのは一般企業に就労できるためにどういう条件が必要なのかということをしっかりと一方では施策化し、一方では実践していくことだという具合に考えています。
時間が気になって早く終わりましたけれども、あとは質問でしていただければそれでいいと思います。どうもありがとうございました。