有村治子の発言 (共生社会に関する調査会)

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○有村治子君 先ほど森ゆうこ先生がおっしゃっていただいたように、今まで障害、特に子供さん、障害を持ったお子さんは教育の中で健常者に近づくのが本人にとってもよかろうというような前提、思い込みがある中で教育がなされてきた。
 以前、私がこの共生社会に関する調査会で発言させていただいた聴覚障害を持った方々、聾学校に通われる方々、その方々もちょっと調べてみると、七十年ぐらい、少しでもあなた方は健常者に近づく方がいいだろうというような前提で聴覚口話法という教授法が取られてきた。これは、いわゆる健常者の方々に近づくには、聞こえなくても聞こえるようなことを訓練して、そして口でしゃべればいいということなんですけれども、このことによって手話を全く使っていない聾学校がいまだに五%、七%存在する、一切使っていない学校も存在するというような状況で彼らが教育をされてきた。その結果、彼らは、彼らが自由に表現をするような母語、母国語を持たないで、何とか健常者に合わせてきたという現状を見て私も非常に心痛みました。
 このことについては、公明党の山本香苗先生、社民党の福島瑞穂先生、みどりの会議の高橋先生からもしっかりと、聴覚口話法以外の教授法ができるようになった方がいいというような援護射撃をいただきましたけれども、そろそろやはりその人らしさ、その人の母国語を用意できる教育という、教授法そのものを見直さなきゃいけない時期に入っているんじゃないかなというふうに思っています。このことについては、また皆様に御相談に乗っていただきたいこともあろうかというふうに思っています。
 もう一つ感じたことは、先日、視覚障害を持たれた方々とミーティングをさせていただいたときに言われたんですが、駅も随分点字が増えてきましたねというふうに私が申し上げたら、そうなんですよ、でも全然使い物にならないんですということを言われて。つまり、駅ができ上がってから、その駅の切符の、空いたところ、空いたスペースに点字を取りあえず付けるという形で、そこは視覚障害でつえを持って歩かれている方の動線には全然合っていないところ、たまたま切符売場があってスペースが空いているところに取って付けるような段階で、全然低過ぎたり高過ぎたり、本当に健常者の視点にしか入っていない。しかも、最近は切符がボタン式じゃなくてこんな画面式になっていて、画面でとんとんとんと、一つの画面を選ぶと次の画面になっていくというのは何が起こっているか全く分からないということを言われて、ああ盲点だなというふうに思いました。
 そういう意味では、制度設計とかシステム設計、空間設計のその設計段階から、やはり使われる当事者の意見を本当に参画していただくという視点そのものを私たちが持っていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
 蛇足なんですが、私も母親になって、今母乳で育てているんですけれども、空港に行っても授乳室というのがいかにも男性の視点で作られているなということを感じます。つまり、衛生的にはお手洗いと同じような感覚でトイレのすぐ横に母乳を出すようなところがあるんですが、衛生的にも非常に汚いところもあって、結局は排出物でしかないんだなという、この設計者は男性に違いないなというふうに思うようなところがあります。
 そういう意味では、やっぱり使う人が本当に気持ちがいいとか、ここだけはしっかり守ってくださいよというようなリクエストを最初からヒアリングの段階で入れておくというのも大事だなということを痛感をしております。
 最後になりますが、先ほどから先生方が統合教育について積極的な御発言をされています。確認なんですが、やはり神本先生がおっしゃったように、統合教育というのは本当に流れとしては歓迎すべきことで、また支援すべきことだと思いますが、そこでやはりしっかりとした、日本社会で生きていくためのサバイバルのスキルというのはしっかりと持っていただく、そのための支援をするというのが私たちの最も大事にしなきゃいけないことなので、そこでやっぱり困るとか、統合教育でやっぱり意地悪をされてというのは、そういう状況を作らないということとともに、その状況では困るというような人たちには選択肢を最後までしっかりと確保しておくことが大事なことだなということを改めて確認させていただいて、発言を終了します。

発言情報

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発言者: 有村治子

speaker_id: 22113

日付: 2004-05-12

院: 参議院

会議名: 共生社会に関する調査会