竹中平蔵の発言 (金融問題及び経済活性化に関する特別委員会)
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○国務大臣(竹中平蔵君) 冒頭、小林委員から大変包括的な現状についての御説明を既に非常に丁寧にいただいたというふうに思っております。
委員の直接の御質問、時間の制約もあろうかと思いますので、に限らせていただきますと、景気回復の特徴をどのように議論するのか。ここはやはり、実は経済の現状判断の上でも大変重要なポイントであると我々考えております。いわゆるバブルが崩壊しましてからこれまで、過去にも二度景気回復のチャンスがありました。一つは九六年から九七年ぐらいにかけての時期、もう一つは九九年から二〇〇〇年にかけての時期、そのような時期であったというふうに記憶をしておりますけれども、そのときと比べると私はやはり三点ぐらいの点で違いがあるというふうに認識をしております。
第一の点は、やはり過去二回に比べて金融が非常にしっかりとしたものになってきている。少なくともそういう実績が現れつつあるし、またそういう認識が広がりつつあるという点ではないかと思います。
金融の問題に関しては、以前、まだ回復期にあったときも、そもそも不良債権がどれだけあるのかと、そういうことを非常に疑問視する専門家が多数いた。そうした中で、しかし、資産査定のルールをきちっと作って、それが浸透している中で今検査をしっかりして、もちろん個々にはいろんな問題まだ残ってはいるわけですけれども、資産査定がしっかりして不良債権が洗い出されてきているということに関しての認識は広がっているんだと思います。
また、特に主要行に関しましては、目標を決めて、それで不良債権比率が今着実に低下して、来年の三月期には四%台というのを我々是非実現したいと思っておりますし、またできるというふうに思っておりますが、不良債権が減っている。そういう中で、経済の根幹を成す金融に対する信任、コンフィデンスがやはり過去二回とは大幅に違っている。こういう点は、株価全体が上昇する中でも、特に銀行の株価が上昇してきたということに集約的に現れているんだと思います。
繰り返しますが、個別にはもちろんいろんな問題あるわけですが、昨年一年、日本の株価は四七%上がっております。これ、アメリカのダウが三〇%、イギリスが二〇%ぐらいですから、それを上回って上がっているんですが、実は四メガバンクの株価は、平均が四七%で上がる中で、四倍に昨年一年に関してはなっております。それまでの低下が大きかったんだという御批判はもちろんあるわけですが、しかし、それにしてもこの信任の上昇というのはそこに現れている、これが第一だと思います。
第二は、需要面で見て、政府の需要に頼らない形で、正に民需主導になってきているということだと思います。
前回の景気回復局面では、数次にわたる経済対策、これは二十三兆円ないし二十四兆円ぐらいの累次にわたる規模の経済対策を取られて、それによってようやく全体の需要が持ち上がったということでございますが、今回は大きな補正予算を組むことなく、正に民需主導でこのような回復になっているという点がやはり二番目の大きな特徴だと思います。これは、総理が将来にツケを残さないんだという非常に強い姿勢の下で、政府に頼らない自助自律の成長を目指すということが、これはメンタルにも日本の経済の各部門に浸透していっているということであると理解をしております。
第三番目の特徴は、実は第一、第二とある意味で関連するんでございますが、実は地域間の格差がやはり今までとは少し違う形で出てきている。端的に言いますと、一律に公共事業を各地域に配賦する場合、その各地域の成長率というのは似てくるわけでありますが、今回、そういうことをやらないということになりますと、例えば今でありますと、非常にIT等々に特化している地域は伸びるんだけれども、そうでない地域はなかなか伸びないと、そういう問題が新しく出てきているという点もこれは問題点として認識をしなければいけない、これも特色であろうかと思います。
したがって、小林委員、将来の課題ということを挙げられましたけれども、実はこの地域格差の是正、地域再生という新たな構造問題に取り組むということが大変重要な課題になっているというふうに認識をしております。さらには、これを、やはり今企業部門が引っ張っていっているという形を、早くやはり消費を巻き込む形、家計に広げなければいけない、それも引き続く課題であるというふうに思っているところでございます。