小泉純一郎の発言 (決算委員会)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 哲学者の意見を伺うというのも大事なことだと思います。哲学と政治は違いますが、いろいろな名論卓説持っている方々の意見をどのように政治に生かしていくかということは、古今東西、政治の任に当たる者が心掛けてきたところだと思います。日本におきましても、これから新しい進むべき道、多くの識者の意見を聞きながら、これをどう今後の政策に生かしていくか、改革を進めていくかということで私も心掛けているつもりでございます。
 やはり、日本の国家におきまして、これから、欧米に追い付き追い越せという戦後の目標を掲げてきたころに比べますと、もう今や単なる欧米の制度に追い付いたり追い越したりということだけでなく、いいものは学びながら、日本独自の歴史なり伝統なり文化を生かした行き方があるのではないかという気持ちが各界各層に出てきていると思います。
 外交におきましても、日本国だけのことにとらわれないで、国際社会の中でどのような日本の役割があるんだろうか、国際社会の中でどのような責任を果たしていこうかという、そういう国際貢献の意見におきましてもいろいろな意見が出て、日本としても積極的に国際社会の平和と安定のために貢献していこうじゃないかというのもこれは大事な視点だと思いますし、国内におきましても、今、地域の中において、あるいはいろいろな振興策を考える場合においても、国から補助金をもらったり、あるいは税制の優遇を考えてもらったり、そうするんじゃなくて、自らの知恵や工夫を生かしてやっていこうという意欲も出ております。これは非常に大事なことでありまして、どのような国家におきましても、最も大事なことは自ら助ける精神と自らを律する精神だと思うんであります。国からお金をもらえば地域が発展すると、そうじゃない、現実に見ていくと。観光振興におきましても、あるいは地域の振興策を考えるにおきましても、お金がないんなら、自分たちの町をどうやっていこうかと。
 例を挙げれば、ある町づくり、伝統、歴史を生かした町づくりを進めていこう、あるいは電線の地中化も地域が一体となっていこう、あるいは商店街も、今まで自分たちの店主だけで店をやっていたのを、廃業が多くなったらば人に貸そうじゃないかと。そういう、国からお金をもらおうというんじゃなくて、自分たちがやっぱりいろいろ知恵を働かせながらやっていこうと。
 防犯におきましても、警察官だけ頼るんじゃない、地域、町内会、自治会がボランティアで見回りをしようじゃないかと、警戒しようじゃないかと。町並みはどのように考えていったら犯罪が少なくなるのか。
 地域の振興におきましても、自分たちが、市に頼るんじゃない、自分たちの家々がその自分たちの家を外から見てどうやって美しくしていくかということを考えることによってよその町から見に来ると、こういう意欲も出ているわけであります。
 やっぱり個人においても企業においても国家においても最も大事なことは、自ら考えて自らを助けようと、その精神、そしてやっぱり欲望に限りありませんから、それを自らを律する、制御する、こういう気持ちを持つというようなのがどんな時代においても私は大事だと思っております。
 そして、やっぱり努力した者が報われる社会。年金におきましても、やっぱり給付側のどれだけもらえるかということだけ考えていたんではこの年金制度は維持できない、給付の裏には必ず若い人が負担しているんだという、負担する立場も考えようと。お互いがやっぱり助け合う精神、そして足らざるところは自治体なり国なりから支援する。
 この自助の精神、自ら助ける精神とお互いが助け合おうという精神と、そして足らざるところは国全体で、国民全体が、一人は万人のために、万人は一人のために、そういう精神を持って新しい日本の発展を期そうという、これが私はどのような時代においても最も大事なことであるというふうに認識しております。

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-03-08

院: 参議院

会議名: 決算委員会