大沼保昭の発言 (憲法調査会)

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○参考人(大沼保昭君) 私もこの問題については若干歯切れが悪くなりまして、自分自身の考えがまだ十分固まるほど研究を積み重ねているわけではありません。
 今、浅田参考人が言われましたように、国際社会の軍事行動、それをどう解釈するかという観点からいえば、日本の政府がこの数年間取ってきた解釈、特に内閣法制局が取ってきた解釈ですね、これは後方支援という概念を含めてですが、これはかなりやはり国際社会の一般的な理解とずれがあるということは確かだろうと思います。
 その根底に、最初に言いましたように、この九条の解釈として、本来、芦田修正で認められた、国際紛争を解決する手段としてはというところを強調して、憲法学界の言わば少数説である、これ以外のものであればこの武力行使はできるんだと。つまり、初期はそれは自衛権の行使だけでしたけれども、自衛権の行使とそれから国際公共活動はできるんだという解釈を政府が取ってくればこれほど無理に無理を重ねずに済んだと思うんですね。ところが、政府がその解釈を取らずに自衛力論というもう一つの第四の解釈を取ってしまったために、今、浅田参考人も言われたように、非常に無理に無理を重ねた積み木細工の形になってしまっていると。
 私は、憲法改正が行われるまでは、極めて不自然な形ではありますけれども、恐らく国民はそういう不自然な形を半ばあきれながら、まあやむを得ないと、多少のシニシズムを見ながら、どうせああいうふうに言っていくんだよという目で見ながら言わば是認しているわけでありますから、それでいくしかないのだろうなという、言わば少しあきらめに似た感じを持っております。
 ですから、私の考えからいえば、本来ならばこういうシニシズム、あきらめに似た感じを国民が持つ前の九〇年代からもうちょっとしっかりと改憲の議論を行っておくべきだったと。私が最初に改憲の議論を提起したのは一九九〇年代のあの湾岸戦争の時期でありまして、その後、結局十年間、それほど進展のないままに来てしまったということは非常に残念であるというふうに思います。

発言情報

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発言者: 大沼保昭

speaker_id: 13023

日付: 2004-03-03

院: 参議院

会議名: 憲法調査会