小泉親司の発言 (憲法調査会)

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○小泉親司君 日本共産党の小泉親司でございます。
 私どもの基本的な平和と安全保障の議論のまとめについては吉岡委員が詳しく述べられましたので、私は三つの点について発言をさせていただきたいと思います。
 一つは、憲法九条に基づく非軍事力での国際貢献を大いに積極的に進めるべきだという点であります。
 調査会の議論でも、憲法九条と国際貢献が何か矛盾する、ないしは九条が国際貢献の妨げになるというような議論が展開されました。私は、そうではなくて、九条はやはり軍事力でない貢献、特に戦争という大変悲惨な状況を回避すること、このことが最も肝要なことで、これに基づく私は大いなる主張を私たちが展開すべきだというふうに思います。
 特にイラクの問題で私非常に懸念するのは、この間自衛隊の海外派兵がどんどん進められてまいりましたが、今度のイラクの事態は、本当に軍事が外交を席巻してしまうというような、私非常に危惧を持っております。その意味でも、やはり憲法九条に基づいて戦争を回避すること、こうしたことは、今度のイラク戦争をめぐりましてもフランスやドイツが国連でその主要な役割を果たしたことからも、日本がこういう点で私はもっと積極的な役割を果たすべきだと思います。
 同時に、非軍事的手段で国際貢献を進めること、特にアフガニスタンやイラクの事態を見ても、軍事力による国際協力では逆の結果を生んでしまうということがだんだん明らかになりつつあるというふうに思います。私は、医療や教育や人道的な分野で、いわゆる非、人道的な分野で貢献を大いに進めること。先ほど同僚委員からも強靱な平和主義とか積極的な平和主義ということが主張されましたが、そうであるならば、私は、九条を擁護して大いなるこれに基づく貢献を行うべきだという点を指摘しておきたいと思います。
 二つ目は、憲法前文で自衛隊の海外派兵は正当化できないという点を発言をしたいというふうに思います。
 憲法調査会で、この間も平和、安全保障の中でも前文論が大変出てきた。私は、長くこの安保問題、憲法問題に自分なりに携わってまいりましたが、憲法前文を使って自衛隊派兵を正当化するというのは、九〇年代に入りまして、例えば読売新聞や当時の小沢一郎氏などが、こうした前文を引き合いに出しての自衛隊海外派兵が可能だという主張を展開してきました。今度のイラクの派兵の問題では、小泉総理がそれを同じように憲法前文で正当化してきた。
 しかし、私は、憲法前文は、これまで改憲を主張する人々にとりましては大変憎しみの対象で、例えばこの前文というのは、文章が、あんな文章は支離滅裂だとか、マッカーサーが書いた英文を翻訳したもので全く理解できないとか、その平和を愛する諸国民の正義と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意したなどというのは、他国に日本の安全を依拠するもので独立の信念がないとか、総理の引用した部分では、政治道徳の法則は、普遍的なものというような前文の部分は、普遍性を明記するのはけしからぬなどと言ってまいりましたが、私、こうした憎しみの対象にしてきた前文を拡大解釈して自衛隊海外派兵を正当化するというのは私は大変矛盾したもので、前文での自衛隊海外派兵の正当化がいかにやはりごまかしの議論であるということをこの点で証明しているんじゃないかというふうに思います。
 最後に、私は、なぜ今集団的自衛権行使なのかと、ないしは集団的自衛権なのかと。
 私も長年アメリカでいろんな人々に取材してきましたけれども、アメリカ国民は果たして日本への集団的自衛権行使など憲法改悪を求めているのかと。私が取材した人々は、政府レベルの方、特にアーミテージさんなどはこぞって集団的自衛権の規定、行使を求めていますが、国民的に、私、そういう主張はないと言っても差し支えないというふうに思います。
 例えば、昔、B29で日本を爆撃したオーバービー博士は、九条の会を作り、憲法九条にノーベル賞を与えようと言っている。こういうふうな主張ばかりではなくて、最近、昨年逝去されました思想家のエドワード・W・サイード氏は、日本の平和憲法は世界の目標だと、改定されるなら悲劇だという主張をしていることからも明らかだと思います。私もアメリカの憲法調査に行きまして、日本に大変詳しいジェリー・ブラウンというオークランドの市長さんが、やっぱり憲法九条は守るべきだというような主張を展開してきたことを大変強く思います。
 その意味でも、憲法九条の解釈改憲、明文改憲も含めて、いかなる意味での改悪も許さないということを申し上げて、発言を終わりたいと思います。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 小泉親司

speaker_id: 29210

日付: 2004-04-07

院: 参議院

会議名: 憲法調査会