田英夫の発言 (憲法調査会)

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○田英夫君 残った時間をいただきまして意見を述べさせていただきたいと思います。
 先ほどから憲法と関連をして国際協力の問題が皆さんから御意見が出ておりますが、日本の場合は、私は、やはり自衛隊を派遣するというような軍事的な協力はやるべきでないと思います。
 そして、その大前提として日本には憲法九条があるということをもっと国際的に広げるといいますか、皆さんに、世界の皆さんに知ってもらうということが必要ではないかと。
 今、日本は憲法九条を持っているにもかかわらず、ささやかに自分たちの憲法として持っているだけですけれども、私は、日本政府が、できれば両院の決議に基づいて不戦国家であるということを世界に宣言をする。これも、できれば国連の場であえて総理大臣が演説をされて、その中で宣言をされれば最も明快になると思っています。
 つまり、日本は戦争をしない憲法を持っている国なんだということを世界に知らせる。そうなれば、おのずから軍事的な国際協力ということではなくて、ほかの方法で協力をすることができると。自民党の岩井さんがさっき言われましたODAの問題などは本当に私も同感であります。
 今、イラクに自衛隊が行っておりますけれども、実は、行っている陸上自衛隊の責任者の皆さんは困惑しているのではないかと思います。イラクの人たちは、日本が来るということで経済的な協力をしてくれるに違いないと、こう思い込んでいたところが、自衛隊の任務からして、また能力からして、イラクの人が期待しているような問題については、例えば水を作るということ、水を供給するということはやり始めているようですが、浄水場を造るというようなことになると、これはとても自衛隊の手には負えないと。
 しかし、日本には十分それをやる能力もあるし、お金を出すこともできる。つまり、そこでODAを、無償援助を、もちろん現状では非常に難しいかもしれませんが、やることによってその期待にこたえることができると。こういうことをもっと積極的に考えるべきではないか。
 あるいはODAについても、先ほども岩井さんが言われましたが、政府全体としての戦略がないんですね。外務省に政府全体の各省庁にまたがるODAの実態を出してくれと言っても外務省では出せない。各省庁が縦割りでやっているわけですね。こういうことでは正に戦略にならないと。もっと大きく日本全体としてODAを活用する。今、財政の問題もありますけれども、ODAが削減されているなどということは全く逆行だと思います。
 さらに、非常に今ささやかなやり方ですが、青年海外協力隊というのが本当に地道な活動をしています。私はできる限り年に二回、出発する人たちを見送ることにしておりますけれども、本当に二十歳そこそこの男女の若者がそれぞれの任務を帯びて、しかも多くの場合、単身で行っております。これをもっともっと拡充して、人数も増やす、項目も増やすという、そういう努力を政府全体としてすべきではないかと思います。
 最後に、そういう国際協力をやるということになる一方で、自衛隊というものは明らかにやはり憲法九条二項の戦力と言わざるを得ない現状をどう変えていくか。自衛隊に憲法を合わせるんじゃなくて、憲法が先にあったわけですから、憲法に自衛隊を合わせる。それは一体どういう現実になるかということをみんなで議論すべきじゃないかと思います。
 一言で結論を言えば、それは二十四万の失業者を今出すことができないことは私どももよく、当然理解をしておりますが、そうかといって、憲法九条二項と整合性のあるものにするにはどうしたらいいか。しかも、日本の国際的な役割ということを考えたときに、やはり一つは非武装の国際協力隊、もう一つは国内国外を含めて災害救助隊、これももちろん非武装ですが、そうしたものに現在の自衛隊の一部を組み替えていくということも考えの一つになるんじゃないかということを申し上げます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 田英夫

speaker_id: 16046

日付: 2004-04-07

院: 参議院

会議名: 憲法調査会