田英夫の発言 (憲法調査会)
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○田英夫君 三人の参考人の方々、ありがとうございました。
私は、年齢的にもうお分かりのように、戦争をまともに体験した世代であります。特攻隊で生き残って帰ってきて、そしてこの憲法ができた。そのときは復学をして学生でありましたが、感動して読んだことを今でも覚えております。
この憲法の前文は、率直に言って大変難解な文章であるということも青山さん言われましたが、私もこれは認めざるを得ないと思います。しかし、それ以前の戦前の難解な文章を読まされてきた、あるいは覚えさせられた、例えば教育勅語とか軍人勅諭とかいう、これは、これが日本語かなと思うような難解なものを読破しなければならなかったことに比べれば何でもないことだと思います。
この憲法ができたときの世界的な人間、人類の思い、これが結晶になったのは、実は日本が降伏する以前に既にできていたようでありますが、国連憲章、そしてそれを追うようにして日本の敗戦後にこの憲法が作られたわけですが、世界の人たちが共通に持っていたのは、このような戦争という悲惨なことは二度とやっちゃいけないと、こういうことだったと思います。
今、現実が合わなくなったから、それをやはりきちんと現実に合わせるようなものに変えなければならないという意見が、大手を振って歩いていると言ってはあれですが、多いわけですけれども、今の現実というのは、当時の国際社会みんなが感じていたことと全く違ったことを、特にアメリカのブッシュ政権が発足してからそれが顕著になっていると思います。今のイラク戦争は、正に国連憲章を踏みにじって無視して行われた戦争であります。戦争という行為、つまり武力行使で、武力で国際紛争を解決するということは禁ずると、国連憲章ははっきりと当時の世界の人々の思いをつづっているわけですね。そして、その国連憲章と同じ考えを基盤にしてできたのが日本国憲法だと、戦争から帰ってきたばかりの生き残った青年はそう思いました。
それが、つまり今のイラク戦争に象徴されるような、国際情勢の方が間違っているんだと言ってもいいんじゃないでしょうか。それに合わせるということは、間違った方に合わせるということになる。国際貢献の名の下に、日本がこの憲法を、むしろ違反すれすれのような状態で自衛隊をイラクに送る方が間違っていると、私はそう思えて仕方がないんですが。
お三人の方々にお答えいただきたいんですが、国連憲章の前文とこの憲法、日本国憲法の前文とを比較してどのように思われるか、その点をお一人ずつお願いをいたします。