小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 加藤議員にお答えいたします。
 社会保障改革と少子化対策でございますが、社会保障制度というのは、これは政府として、年金、医療、介護、これを今後とも持続可能な制度にしていかなきゃならない、こういう視点から、将来を踏まえながら、国民の理解と協力を得ながら進めていかなきゃならない問題だと思っております。
 全体的に取り上げまして、特に少子高齢化社会、今までの時代と違ってまいりましたので、若者と高齢者がお互い対立せずに支え合っていくんだという、そういう気持ちを持ちながら、この社会保障全体を考えながらそれぞれの改革に取り組んでいきたいと思います。
 あわせて、少子化対策でございますが、子は社会の宝と言います。子供を学校、家庭、地域一体となって健全に育成するために総合的な施策が必要だと思います。同時に、男女共同参画時代であります。男も女も家事、育児、仕事を分かち合う時代でありますので、そういう観点からも少子化対策について総合的に、着実に取り組んで改革を進めていきたいと思います。
 年金改革についてでございますが、全体の改革、基本的な考え方につきましては、今申し上げましたように、持続可能な制度にしていくと。同時に、最近は生き方も働き方も多様であります。人様々であります。終身雇用の時代とは違ってまいりました。会社も次々に替わる方も増えてまいります。パートの方も増えてまいります。そういう現在の生き方、働き方に対応した制度の見直しが必要ではないかと。
 具体的な内容についてどうかというお話でございますが、今国会におきましては、年金の給付水準について少なくとも現役世代の平均的収入の五〇%の水準を維持すると。そして、高齢者の消費支出と現役の可処分所得を比較すると大体五割程度となっておりますので、これが安心できる水準ではないかなと。
 また、保険料については一八・三五%程度まで引き上げてまいりますが、急激な負担増となるのを避け、毎年小刻みに引き上げることとしております。平均的な勤労者では、前年に比べて毎月支払う保険料の増加が約月六百五十円程度と見込んでおります。決して小さくはありませんが、負担可能なものと考えております。
 今般の制度改革は、このような形で将来の過重な負担や急激な負担増を避けながら安心できる給付水準を確保していくことで、社会経済の活力の維持の基盤となるものにしていかなきゃならないと考えます。
 社会保障の安定した財源確保のための税制についてでございますが、先般の与党税制改正大綱において、持続可能な社会保障制度の確立、地方分権の推進という課題に対応するため、個人所得課税や消費税を中心に今後数年間の税制改革の道筋が示されました。
 政府としては、将来不安を払拭し、公正で活力ある経済社会を実現するため、与党大綱を踏まえ、社会保障制度の見直しと三位一体の改革と併せ、中長期的視点に立って税制の抜本的改革に取り組んでまいります。
 その際、徹底的な行財政改革を引き続き断行しなければなりません。経済社会の動向を勘案しながら国民的な議論を進めていくことが必要と思います。
 三位一体の改革でございますが、国による地方に対する関与を減らし、地方の自立性を高めるものであり、一言で言えば、地方が元気になる、地方の裁量権を拡大していこうという改革であります。そのため、平成十八年度までに補助金について約四兆円の廃止、縮減等を行うとともに、交付税を見直して地方へ税源を移譲することとしております。なお、地域間の財政力格差を調整し、一定水準の行政を確保する仕組みは今後とも必要であると認識しております。
 平成十六年度においては、補助金一兆円の廃止、縮減を行うとともに、地方の歳出の徹底的な抑制を図り、地方交付税を一兆二千億円減額いたします。また、平成十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施することとし、当面の措置として所得譲与税を創設し、四千二百億円の税源を移譲いたします。
 こうした取組についても、改革の大きな一歩であります。知事会や市長会からも評価をいただいておりまして、今後とも地方の声も聞きながら、地方にできることは地方にとの原則の下に来年度以降も改革を加速してまいります。
 道路に対する基本的認識についてでございますが、道路は無料自由走行を原則とする極めて公共性の高い社会資本であります。特に、利用者の負担により早期整備を行うための特別の措置として有料道路制度が設けられております。その整備に当たっては、厳格な評価を行った上で、国、地方公共団体及び利用者の適切な負担の下で、国民にとって真に必要な道路を整備すべきであると考えます。
 道路公団の民営化の問題につきましては、加藤議員が既にかなり具体的に御指摘いただきました。この御指摘のとおりでありまして、これは戦後の有料道路制度の大改革です。よくこの道路公団改革、民営化の名に値しないのではないかという批判がありますが、とんでもないことであって、これほどの改革は恐らく私の総理大臣就任する前は想像できなかったことだと思いますよ。初めて抜本的に改革するものであります。必要な道路は造らなきゃならないんです。しかし、民間会社となった有料道路では採算性も考えなきゃならない。できない道路があるでしょう。しかし、民間会社ができない道路でも地域の住民がどうしても必要な道路というのが出てくるんです。その場合は、将来負担を考えないでどんどんどんどんツケを先送りしちゃいかぬというので、どの程度の負担だったらばできるかということを考えて必要な道路は造る。と同時に、民間会社は自主性を持っていろんなサービスを展開して考えていただかなきゃならない。
 今回の民営化案は、私は民営化委員会の意見を基本的に尊重したものであり、大改革であると自負しております。
 郵政民営化につきましても、これも長年大きな問題でありましたけれども、自由民主党、公明党、与党の皆さんは民営化には賛成していただきました。郵便局をなくすものではありません。いかに今までの郵便局というものを活性化し、より良いサービスを展開するためのどのような民営化案がいいかということを今年秋ごろまでに取りまとめることとしております。その際には、いろんな各方面の意見を聞いてより良い民営化案を作っていきたいと思います。
 郵政公社が発足いたしましたが、まだ時間があります。平成十九年に郵政民営化を実現期すということになっておりますので、まだ時間的余裕があります。そういう中で、より良い民営化案を今年中に策定いたしまして、来年には法案を国会に提出して、平成十九年に民営化実現していきたいと思いますので、今年、各方面から、また自民党におきましても与党におきましても、いろいろな意見を、議論をしていただきまして、お互い協力しながらより良い民営化案をまとめていきたいと思います。
 小泉内閣の意義と成果についてでございますが、私も、この二、三年、低成長を我慢してくださいといって苦しい中にも多くの私を支持してくれていただく自民党、公明党の皆さん方、我慢しつつ協力していただきまして、ようやく明るい兆しも出てまいりました。これからこの改革の成果を深め、いよいよ改革を本格的な軌道に乗せて、改革の芽を大きな木に育てていって、民間需要主導の本格的な経済活性化に結び付けていかなきゃならないと思っております。
 小泉内閣は何もしていないじゃないかということでありますが、これは見当違いの批判でありまして、要するに、企業の業績が上がってきた、地方がそれぞれ特区構想を出してきた、再生の案を出してきた、人にもやる気が出てきた、ここが大事なんですよ。小泉内閣は何もやっていないんじゃない。余計なことは何もしなかったんです。不必要なことは何もしなかったんです。
 一番大事なことは、個人においても企業においても地域においても、自らやる気を出して、能力を発揮しよう、潜在力を生かしていこうという、そういうやる気を出してもらえるような政治環境を作ることが政治で一番大事なんです。統制経済社会がいいか、市場経済、自由主義経済がいいか、歴史が明らかであります。国がやらなくていいことまでどんどん余計なお節介を出すと、経済は発展しません。
 人のやる気、企業のやる気、地域の意欲を引き出していく、こういう環境を作るということが政治で極めて大事なことであり、だからこそ、自由民主党、公明党の安定した基盤に立って、このそれぞれの潜在力、可能性を大きな、可能性を引き出していくことが小泉内閣の責務であると思いますので、今後とも自由民主党、公明党の皆さんの格段の御協力をお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-01-23

院: 参議院

会議名: 本会議