福島瑞穂の発言 (本会議)

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○福島瑞穂君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、総理の施政演説に対する代表質問を行います。
 戦後初めて自衛隊が地上戦を行うかもしれない、そのような事態が発生しています。これは明らかに憲法が禁止する武力攻撃につながるものです。殺すな、殺されるな、戦争の被害者にも加害者にもなりたくない、戦争はしないということは戦後の日本の多くの国民の強い願いであったはずです。戦争をしない国から正に戦争をする国へ、誤った政治の判断に対して強く抗議をします。
 まず最初に、イラク戦争の大義の問題について質問します。
 イラク戦争の理由とされた大量破壊兵器はいまだに見付からず、イラク戦争に大義がなかったことは既に明らかです。総理は大量破壊兵器がいずれ発見されると繰り返してきましたが、それは間違いでした。世論をミスリードした責任をどう考えられるのでしょうか。
 総理が米国の正当性のない武力攻撃を直ちに支持し、米英軍の占領行政に協力し、加担していくことは、平和国家日本がイスラム世界に対する中立的な立場をかなぐり捨て、加害者の立場に立つことです。そのことは、日本の社会にも日本の人々にとっても決していいことではありません。
 イラクの治安はむしろ刻一刻と悪化をしています。
 政府は、国又は国に準ずる組織による組織的、計画的な国際紛争を戦闘行為と定義し、テロ攻撃は戦闘行為ではない、攻撃を受けても撤退しないとしていますが、これは正に詭弁であり、このような詭弁が成り立つのであれば、イラクでは戦闘は起こり得ない、何があっても自衛隊は撤退しないということになります。
 イラクで想定される戦闘とはどのようなものなのか、どのような条件なら撤退することがあり得るのか、明確に答えてください。
 二〇〇三年度補正予算では、イラク復興支援経済協力費として千百八十八億円が計上されています。しかし、この内容は極めて不明確です。援助すべき政府が存在しないイラクの現状の中で、その執行の公正さをどのように担保し、どのようにチェックをしていくのでしょうか。
 また、自衛隊への取材・報道自粛要請や幕僚長会見の廃止の提起は、報道の自由、国民の知る権利に対する挑戦であり、かつての大本営発表を思い起こさせる大問題です。総理はどのようにお考えですか。
 イラク戦争では多くの劣化ウラン弾が使用されました。日本政府はなかなか認めようとしませんが、既に米軍も記者会見で認め、自衛隊が駐留する予定のサマワでもオランダ軍によって劣化ウラン弾が発見されています。
 核医学の第一人者で元米軍大佐のドラコビッチ博士は、サマワ周辺も劣化ウラン弾による高濃度の放射能汚染が予測され、イラクに派兵される自衛隊にもウラン汚染が及ぶ危険性があると語っています。この対策は一体どうなっているのでしょうか。
 医療活動や劣化ウラン弾の除去など、被爆国日本こそが貢献できる課題が山積をしています。自衛隊の派兵よりも、日本はこのような平和的活動で国際的な貢献をすべきです。総理の見解を伺います。
 大量破壊兵器の確証のないままイラクを攻撃したブッシュ政権の一国主義的政策は世界から批判を集めています。対米関係を重視することに異論はありませんが、一つの政権との関係に依存し、軍事的関係を深めるべきではありません。
 憲法の平和主義の理念を前提に、軍事力への依存を断ち切り、人間の安全保障の理念に即した平和政策を再構築すべきであるということを強く訴えます。
 さて、総理は、この千日間、平和と憲法を壊すだけでなく、国民の暮らしをもまた壊してきました。小泉構造改革の下で所得や資産の格差は拡大をしています。そして、総理は、医療や介護、年金、雇用保険などで給付削減、保険料引上げなどの国民負担増を繰り返してきています。その結果、社会的支援が必要な人ほど生活が困窮し、老後に不安を覚える中高年が激増し、ほとんどの若者が公的年金制度に不信を抱くようになりました。
 だれでもお金の心配なく、保育や教育、医療、介護を受けられ、住むところも確保できる、それがだれでも安心して暮らしていける社会ではないでしょうか。
 ところで、防衛関係費は四兆八千七百六十四億円と二〇〇三年度予算より一%のマイナスとなっていますが、弾道ミサイル防衛にまず千六十八億円が計上されるなど極めて問題です。そして、四十二兆円の税収の中で約五兆円の防衛費は余りにも多額です。昨年、イラク派兵の準備のためだけに二百四十一億円を使いました。復興支援の名目で合計約五千五百億円、五十億ドルを支出することになっています。
 防衛費や戦争のために多額の税金を使い、福祉を切り捨てていく今の政治の在り方は国民に不安を与え、生活を破壊しています。社会保障の充実こそが国民の将来不安を解消し、経済情勢に対する解決策となると思いますが、いかがでしょうか。
 年金制度改革についても、総理の施政方針演説ではほんの少ししか述べられていません。今回の政府案は、国民に対して安心を与えるものでは全くなく、年金制度に対して不信感を増幅させるものです。なぜ抜本改革を先送りにするのですか。
 次に、地方財政の三位一体改革についてお聞きをいたします。
 今回の改革では、裁量の余地が少ない義務的補助金の分ばかりが地方に移譲され、改革とは言えないものです。国と地方の役割分担に基づき、自治体の自主財源を充実させ、独自の施策を実施しやすくすることが本来の三位一体改革であるはずです。国の歳出削減を目指すための改革、負担を自治体や住民に押し付ける改革ではあってはなりません。どのようにお考えでしょうか。
 特に、総理が指示した一兆円の補助金改革の中で公立保育所運営費が一般財源化されました。一体、この一兆円の中身はどのような基準によって選ばれたのでしょうか。
 この間、障害者施策の一部などが一般財源化されてきましたが、その分の税源手当てが不十分で、地方の財政状況が苦しい中でそれがそのまま福祉の切捨てになっています。自治体も住民も悲鳴を上げています。これは非常に大きな問題ではないでしょうか。
 ところで、先日、環境に配慮した先進的な林業経営を意欲的に行っている三重県の民間林業の現場を視察してきました。しかし、経営は容易ではないということでした。
 森林・林業は、環境、地方における雇用創出、地方経済の活性化などに大きく寄与するものです。森林・林業対策を継続的に重要政策と位置付け、予算や税制上の優遇措置の抜本的な強化を図っていくべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 次に、女性政策に関してお聞きします。
 選択的夫婦別姓の導入や婚外子差別撤廃を盛り込んだ民法改正の実現を待ち望んでいる人が多くいます。一九九六年に法制審議会が答申を出してちょうど丸八年にもなります。国会にも、自民党を除く各党が幾度となく法案を提出しています。
 総理、民法改正を今か今かと待っている人々のためにも、是非実現に向けた決意をお聞かせください。
 配偶者暴力防止法の改正案を、今、参議院の共生社会に関する調査会で超党派で作っています。被害者の保護のために地域で活動しているシェルターへの財政支援は不可欠です。シェルターへの財政支援を含めたDV被害者の保護について、総理のお考えをお聞かせください。
 三月一日から派遣法の対象業務が製造業に拡大され、派遣労働者の更なる増加が見込まれます。一方で、育児・介護休業法の改正で、有期契約労働者についても対象としながら、契約期間を一年を超えるとするなどの制約が課されると言われています。このままでは、派遣労働の実態からも、実際には多くの派遣労働者は対象外となるおそれがあります。この点についてどうお考えですか。
 国連から勧告を受けたにもかかわらず、均等待遇も進んでいません。安心して子供を産み、女性も男性も育児をしながら働き続けられる権利を総理は一体どのように実現していくつもりなのでしょうか。
 最後に、司法制度改革と行刑改革についてお聞きします。
 裁判員制度の導入の前提としては、証拠開示の事前的全面開示と捜査の可視化が不可欠ですが、総理の見解をお聞きします。
 また、行刑改革会議について、昨年十二月、答申が出ました。その中には画期的な提言も含まれています。この提言にこたえて行刑改革に取り組んでいただきたいと考えますが、総理の決意をお聞きいたします。
 以上述べてまいりました。
 総理は、先ほど……

発言情報

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発言者: 福島瑞穂

speaker_id: 21055

日付: 2004-01-23

院: 参議院

会議名: 本会議