小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 福島議員にお答えいたします。
 イラクの問題でございますが、大量破壊兵器と武力行使についてのお尋ねでございます。
 イラクはかつて実際に大量破壊兵器を使用しており、その後も大量破壊兵器の廃棄は立証されておりません。米国によるイラクに対する武力行使は、安保理決議に基づきイラクの武装解除等の実施を確保し、この地域の平和と安定を回復するための措置として行われたものであり、国連憲章にのっとったものであります。我が国がこれを支持したことは正しかったと考えております。現在、イラク監視グループが引き続きイラクの大量破壊兵器を捜索しており、我が国としてもこれを注視していく考えであります。
 自衛隊撤退の条件でございますが、戦闘行為に当たるか否かについては、計画性、組織性、継続性等の観点から、攻撃の主体、対象や態様などを総合的に勘案して個別具体的に認定するものであります。自衛隊は、これまでの調査や各種の情報を踏まえ、非戦闘地域の要件を満たす区域において活動を行うものであります。万が一活動する場所で戦闘行為が行われるようになるなど、この要件を満たさない状況が生じた場合には任務を終了することになると考えます。
 イラク復興支援の適正な実施に関するお尋ねですが、我が国による支援に際しては、例えば十分な知見及び実績を有する専門機関を案件管理に活用することや、資金協力の供与先に報告書や会計報告を提出させることなどにより、我が国の供与資金が適正に活用されるようにしてまいります。
 イラクに関する取材の件についてですが、自衛隊の活動に対しては国民も大きな関心を有していると思います。これを正確に国民に理解していただくことが重要であります。そのためには、自衛隊員と取材者双方の安全を確保しつつ、一方、現場において混乱を来すことがないよう適切な取材、広報活動が行われる必要があると考えます。いずれにせよ、御指摘の取材、報道の自粛や定例会見の見直しについては、報道の自由や国民の知る権利を不当に制限するものではありません。防衛庁当局において、趣旨や目的について報道機関や国民の十分な理解を得ながら進めるべきものと考えております。
 劣化ウラン弾については、その有害性に関し、政府としては、これまでのところ劣化ウラン弾の影響により健康への被害が増加した事実を確認する情報は有しておりません。いずれにせよ、イラクへの自衛隊の部隊等の派遣に際しては、現地の具体的な状況に応じて、隊員の健康及び安全の確保には特に意を用いてまいるつもりでございます。
 イラク国民の要望と自衛隊派遣についてでございますが、自衛隊がイラクで行う復興支援活動は、イラク国民の要望にこたえ、その生活の改善と向上に直接貢献する人道復興支援活動であります。自衛隊は、そういう面につきまして十分今までも訓練なり研修をしてまいりましたし、また危険を回避する能力も持っております。また、既に世界各地の平和構築努力に積極的に参加した経験を有しており、地元イラク人からも評価を得られることができると私は考えております。
 社会保障についてでございますが、十八年度予算において、防衛費のことを云々されましたけれども、社会保障関係予算が一般会計予算の中で一番多いんです。増やしている部分も、社会保障関係予算と科学技術振興予算と中小企業対策予算だけです。あとは全部減額しているんです、防衛予算も含めて。そういう中で、社会保障関係費は対前年度比プラス四・二%の伸びを確保しております。
 年金改革につきましても、将来の負担が過大とならないようどうやって給付と負担の均衡を図っていくか、そういう持続可能な制度にしていかなくてはならないと思います。この具体的な案につきましては、その上限を国民に明らかにしていく、負担の上限ですね。そして、少なくとも給付の面におきましても、現役世代の平均的収入の五〇%の水準を維持していく。やはり給付と負担の均衡をどうやって図っていくかという仕組みが大事だと思っております。課題であります基礎年金の国庫負担割合についても引上げの道筋を示しております。持続可能な制度の構築に向けた大きな改正であると私は考えております。今後、この法案を本国会に提出することとしておりまして、その早期成立を是非ともお願いしたいと思います。
 三位一体の改革でございますが、一兆円の補助金改革と福祉の補助金についてのお尋ねがございました。平成十六年度に補助金については一兆円の廃止、縮減を行うこととしておりますが、これは国、地方を通じた行政のスリム化を推進するだけでなく、国の関与を縮小して地方の権限、責任を拡大することを目的とするものであります。地方にできることは地方にという原則の下に、数次にわたる閣僚折衝や政府、与党間での協議など、関係者の十分な議論、検討を経た上でその内容を決定したものであります。これは改革の第一歩として地方公共団体からも評価されております。
 公立保育所運営費については一般財源化したところですが、政府としては、待機児童ゼロ作戦を着実に推進しております。今後とも、公設民営の推進など、供給主体の多様化を図ることを通じ、質の高いサービスの効率的な提供を進めてまいります。
 なお、自治体が実施する障害者に対する相談支援事業については、地域の実情に即した弾力的な実施を促す観点から、十五年度予算において一般財源化したところですが、事業を実施する箇所数は一般財源化前と比較して増加しております。
 森林・林業でございますが、森林の整備を進めていくことは、地球温暖化を防止する上で、また山村地域の雇用促進等の観点からも重要であります。このため、緑の雇用により、森林整備の担い手の育成と地域への定住促進を図るなど、多様で健全な森林の育成に努めてまいります。
 選択的夫婦別氏制度の導入でございますが、これらの問題は、婚姻制度、また家族の在り方と関連する重要な問題であります。様々な議論が今までもございました。社会の変化を踏まえ、国民の意識動向に注目しつつ、各党の御議論をいただきまして、今後も対処していく必要があると考えます。
 DV被害者の保護についてでございますが、配偶者からの暴力による被害者の保護は、男女共同参画社会の重要な課題であります。今後とも、政府としては、民間シェルターに対する必要な財政措置を講じるほか、必要な情報提供や相談業務の充実など、被害者の保護のための施策を一層充実させてまいります。
 育児・介護休業法でございますが、この育児・介護休業制度は、育児、介護を行う労働者の雇用の継続を図ることを目的とした制度でありまして、今回の改正に当たっては、派遣労働者を含め、有期契約労働者のうち、相当期間雇用の継続が見込まれる者を育児休業、介護休業の対象に追加することとしております。
 このほか、待機児童ゼロ作戦の推進などにより、仕事と子育ての両立支援を総合的に推進してまいります。
 裁判員制度についてでございますが、裁判員に分かりやすく迅速な審理をするには、事前の十分な争点整理と、そのための証拠開示の拡充が必要であると考えます。いずれにせよ、捜査を始めとする刑事手続の在り方全般に影響する問題でありますので、専門家の間で十分な検討がなされるべきものと考えます。
 行刑改革についてでございますが、政府としては、御指摘の提言の趣旨を最大限尊重し、受刑者の人間性を尊重し、真の改善更生を図るとともに、刑務官の過重な負担を軽減し、国民に理解され受け入れられる行刑施設を作るべく、法改正も視野に抜本的な行刑改革に取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-01-23

院: 参議院

会議名: 本会議