大野功統の発言 (安全保障委員会)
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○大野国務大臣 防衛庁長官を拝命いたしました大野功統でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。本日は、小林委員長を初めとする委員の皆様に防衛庁長官として所信を申し上げたいと思います。
冷戦が終結して十年以上が経過いたしました。しかしながら、冷戦の終結は必ずしも平和の到来を意味しておりません。平成十三年九月十一日の米国同時多発テロの発生は、安全保障分野が新たな局面を迎えたことをあらわしております。
我が国に対する本格的な侵略の可能性は低下しておりますけれども、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、国際テロ組織の活動等、平和と安全に影響を与える新たな脅威や多様な事態への対応が、国際社会の差し迫った課題となっております。
本年、防衛庁・自衛隊は五十周年を迎えました。安全保障環境の変化に対応して、安全保障政策についても一つの節目を迎えております。
より実効性のある抑止を確保する観点から、さきの国会で事態対処法制関連七法及び関連三条約が成立、締結されました。我が国、そして国民の平和と安全にとって最も重大な武力攻撃事態における対処についての制度の基礎が、国会における活発な御議論と幅広い合意のもと、国民的な理解の深まりを受けて確立したことは大変有意義なことであります。
政府といたしましては、これら事態対処法制及び関連条約の成立等を受けた対処態勢の整備を図ってまいります。また、武装不審船、大規模テロ等のさまざまな緊急事態への迅速かつ的確な対処態勢の整備も図ってまいります。
現在、防衛庁は新たな安全保障環境を踏まえ、防衛力全般についての見直しを行っております。
即応性、機動性、柔軟性及び多目的性の向上、高度の技術力、情報能力を追求し、既存の組織、装備等の抜本的な見直し、効率化を図ることが重要であります。本格的な侵略への対応にも配意しつつ、我が国を含む国際社会の平和と安全のための活動に主体的、積極的に取り組み、テロや弾道ミサイルなどの新たな脅威等に実効的に対応できるような体制を整備しなくてはなりません。
今後、政府としては、安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書も踏まえて、本年中に新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を策定することとなります。防衛庁といたしましても、これまでの防衛力のあり方検討において行ってまいりました議論等も踏まえて、内閣官房を中心とした政府としての検討に積極的に取り組んでまいります。
大量破壊兵器の運搬手段となり得る弾道ミサイルへの対処は、我が国の防衛政策上、重要な課題であります。政府は、BMDシステム関連の経費を本年度予算に計上いたしました。このシステムは、弾道ミサイル攻撃に対し、我が国国民の生命財産を守るための純粋に防御的で、かつ、他に代替手段のない唯一の手段として、専守防衛の理念に合致するものであります。
我が国としては、大量破壊兵器及び弾道ミサイルの拡散の防止に努力するとともに、弾道ミサイル防衛について、今後とも透明性を確保しつつ、国際的な認識の共有を広げ、米国とも一層の協力を行ってまいります。
日米安全保障体制は、我が国の安全やアジア太平洋地域の平和と安定のために引き続き重要な意義を有しております。我が国としても、日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2や日米防衛首脳会談など、各レベルにおける平素からの緊密な協議等を行い、日米安全保障体制がより有効に機能し、その実効性が向上するよう引き続き努めることが重要であります。
在日米軍の兵力構成見直しについては、二十一世紀の国際情勢に適応した我が国の安全の確保と、沖縄等の地元の過重な負担の軽減を図る観点から、政治のリーダーシップのもと、日米間の戦略的な対話を進め、我が国として受け身ではなく、主体的に取り組んでまいります。
また、全国の在日米軍専用施設・区域の約七五%が集中している沖縄県民の御負担を軽減するため、SACO最終報告の着実な実施に向け、引き続き真剣に取り組む所存であります。
北朝鮮の核問題については、我が国は重大な懸念を有しております。今後、六者会合の中でどのように解決されるべきか、また米韓を初めとする関係諸国と一層の連携を図りつつ、問題解決に向け、毅然たる対応をしてまいります。
現在、自衛隊は、インド洋等においてテロ対策特措法に基づく協力支援活動を、ゴラン高原において国際平和協力業務を、そして、イラク等においてイラク人道復興支援特措法に基づく人道復興支援活動等を、それぞれ実施いたしております。
先般訪日されましたイラクのハッサーニ・ムサンナ県知事は、私との会談の中で、「私は、イラクで任務を遂行している自衛隊員を、我々の子供や客人と同じように感じており、イラクの子供も自衛隊員を自分たちの友人だと話している。」「自衛隊をサマーワにお迎えしていることを幸運に感じている。」と述べられ、自衛隊に対する感謝の意を表されました。
このように、海外におけるこれら自衛隊の活動は、国際社会全体の平和と安全に資するものであり、広く内外から高い評価を得ております。我が国が、国際社会の一員として、国際的責務を果たしていくことは当然のことであり、防衛庁としても、国際社会の平和と安全のための活動に主体的、積極的に取り組んでまいります。
政治の要諦は、国の安全と平和を守ることであります。国政における防衛の重要性にかんがみ、防衛庁の省移行につきましては、政治の場において議論され、早期に実現が図られますことを期待いたしております。
自衛隊が我が国の防衛という任務を適切に遂行するためには、国民の理解と協力は欠かすことができません。我が国独自の防衛努力と日米安全保障体制の堅持とを基軸とする我が国の安全保障構想を国民に明確に提示するとともに、こうした構想を実現するための法制度、予算、装備について、主権者たる国民に対して説明責任を果たしてまいる所存であります。
小林委員長を初め委員各位の一層の御指導と御鞭撻を賜りますよう、心からよろしくお願い申し上げまして、所信表明を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)