枝野幸男の発言 (憲法調査会)

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○枝野委員 二度目になって恐縮でございますが、保岡先生から憲法委員会の御発言がございましたので、念のために発言をさせていただきたいというふうに思います。
 EUの、特にフィンランドあるいはEU議会の憲法委員会についてお話を伺ってまいりまして、大変いい制度であると私は個人的には受けとめてまいりました。
 何がいい制度であるかというと、行政に憲法解釈の権限、事実上の権限を持たせずに、議会がしっかりと憲法についての一次的な判断をしている。いずれも最終的には裁判所が憲法判断の最終決定機関であるのは、どういった制度であれ、立憲主義のもとでは変わりありませんけれども、裁判所が判断をするのは事後的でありますので、法律制定に当たって、あるいは行政行為がなされるに当たって憲法の適合性をどこがチェックをするのか。
 残念ながら、日本は、行政の内部である内閣法制局が事実上、憲法判断の場になってしまっておりまして、内閣法制局判断が、一行政機関の判断でありながら、にすぎないにもかかわらず、金科玉条のように使われてしまっているというゆがんだ状況にあります。それに比べて、民主的なコントロールを受けている議会の中に憲法の一次的な判断の部局を置くということの意味で、フィンランド、あるいはEUの憲法委員会もそうした側面を持っているかというふうに、ここは追加、補充調査を現地の高官の方にお願いをしてきておりますが、少なくともフィンランドではそうした機能を果たしている。こうした役割というのは、我が国の、特に戦後五十年間の憲法議論、憲法解釈のゆがみであるとか行き詰まりというものを考える上で大変重要であるというふうに感じてまいりました。
 したがいまして、憲法の常設委員会を置くのであるならば、何よりもまず、内閣法制局から議会が憲法判断の一次チェック機能を奪うということが主たる目的にならなければいけないということを強調しておきたいというふうに思います。
 それから、せっかく発言の機会をいただきましたので、重ねて、先ほど田中議員の方から、会長からもお話がありましたけれども、国民投票について私の受けた印象を申し上げますと、EU憲法に対する国民投票をするかしないかということの各国の判断は、各国の法制とのかかわりと、それからもう一つは、EU憲法の意味づけを国内政治的にどういうふうに置くことがいいのかということで国によって分かれているのかなという印象を受けました。フィンランドとスウェーデンはいずれも国民投票をしませんが、会長の最初の御報告にもあったとおり、それぞれ、位置づけ、国内的な受けとめ方が違っているようでありまして、そうしたことが各国間にあって、それが国民投票をする、しないという判断につながっているのかなというふうに私は理解をしてまいりました。
 ちょっと別の視点から、国民投票について気になりましたのは、EU憲法の国民投票が行われる国々で、いずれも、他の内政問題、特に現状の政府に対する批判でEU憲法に対して否定的な票がふえるのではないか、そういう心配を複数の方がしておられました。つまり、提案をするのは事実上、政府になりますから、その政府が信任を受けていない政府であると、EU憲法自体はいいものであると思っていても否定的な票がたくさん出て否決されるリスクがあるという危惧を複数の方がおっしゃっておりまして、これは、将来的に我が国でさまざまな、憲法を含めて国民投票制度を入れるに当たって、国民投票をするときに、その個別のテーマについての国民の意思を問うということと、政府に、政権に対する信任を問うということとが混在化しないように、ごちゃごちゃにならないような仕組みをつくりませんと、いろいろややこしいことが起こるのかなという、直観的な印象ですけれども、受けて帰ってまいりました。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 枝野幸男

speaker_id: 10425

日付: 2004-10-14

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会