小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 岡田議員にお答えいたします。
 内政、外交上の重要課題の優先順位についての御質問であります。
 私は、構造改革なくして日本の再生と発展はないとの信念のもとに、構造改革を断行し、個人や企業の挑戦する意欲と地方の自主性を引き出し、自信と誇りに満ちた活力ある社会を築くとともに、国際社会の一員として世界の平和と安定に積極的に貢献していく考えであります。
 郵政の民営化は、構造改革を進めるに当たり、行財政改革や経済の活性化の観点から極めて重要な方策であります。
 これに加え、御指摘の内政、外交のさまざまな案件は、いずれも重要な課題と考えており、年金を含む社会保障制度、金融、税制、規制、歳出の改革の推進や、日米同盟と国際協調を基本とした国益と国民の安全を守る主体的な外交政策の推進など、内閣を挙げて全力で取り組み、最善を尽くしてまいります。こうした考えについては、私の所信表明演説において述べたとおりであります。
 国会における議論についてでございます。
 私は、国会での議論などを通じて、小泉内閣が進めようとしている改革や政策について国民の理解が得られるよう、今までも努力してまいりました。具体論を進めようとしますと、何事にも賛否両論があります。反対の立場から見れば御不満もあるとは思いますが、国会での議論などを通じて、広く国民の理解と協力を得られるように引き続き努力していく考えであります。
 野党も、積極的に政策を提言していただくことは歓迎いたします。国会におけるさまざまな場において、批判論や反対論だけでなく建設的な政策論をしていくことが、お互い切磋琢磨していく上で重要なことだと私も考えております。
 米国の単独行動主義と我が国の対応についてでございます。
 米国が単独行動主義をとっており、国際協調路線へ引き戻す必要があるとの御指摘ですが、米国政府は、テロや大量破壊兵器の拡散といった国際社会の重要な課題につき、同盟国等と協議、協調しながら取り組んできております。また、我が国は、米国に対して、国際協調の重要性につき随時強調してきております。
 国連憲章の理念と米国の先制攻撃、単独行動主義との関係についてでございます。
 国連憲章のもとでは、一般的に武力の行使が禁止されていますが、自衛権の行使に当たる場合や安保理の決定がある場合には武力の行使が認められております。御指摘の先制攻撃については、我が国として他国の国際法解釈につき有権的な評価をする立場にはありませんが、いずれにせよ、米国は国連憲章を初めとする国際法上の権利及び義務に合致して行動しているものと考えます。
 事実誤認に基づいてイラク戦争を支持したのではないかとのお尋ねです。
 我が国が対イラク武力行使を支持したのは、イラクが十二年間にわたり累次の国連安保理決議に違反し続け、また、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしなかったとの認識に基づくものであります。この点は、平成十五年三月二十日の内閣総理大臣談話において述べたとおりであります。したがって、対イラク武力行使に対する支持が過ちであったとの御指摘は当たりません。
 日米同盟と日本の国益、日米安保条約との関係でございます。
 私は、ブッシュ大統領との間で、世界の中の日米同盟を強化していくことで一致しております。これは、日米同盟関係のもと、日米両国が世界におけるさまざまな問題の解決に世界の国々と協調しながら取り組んでいることを踏まえまして、このような協力関係をさらに強化していくことを確認したものであり、我が国の国益に合致するものと考えております。このような同盟関係は、日米安保条約に基づく協力に限られたものではなく、日米安保条約上の権利義務関係は何ら変更されておりません。
 在日米軍の兵力構成のあり方と日米地位協定の見直しについてでございます。
 在日米軍の兵力構成の見直しに関しては、抑止力を維持しつつ、沖縄等地元の過重な負担の軽減を図る観点から、米側との協議を進めてまいります。また、日米地位協定につきましては、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考えのもと、運用の改善に努力しているところであります。
 年金制度の与野党協議についてでございます。
 御提示された三点については、これまで民主党が提案されていた最低保障年金との関係など、必ずしも明らかではない点もありますが、いずれにせよ、全額税方式の基礎年金と生活保護をどう調整するのか、年金の財源としての保険料や税の組み合わせをどうするのか、消費税を財源とするのは基礎年金のみとするのか、医療、介護についても対象とするのか、国民年金対象者に対する二階建て部分をつくることは事業主負担がないため保険料負担が従来より大きくなることをどう考えるのか、納税者番号制の導入により所得の公平な捕捉がどこまで可能かなど、さまざまな論点を抱える難しい問題であります。
 政府としては、経済界や労働界などの参加を得ながら、こうした問題について幅広く議論を現在進めておりますが、いずれにしても、これらの問題に答えを出すためにも、さきの通常国会において自民党、民主党、公明党三党が合意をしたわけであります。連合の笹森会長も述べているとおり、民主党は、国民的観点から真摯な政党間協議を行い、国民に対する政党の責任を果たすべきであり、早急に与野党協議を開始することが必要であると考えております。(拍手)
 地方の改革案の実現に向けて各大臣を指導すべきではないか、十八年度以降を含めた三位一体改革の全体像を早急に示すことが必要ではないかとのお尋ねでございます。
 私は、地方にできることは地方にとの理念のもとに、総論賛成の議論を具体化するため、国の補助金を削減し、国から地方への税源移譲を進め、同時に地方交付税を見直す三位一体の改革を進めてまいりました。
 三位一体の改革については、先般、関係大臣に、地方団体の補助金改革案を真摯に受けとめて積極的に取り組むように明確に指示したところであります。現在、関係大臣は、私の指示に従い、地方団体との協議等、改革の具体化に向けさまざまな検討を進めているところであり、いずれにしても、年内には、今年度の一兆円に加え、来年度からの二年間に行う約三兆円の補助金改革、税源移譲、地方交付税改革の全体像を決定いたします。
 十八年度以降の三位一体改革については、決定された十七、十八年度の改革の成果を見きわめた上で判断する必要があると考えております。
 郵政民営化と三百五十兆円の資金運用等についてでございますが、郵政民営化については、先月、基本方針を閣議決定したところであり、今後、これに基づいて具体的な制度設計を進めてまいります。
 まず、民営化法人が三百五十兆円の資金を運用できるかとのお尋ねでありますが、郵政民営化は、国民の貯蓄を経済の活性化につなげるために、資金の流れを官から民へ構造改革するものであり、このような改革の趣旨にかんがみれば、民営化後の郵便貯金会社、郵便保険会社が市場経済の中でみずからの責任と経営判断によって資金運用を行うことにこそ意義があると思っております。
 今後、具体的な制度設計、法案化に当たっては、民営化時点における既契約分に係る資産運用についてこれまでと同じように安全性を重視するとともに、民間金融機関への影響、追加的な国民負担の回避、国債市場への影響を考慮した適切な資産運用を行いますが、厳密な資産負債総合管理のもとで貸し付け等も段階的に拡大できるように検討してまいります。
 民間による株式保有がなされるまでは新分野進出の制限等を図るべきではないかとの御質問でありますが、基本方針においては、例えば、郵便貯金会社、郵便保険会社については特例法を時限立法で制定し対応するなど、イコールフッティングの度合いや国の関与のあり方等を勘案しつつ、業務内容、経営権に対する制限を緩和していくこととしております。
 この基本方針を踏まえ、郵政民営化の制度設計、法案化を進めるに当たっては、当然のことながら、官から民への改革の趣旨に反して民業圧迫となることのないよう配慮してまいりますが、他方で、郵政民営化に当たっては、現在、郵便局ネットワークを通じ提供されているサービスを廃止縮小するという方向ではなく、国民の貴重な資源を最大限活用するという方向で検討すべきであると考えております。
 また、郵便貯金会社、郵便保険会社が財投債を買い続け、特殊法人の整理合理化が進まないのではないかとのお尋ねでございます。
 先ほど申し上げた官から民への資金の流れの改革の趣旨からいって、財投改革に係る経過措置を除き、民営化後の郵便貯金会社、郵便保険会社が財投債を制度的に買い続けるということはあり得ません。
 特殊法人等については、改革対象となる百六十三の法人について、平成十三年十二月に策定した特殊法人等整理合理化計画に沿って改革を進めておりまして、既に八割強について廃止、民営化、独立行政法人化等の措置が講じられ、財政支出を一兆四千億円削減する等の成果が上がっており、今後とも改革を着実に進めてまいります。
 日歯連の献金問題についてでございます。
 私は、政治資金をめぐる不祥事が後を絶たないということについては厳しく受けとめております。政治家が政治資金を受け取る際には、政治資金規正法にのっとって適正に処理されなければならないのは言うまでもないことであり、まず、政治家一人一人が法律を守らなければならないことは当然であります。
 日歯連の事件については既に裁判手続にかけられているところでありますが、およそ政治家たるものは、人から言われるまでもなく、みずからの問題についてきちんと説明することが重要であると考えます。また、国会における証言の取り扱いについては、国会において決めるべきことでありまして、各党各会派において十分議論していただきたいと考えます。
 日歯連の献金問題についての事実解明についてでございますが、御指摘の政治団体間の資金の移動については、既に、政治資金規正法上、報告書記載義務が課され、透明性が求められているところであります。この点について、自民党としては、政治資金規正法にのっとって適正に処理することとしているところでありまして、組織ぐるみのやみ献金との指摘は当たりません。
 いずれにせよ、政治に対する国民の信頼は改革の原点であり、信頼の政治の確立を目指して政治改革に取り組んでまいります。
 政治資金規正法の改正についてでございます。
 基本的には、政治資金を広く、薄く、公正に得るとともに、その透明性を確保するための明確なルールをつくり上げる必要があると考えます。
 具体的な改正案については、現在、自民党内において議論が行われているほか、与党の公明党、さらには民主党の改正案など、さまざまな考え方があるところであり、幅広い理解が得られる内容となるように、各党各会派間でさらに議論を深めるべきものと考えます。こうした議論を踏まえつつ、政府としても必要な検討を進めてまいります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 116105254X00220041013_004

発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-10-13

院: 衆議院

会議名: 本会議