小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 鳩山議員に答弁する前に、岡田議員から再度答弁要求がございましたので、答弁いたします。
三位一体の改革の実現に向けて各大臣等を指導する意思があるかとのお尋ねでございますが、私は、三位一体の改革については、既に関係大臣に、地方団体の補助金改革案を真摯に受けとめて積極的に取り組むように明確に指示したところであります。現在、関係大臣は、私の指示に従い、地方団体との協議など、改革の具体化に向けさまざまな検討を進めているところであります。
橋本氏らの関係者が国民に納得できるだけの場所と内容で説明責任を果たすよう説得する意思があるかというお尋ねでございますが、この点については、橋本氏に限らず、およそ政治家たるものは、他人から言われるまでもなく、みずからの問題についてきちんと説明することが重要であると考えております。また、国会における証言等の取り扱いについては、国会において決められるべき事柄であり、各党各会派において十分議論していただきたいと考えます。
鳩山議員に答弁いたします。
我が国の外交に関する理念、戦略についてでございます。
我が国の外交の目標は、何よりも我が国及び我が国国民の安全と繁栄を確保することにあります。この目標の実現のために、私はこれまで、その時々の国際情勢のみならず、中長期的観点に立った理念、戦略をも念頭に置き、外交を展開してきております。今後とも、日米同盟と国際協調を外交の基本として、我が国の国益の追求に最善を尽くす考えであります。
安保理改革に関する質問でございます。
私が国連での演説で述べたとおり、近年の国連、安保理の活動は多岐にわたり、国際の平和と安全を実現するために包括的な取り組みが必要となっております。その中で、憲法のもとで行ってきた我が国の貢献は高く評価されており、これは我が国が安保理常任理事国たるにふさわしい確固たる基盤となっていると考えております。
常任理事国入りと憲法改正に関する御質問でございます。
町村外務大臣は、我が国の常任理事国入りについて、現行憲法の枠内で可能であるとの認識を明確に述べたと承知しております。これは、我が国政府が一貫して表明してきている、憲法の範囲内で常任理事国としての責任を果たしたいとの立場と何ら違うところはないと考えております。
不正確な情報に基づきイラク攻撃を支持したのではないかとのお尋ねでございます。
我が国は、イラクが累次の国連安保理決議に違反し続け、また、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえなかったとの認識のもとで、自主的な判断に基づき武力行使を支持したのであり、御指摘は当たりません。
イラク戦争の結果、中東諸国との関係が危うくなっているのではないかとのお尋ねでございます。
原油輸入の九割弱を依存する中東諸国との友好関係は、我が国にとって重要であります。こうした観点から、我が国は、中東諸国とも連携を図りながらイラク復興支援を進めるとともに、中東和平問題に積極的に取り組んでおります。また、経済等各分野の関係強化に加え、中東諸国との文化交流、文明間の対話も推進し、中東諸国からも高い評価を得ていると思っております。
自衛隊のイラク派遣についてでございます。
イラクの復興は道半ばであり、我が国としては、我が国にふさわしい分野において引き続き復興に積極的に貢献することが重要であると考えております。自衛隊のイラク派遣の基本計画では、派遣期間が本年十二月十四日までとされておりますが、その後どうするかについては、イラク復興の状況、現地治安情勢等を総合的に検討して、適切に判断してまいりたいと考えます。
在日米軍の兵力構成見直しについてでございます。
政府としては、在日米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄等地元の過重な負担の軽減を図る観点から、米側との協議を進めてまいります。
いずれにせよ、本件見直しは、現行の日米安保条約の枠内で行われるものであり、日本国憲法との関係でも問題の生じるものではないと思っております。
新たな防衛計画の大綱の策定についてでございます。
我が国は、自国の安全と繁栄を確保するためにも、今後、国際社会の平和と安定のために主体的、積極的に取り組む必要があると考えております。また、既存の態勢、装備等の抜本的な見直し、効率化を図りながら、テロや大量破壊兵器の拡散などの新たな脅威への対応について着実に取り組んでいく必要があります。
今般、安全保障や経済分野の有識者から成る安全保障と防衛力に関する懇談会における五カ月間に及ぶ議論と検討の成果を踏まえた報告書が提出されました。今後、この懇談会の提言を踏まえつつ、国会における議論や日ごろの友好国との安全保障に関する意見交換などを参考にして、新たな防衛計画の大綱を策定し、将来に向けての安全保障政策と新たな安全保障環境に対応する柔軟な防衛力を構築していきたいと考えます。
ヘリ墜落事故についてでございます。
今回のような事故の発生は極めて遺憾であり、事故後直ちに、米側に対して、徹底した事故原因の究明と再発防止に全力を挙げるよう求めるとともに、各省庁に対して、内閣一体となった取り組みを行うよう指示いたしました。八月二十五日には稲嶺知事と会談し、事故の状況と地元の要望について改めて詳細な説明を受けております。
その後、日米合同委員会のもとに新たな分科委員会を設置して、事故発生時における対応について日米間の協議の仕組みを充実させるとともに、沖縄危機管理官の設置など政府一丸となった取り組みを確保する体制の整備を図っております。
米軍海兵隊のヘリの事故及び日米地位協定についてでございます。
政府としては、日米地位協定については、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考えのもとに、運用の改善に努力しているところであります。今回の事故の際の現場での対応を検証し、問題があった点について改善を図っていくべく、日米間で話し合っているところであります。
米国産牛肉の輸入再開問題についてでございます。
我が国として、消費者の食の安全、安心の確保が何よりも重要と考えております。政府としては、こうした観点から、食品安全委員会や関係省庁のBSEに対する国内措置の見直しを踏まえ、米国と協議を行っていく考えであります。
日中関係でございます。
日中間では人的交流や経済関係が拡大しております。また、昨年の三度にわたる日中首脳会談では、胡錦濤国家主席を初め、中国側から対日関係重視の姿勢が示され、先般のASEMの際にも、温家宝総理との間で日中関係の重要性につき改めて認識を共有しております。今後とも、幅広い分野での協力を強化し、未来志向の日中関係を発展させていく考えであります。
拉致問題についてでございます。
拉致問題は我が国国民の生命と安全にかかわる重大問題であり、安否不明の被害者に関する真相解明は喫緊の課題であると思っております。先般の日朝実務者協議における北朝鮮側の回答は不十分であり、今後、再調査の迅速な進展とその結果の速やかな提示につき、引き続き北朝鮮側に働きかけていく考えであります。
北朝鮮に対する経済制裁についてでございます。
安否不明者に関する真相究明のため、対話と圧力の考えに立って、北朝鮮側から早急に具体的な情報を得るべく、そのための方策につき鋭意検討を行っております。経済制裁も可能な手段の一つではあると思っておりますが、まず経済制裁ありきというのではなく、北朝鮮側が拉致問題等につき誠意ある対応をとるよう粘り強く働きかけていきたいと考えております。
いわゆる特定失踪者問題についてでございます。
これまでに政府が認定している拉致被害者以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案があることから、関係省庁が所要の捜査や調査を実施しております。その結果、北朝鮮による拉致行為があったとするに足りる情報が確認された場合には、当該者を拉致被害者として認定し、北朝鮮側に対し安否確認等を求めていく考えであります。
米国の北朝鮮人権法案についてでございます。
この法案は、いまだ大統領の署名を得ておらず、法律として成立していないと承知しておりますが、拉致問題を含めた北朝鮮に関する人道上の諸問題に対するアメリカ議会の強い関心のあらわれであると考えております。
拉致問題の解決のための政府の取り組みについてでございます。
これまでも、拉致問題を日朝間の諸懸案の最優先課題と政府は位置づけ、北朝鮮に対して、事態の解決を図るよう、対話と圧力の考えに立ち、働きかけてまいりました。また、安否不明になっている方々に関する国内外での調査を進めるなど、その解決に向けて、拉致問題に関する専門幹事会を中心に全力で取り組んでおります。
今後の取り組み体制については、拉致問題の解決に向けて政府一体となった取り組みを確保する見地から、状況を見きわめながら適切に判断してまいりたいと考えます。
ファン・ジャンヨプ氏の招聘についてでございます。
ファン・ジャンヨプ氏招聘については、政府として引き続き、国会等の要請を踏まえ、同氏との間で必要な連絡等を行っていく考えであります。
北京での脱北者事案についてでございます。
北京日本人学校に侵入した脱北者と見られる二十九名については、九月一日の事案発生以来、我が方在中国大使館に所在していました。五名については、健康上の理由から、人道的観点より、既に中国から出国しました。政府としては、残りの人々について、引き続き、中国政府に対し人道的な観点からの速やかな措置を求めていく考えであります。
いわゆる元在日朝鮮人の脱北者による再入国及び難民申請についてでございます。
過去に我が国に在住した経験を有する者も含め、我が国の在外公館に対して庇護を求める者が外国人である場合は、人道上の観点も踏まえ、個々の事案に係る事情を具体的に検討した上で対応してきております。なお、難民申請を行うには当該者が国内にいる必要がありますが、申請があれば、難民条約にのっとり、個別に審査の上、判断することになります。
シベリア抑留者問題及びサハリン残留韓国人問題についてのお尋ねでございます。
政府としては、シベリア抑留者の御労苦がなお心の痛みとして残されていると認識しており、平和祈念事業特別基金による事業を推進してきており、今後とも誠意ある対応をしてまいります。
また、サハリン残留韓国人問題については、本件の歴史的経緯を踏まえ、人道的観点からサハリン在住者に対する支援を実施してきており、今後も種々の支援事業に取り組んでいく考えであります。
北方領土問題についてでございます。
明二〇〇五年は、日露修好百五十周年という歴史的に重要な節目の年であります。来年初めのプーチン大統領の訪日に向け、幅広い分野での協力を進めるとともに、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を早期に締結するという一貫した方針のもとに、プーチン大統領との間で、平和条約交渉を具体的かつ実質的に前進させるべく精力的に取り組んでいく考えであります。
ロシア関係者の先制攻撃に関する発言についてでございます。
我が国としては、ロシアがこれまでテロとの闘いに毅然として対応してきたことを支持しております。先制攻撃についてロシア政府関係者が種々発言していることは承知しておりますが、発言の趣旨、背景等が明らかでない中で発言の一つ一つにコメントすることは控えたいと思います。ロシア側の今後の動向を注視したいと考えております。
アフガニスタン支援における選挙監視及びNGOの活動についてでございます。
アフガニスタンで活動する我が国NGOについては、これまでも、NGO支援無償等による支援を行うほか、同国における具体的支援や安全対策のあり方についても意見交換等を重ねてきております。今後とも、現地の治安情勢を踏まえつつ、選挙監視やNGO活動について意見交換等を継続してまいります。
京都議定書の約束達成についてでございます。
京都議定書の六%削減約束を確実に達成するため、本年度行う地球温暖化対策推進大綱の評価・見直しの結果を踏まえ、各種の温室効果ガスの排出抑制対策、吸収源対策、京都メカニズムの活用など、必要な追加的対策、施策を講じてまいります。
京都議定書の批准に関する米国への働きかけについてでございます。
かねてより、日米首脳会談を初め、気候変動に関する日米ハイレベル協議などさまざまな場で、京都議定書に関する我が国の考え方を申し入れてきております。先月の国連総会の際の日米首脳会談においては時間的な制約のため京都議定書については取り上げておりませんが、その後のロシアでの進展等を踏まえ、先週の日米外務大臣会談で、京都議定書加入に向けた再検討を要請しております。
以上でございます。(拍手)
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