小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 横路議員にお答えいたします。
 経済の現状についてのお尋ねです。
 日本経済は、地域や企業間で格差があるものの、個人消費、設備投資を中心に、民間主導で堅調に回復しております。失業率は、ピークの五・五%から四・八%へ低下し、有効求人倍率も、十一年ぶりの高水準、〇・八三となっております。賃金は横ばいで推移していますが、家計の消費は緩やかに増加しております。
 引き続き、個人や企業の挑戦する意欲と地方の自主性を引き出すための改革に全力を挙げ、民間需要主導の持続的な経済成長を図り、改革の成果を地域や中小企業にも広く浸透させてまいりたいと思います。
 小泉改革が目指す社会についてでございます。
 私が進める構造改革は決して弱者を切り捨てるものではございません。自助と自律の精神のもと、国民一人一人や企業、地域が主役となり、努力が報われる、安心して再挑戦できる、自信と誇りに満ちた明るい社会の実現を目指すものであります。
 これまで、雇用・中小企業のセーフティーネットの確保に万全を期すとともに、一円の資本金でも会社を起こせるようにするなどの新規起業の促進策、構造改革特区、都市再生など地方の意欲や挑戦を尊重した地域経済の活性化策、持続的な制度の構築に向けた社会保障制度改革に取り組んでまいりました。
 引き続き、改革を進めて、地域や多くの国民が持っている潜在力が自由に発揮されるような活力ある経済社会の構築に向けて全力で取り組んでまいります。
 自殺者、ホームレス、生活保護受給世帯の増加についてでございます。
 これらの増加につきましては、バブル崩壊後の長期にわたる我が国経済の低迷が大きな要因の一つとなっていると考えております。政府としては、精神面、経済面で問題を抱えた方々が勇気と誇りを取り戻して再び安定した生活を送れるよう、それぞれの方の実情に応じたきめ細やかな自殺予防対策の推進と自立・就労支援対策の強化に努めていく考えであります。
 三位一体の改革について、厚生労働省及び地方団体の提案についてでございます。
 三位一体の改革につきましては、関係大臣に対し、地方が活発な議論を重ねてまとめられた改革案を真摯に受けとめ、積極的に各論、具体論を出して議論を深めて、改革案の実現に向けて率先して責任を持って取り組むよう指示しております。
 現在、関係大臣は、私の指示に従い、地方団体との協議等、改革の具体化に向けさまざまな検討を進めている過程でありまして、この結論が出るまでにはさまざまな議論が行われると思いますが、いずれにしても、年内には、今年度の一兆円に加え、来年度からの二年間に行う約三兆円の補助金改革、税源移譲、地方交付税改革の全体像を決定いたします。
 パートタイム労働者の待遇と社会保険の適用拡大でございます。
 パートタイム労働者の待遇については、正社員との格差拡大に対応するために改正したパートタイム労働指針に基づき、正社員との均衡処遇の確保に努めてまいります。
 また、短時間労働者への厚生年金などの適用のあり方の見直しにつきましては、社会経済の状況、短時間労働者が多く就業する企業への影響等を十分踏まえる必要があります。
 今回の年金改正法においては、短時間労働者に対する厚生年金の適用について、法律の施行後五年を目途として総合的に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとしたところであり、この規定を踏まえつつ、社会保険の適用のあり方の見直しについて検討を進めてまいります。
 長時間労働の抑制、休暇の取得促進についてでございます。
 長時間労働を抑制し、休暇の取得を促進することは、人々が生き生きとした生活を送るために極めて重要であると認識しております。このため、長時間にわたる時間外労働の抑制を図るための指導監督や、年次有給休暇の取得促進に向けた事業主団体による自主的な活動の支援などの対策を進めてまいります。
 国民の年金不信に対する見解でございます。
 公的年金制度は、高齢期の生活の基本的な部分を支える役割を果たしており、将来にわたり持続可能な制度とするため、長期的な給付と負担の均衡を確保する必要があります。さきの通常国会で成立した改正年金法は、こうした課題に真正面から取り組んだものであり、政府としては、その内容を国民に対し引き続き意を尽くしながら説明し、着実な施行に努めているところであります。
 現在、政府においては、経済界、労働界などの参加を得ながら、年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的見直しについて幅広く議論を進めております。今後とも、こうした議論を通じ年金制度に対する国民の信頼を高めていくよう努力してまいります。
 年金制度の一元化についてでございます。
 従来から、基礎年金制度を導入するとともに、旧三公社及び農林共済の厚生年金への統合などを順次進め、被用者年金の統一的な枠組みの形成を図っているところであります。
 御指摘の国民年金と被用者年金を通じた一元化につきましては、さまざまな形の所得をいかに公平に捕捉するのか、給付と負担の適正な水準はどうあるべきか、事業主負担のあり方など、さまざまな難しい論点があります。このため、政府においては、社会保障の在り方に関する懇談会において、社会保障制度の一体的見直しとともに、こうした年金の一元化問題についても幅広い議論を行っていただいております。
 基礎年金の国庫負担引き上げ財源については、さきの通常国会で成立した年金改正法の附則において、平成十六年度から着手し、平成十七年度及び平成十八年度において所要の税制上の措置を講じた上で適切な水準まで引き上げ、平成十九年度を目途に所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、平成二十一年度までに国庫負担を二分の一に引き上げるとの道筋が法律上明記されました。これに伴う税制面の対応については、昨年末の与党税制改正大綱を踏まえ、個人所得課税、消費税を中心に税制改革に取り組んでまいります。
 年金制度改革の与野党協議についてでございます。
 提示された三点については、これまで民主党が提案されていた最低保障年金との関係など、必ずしも明らかではない点もありますが、昨日の答弁でもお答えしましたとおり、全額税方式の基礎年金と生活保護との調整、年金の財源としての保険料や税の組み合わせのあり方、年金のみならず社会保障全体の財源のあり方、事業主負担のない国民年金対象者の負担のあり方、所得の公平な捕捉など、さまざまな論点を抱える難しい問題であります。
 これらの問題に答えを出していくためには、国民的な見地から幅広い議論を行う必要があると思っております。このため、私は、これまで民主党に対し、三党合意を踏まえて早急に与野党協議を開始するよう呼びかけてまいりました。
 連合の笹森会長が、民主党は独自案と国会対策に固執せず、どうしたら国民のための制度が早く確立できるかを考え、真摯な政党間協議を行い、国民に対する政党の責任を果たすべきではないかと述べております。
 この際、改めて民主党に対し、国会で約束した合意を尊重して真摯な与野党協議を行うよう求めてまいりたいと思います。(拍手)
 なお、私が在任中消費税増税はしないと言ったことに対して、無責任だと批判されておりますが、私は、二年以内に消費税を上げるということの方がはるかに無責任だと思っております。私は、あと二年の間に消費税を引き上げる環境にはないと思っております。まずは、消費税引き上げではなく、行財政改革に徹底的に取り組むのが私の任務だと思っております。この二年の間に消費税を引き上げる環境にないと見ているから、議論は大いに結構であるが、今後とも大いに議論をしていただきたいと思います。
 情報の開示についてでございます。
 平成十五年の合計特殊出生率につきましては、公表までの事務処理が不適切であったことはまことに遺憾なことであったと考えております。年金制度に対する国民の信頼と理解を得る上で、正確な情報の迅速な公開は重要であり、今後とも一層の情報公開に努めてまいります。
 無年金障害者の問題についてでございます。
 年金を受給していない障害者の方々への対応については、さきの通常国会において、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案が議員立法として与党から提出され、また、無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案が民主党から同じく議員立法として提出され、それぞれ継続審議となっていると承知しております。
 両法案については、在日外国人の方を対象にするかどうか等について相違点がありますが、いずれにせよ、これらの法案の扱いについては、今後、立法府において議論が進められていくものと考えます。政府としても、国会での審議状況等を踏まえ、適切な対応を図ってまいります。
 社会保険庁の現状についてでございます。
 現在、民間から迎えた長官のもとで改革を進めております。予算執行の適正化の問題については、予算執行上のむだを排除するとともに、その透明性を確保するための競争入札の徹底などの取り組みを進めてまいります。
 また、社会保険庁職員一人一人が自分たちの職責を十分に自覚しつつ業務に取り組めるよう、職員の意識改革のための取り組みを進めるなど、官房長官のもとに設置した有識者会議の御意見を踏まえ、親切、迅速、正確な国民本位のサービスの実現に向けて、業務や組織の抜本的な見直しを進めてまいります。
 政治と金の問題についてでございます。
 政治家が政治資金を受け取る際には、政治資金規正法にのっとって適正に処理されなければならないのは言うまでもないことであります。まず、政治家一人一人が法律を守らなければならないことは当然であります。
 日歯連の事件については、既に裁判手続にかけられているところでありますが、およそ政治家たるものは、他人から言われるまでもなく、みずからの問題についてきちんと説明することが重要であると考えます。また、国会における証言の取り扱いについては、国会において決めるべき問題であり、各党各会派において十分議論していただきたいと考えます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 116105254X00320041014_006

発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-10-14

院: 衆議院

会議名: 本会議