小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 太田議員にお答えいたします。
 連立与党としての日ごろからの御協力と建設的な御提言、感謝申し上げます。
 災害対策と三宅島の帰島対策でございます。
 高齢社会に即した災害対策については、防災担当大臣のもとに有識者等による検討会を設置して、対策の見直しと充実を図ります。特に、ひとり暮らしや介護を必要とする高齢者について、災害時の援助者を定めるなど救援プランの策定を自治体に働きかけるほか、こうした高齢者に関する情報を災害時に消防や警察などの救援担当機関が活用できる仕組みなど、必要な施策を速やかに講じてまいりたいと考えます。
 三宅島の帰島対策については、三宅島帰島対策関係省庁等連絡会議を設けて、必要な支援を行ってまいりました。三宅村は来年二月に避難指示を解除する予定ですが、政府としては引き続き、三宅村及び東京都から、村民の安全確保対策、基盤整備、生活再建対策などに係る考えをよく聞いて、三宅村の皆様が円滑に帰島できるよう万全を期してまいります。
 景気回復を確実なものにするため、適切な対策を講じていくべきではないかとの御指摘でございます。
 景気は、個人消費や設備投資を中心に民間主導で堅調に回復しておりますが、他方、回復の状況につきましては、地域間にばらつきが見られております。また、中小企業をめぐる環境については、大企業に比べてまだまだ厳しいものがあると認識しております。
 こうした認識のもと、政府としては、改革の成果を地域や中小企業に広く浸透させ、民間需要主導の持続的な経済成長を実現するため、地域再生の取り組みの推進、やる気と能力のある中小企業に対する支援等を推進してまいります。
 ペイオフ解禁拡大に向け、地域金融の安定を図ることが不可欠であるとの御指摘でございます。
 ペイオフの解禁拡大に向けては、金融機関に対する預金者等の信認を確保し、金融システムの安定を図っていくことが重要であります。このため、地域金融についても、引き続き、地域密着型金融の機能強化に向け、健全性の確保等を図りつつ、中小企業の再生と地域の活性化を図るための取り組みを着実に推進してまいります。
 まちづくり三法についてでございます。
 中心市街地の現状については、人口や年間販売額の点で、一部では改善傾向が見られるものの、全体としては厳しい傾向にありまして、その活性化が地域再生の観点から重要な課題となっていると存じております。このため、地域の創意と工夫に基づくまちづくりを支援するまちづくり交付金の創設などの措置を講じてきたところでありますが、さらに、御指摘の点も踏まえ、広域的な調整機能の強化など、中心市街地の活性化に必要な総合的対策について検討してまいります。
 中小企業対策ですが、やる気と能力のある中小企業がその力を発揮できるよう、担保や保証人に依存しない融資の拡大、中小企業に対する相談指導体制の充実、中小企業技術革新制度の拡充等、総合的な中小企業政策を強力に進めてまいります。
 住宅基本法の制定についてでございます。
 少子高齢化が進み、国民にはさまざまな要望が多様化しております。豊かな住生活を実現していくためには、従来の、つくっては壊すから、いいものをつくって大切に長く使う、こういう社会に移行する必要があると思っております。このため、良質な住宅ストックを有効に活用する観点から、例えば中古住宅流通や住宅リフォームの役割が重要になっております。また、民間にできることは民間にとの観点から、公団住宅に続き、公庫融資等の主要な政策手段を抜本的に改革するなど、住宅政策全般について見直しを行う必要があると考えております。
 住宅基本法の制定については、住宅政策全般の見直しの中で、基本法制のあり方として検討すべき課題であり、新たな住宅政策の理念や目標、国の役割等について国民の間での十分な合意が醸成されるよう、さらに幅広い検討をしてまいります。
 財源を含めた社会保障制度改革についてでございます。
 社会保障制度を持続可能で安定的なものとしていくためには、年金のみならず、医療、介護、生活保護等の各分野における総合的な改革を進めていく必要があります。
 このため、先般の年金改正法の審議を通じて、年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的な見直しについて議論を進めていく旨の三党合意がなされております。与野党が立場を超えて早急に協議を行うことが必要であると考えております。一方、政府としては、既に、社会保障制度全般について、税、保険料の負担と給付のあり方などを幅広く議論を進めるための社会保障の在り方に関する懇談会を設けて、その議論を進めております。
 こうした議論を踏まえまして、安心して暮らすことができる社会保障の構築に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えます。
 若年者の雇用問題でございます。
 御指摘のとおり、近年、フリーターに加え、働いていない、しかも教育も訓練も受けていない、いわゆるニートと呼ばれる若年者が増加しております。ノット・イン・エンプロイメント・エデュケーション・オア・トレーニング、これを略してニートと言っているそうであります。このような状況が続くと、本人にとっては技能、知識の蓄積がなされない一方、産業や社会を支える人材の育成が図られず、将来の我が国経済社会に与える影響は重大であると認識しております。
 このため、昨年六月に策定した若者自立・挑戦プランを強化して、新たに若年者の働く意欲や能力を高める施策に取り組むなど、総合的かつきめ細かな対策の展開に努めてまいりたいと考えます。
 郵政民営化の目的、必要性についてでございます。
 官から民へという方針のもとに、全国津々浦々の郵便局ネットワークを生かして、より便利なサービスが提供されること、郵貯、簡保約三百五十兆円の資金が民間で効果的、効率的に使われること、約四十万人の公社職員が民間人となり、小さな政府の実現に資すること、郵政公社に対する見えない国民負担が解消されること等を通じて、構造改革を一層前進させ、国民に大きな利益をもたらすことにあります。
 また、現在の郵政事業は、郵便局では郵便、郵貯、簡保しか取り扱えない等、業務範囲が制限されております。法人税等が非課税であること等、民間企業と対等な競争条件となっていないこと等の問題点もあります。これを解消し、経営の自由度を高め、民間企業と対等な競争を行って経済を活性化するとともに、よりよいサービスを提供して国民の利便性を向上させるためには、郵政民営化を実現することがぜひとも必要であると考えております。
 郵政民営化の法案策定、提出までのスケジュール、与党との調整についてでございます。
 今後、法案は先般閣議決定した基本方針に忠実に策定すること、簡素かつ一貫性のある制度、法律構成、組織であること、制度設計のプロセス、手続が透明であることという三つの指針にのっとって、与党等とも緊密に調整を行いつつ、詳細な制度設計の取りまとめと法案作成を行い、次期通常国会に法案を提出する考えであります。
 郵政民営化の制度設計に関する方針と職員の雇用についてでございます。
 先般、郵政民営化の基本方針を閣議決定し、その中で、民営化を進める上での五つの基本原則を踏まえ民営化を実現することとしており、今後、制度設計に当たっては、御指摘の基本五原則を十分踏まえて検討してまいります。
 また、職員の雇用の確保については、基本方針において、民営化時に公社職員である者は新会社の職員となることとしており、制度設計において反映してまいります。
 三位一体改革についてでございます。
 地方にできることは地方にとの理念のもと、これまでの地方分権改革の流れの中で議論されてきた国と地方の役割分担の考え方を前提として、それを財政面において担保する税財源のあり方について検討を行うべきものであると考えております。
 先般、関係大臣に、地方団体のまとめた補助金改革案を真摯に受けとめ、積極的に取り組むように指示したところであります。政府一丸となって、地方とも協議を行いつつ、年内には、補助金、税源移譲、地方交付税、これらの改革の全体像を決定したいと思います。
 教育問題への対策でございます。
 国づくりの基盤となるのは人であります。家庭、地域、学校が一体となって、新しい時代を切り開くたくましい人材を社会全体で育てていかなくてはなりません。このため、国立大学法人化等を通じた活力に富み国際競争力のある大学づくり、少人数授業や習熟度別指導による確かな学力の育成、スクールカウンセラーなどの教育体制の充実など、人間力向上のための教育改革に全力を尽くしてまいります。
 イラクのムサンナ県に対する支援についてでございます。
 我が国は、イラクにおいて、自衛隊を初めとする人的貢献とODAによる支援を車の両輪として進めていくこととしております。サマワを中心とするムサンナ県においても、水、衛生、医療、公共施設の復旧整備等の分野を中心として、特に市民の生活基盤の再建に重点を置いた復興支援を行ってまいります。今後とも、雇用拡大効果にも十分配慮し、ムサンナ県への支援を積極的に実施していく考えであります。
 拉致問題と六者会合についてでございます。
 安否不明の拉致被害者に関する真相解明は、喫緊の課題であります。次回実務者協議の進め方にも工夫をして、再調査の迅速な進展とその結果の速やかな提示につき、引き続き北朝鮮側に強く働きかけていく考えであります。
 また、我が国を含めた関係国は、六者会合を通じて北朝鮮の核問題を平和的に解決するとの立場を堅持しております。政府としては、次回会合を早期に開催すべく、引き続き関係国と緊密に協力しつつ、外交努力を重ねていきたいと思います。
 政治と金の問題についてでございます。
 政治家一人一人が、この政治と金の問題については、常に襟を正していかなければならないと思います。政治家というのは、人から言われるまでもなく、みずからにかかわる疑惑についてはきちんと説明することが重要であると考えます。
 また、不祥事の再発防止のため、政治資金を広く、薄く、公正に得るとともに、その透明性を確保する明確なルールをつくり上げる必要があると考えております。
 具体的な改正案については、現在自民党において議論をしておりますが、御指摘のとおり、公明党からも貴重な意見をいただき、また、野党からも提案が出されております。なるべく早期に、国民の幅広い理解が得られる内容がまとまるよう、与党を初め各党各会派間で議論を深めていくべきものと考えております。そのような議論を踏まえつつ、政府としても必要な検討を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣中山成彬君登壇〕

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-10-14

院: 衆議院

会議名: 本会議