小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 志位議員にお答えいたします。
 いわゆる迂回献金についてでございます。
 政治団体間の資金の移動については、政治活動の自由を尊重する観点から量的制限はなく、政治資金規正法上、それぞれの政治団体の収支報告書の公開を通じて、本来、透明性が確保されるべきものと承知しております。また、御指摘の政治資金規正法を脱法するようないわゆる迂回献金は、あってはならないものと考えております。
 企業・団体献金についてでございます。
 私は、必ずしも企業・団体献金が悪とは思っておりません。基本的には、政治資金を広く、薄く、公正に得るとともに、その透明性を確保する明確なルールをつくり上げる必要があると考えます。企業献金のあり方につきましては、これらを踏まえ、早期に国民の幅広い理解が得られる提案がまとまるよう、与党を初め各党各会派間でさらに議論を深めていくべきものと考えます。
 イラクが大量破壊兵器をかつて保有し、使用したというのはいつなのかというお尋ねであります。
 一九九四年二月の国連人権委員会での報告や、二〇〇三年三月の国連監視検証査察委員会の報告によれば、イラクは、イラン・イラク戦争中の一九八三年から一九八八年の間、大量の化学兵器を使用した。特に、一九八八年三月には、イラク北部にあるクルド人の町ハラブジャで、化学兵器を使って住民約三千二百人から五千人を殺害したとされております。
 一九九一年以降のイラクによる大量破壊兵器の保有及び使用についてのお尋ねでありますが、一九九九年一月、国連イラク特別委員会は、イラクが保有していた一部の大量破壊兵器が一九九二年以降に同委員会の監視のもとで廃棄されたと報告しています。また、二〇〇三年三月、国連監視検証査察委員会は、イラクが依然として大量破壊兵器を保有しているという疑惑を、具体例を挙げつつ安保理に報告しています。なお、一九九一年以降、イラクが大量破壊兵器を使用したことは承知していません。
 イラクがいつ国連の査察を拒否したかというお尋ねであります。
 イラクは、一九九八年一月、国連イラク特別委員会の査察を拒否しました。その後、査察は一たん再開されましたが、同年十月末、再び同委員会に対する全面的な協力停止を決定しました。九九年に国連監視検証査察委員会が設置されたものの、査察再開の合意は容易には得られず、二〇〇二年十一月まで査察活動は中断したままでした。
 また、二〇〇二年十一月に安保理決議一四四一が採択され、イラクへの査察が再開された後も、当時のブリクス国連監視検証査察委員会委員長は、イラクから十分な協力が得られなかったとの趣旨を安保理に対する報告において述べております。
 米国等による対イラク武力行使に対する支持及び自衛隊のイラク派遣についてのお尋ねであります。
 我が国が対イラク武力行使を支持したのは、イラクが十二年間にわたり累次の国連安保理決議に違反し続けたこと、また、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしなかったとの認識に基づくものであります。
 また、自衛隊のイラク派遣は、イラクの復興が中東地域ひいては国際社会の安定に極めて重要であることから、我が国としても、国際社会の責任ある一員として、国際社会の平和と安定に寄与するため、我が国にふさわしい支援を行っていくべきとの観点から行っているものであります。
 いずれの点についても、私の判断は適切であったと考えております。(拍手)
 改正年金法の前提が崩れており、改正年金法を白紙に戻すべきとのお尋ねであります。
 さきの通常国会で成立した改正年金法は、長期的な給付と負担の均衡を確保するという課題に正面から取り組んだものであり、政府としては、その内容を国民に対し引き続き説明し、着実な施行に努めているところであります。
 改正年金法の前提となる数字が虚構であったとの御指摘でありますが、これらの数字につきましては、法案提出時点で判明している社会経済状況をできる限り織り込み、設定したものであります。
 なお、平成十五年度の国民年金の納付率、厚生年金の赤字についてはおおむね予測どおりとなっており、また、平成十五年の出生率は、年金財政再計算の前提を下回っておりますが、長期的な趨勢から大きく外れるものではないと考えております。
 現在、政府においては、経済界、労働界などの参加を得ながら、年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的見直しについて幅広く議論を進めております。今後も、こうした議論を通じ、年金制度に対する国民の信頼を高めていくよう最大限努力してまいります。
 介護保険制度についてでございます。
 利用者、サービス量の大幅な増加などに見られるように、国民の老後の安心を支える仕組みとして所期の成果を上げております。低所得者に対しては、既に現行制度において、所得に応じた保険料設定や利用者負担の軽減など、その負担の軽減を図っているところでございます。
 郵政民営化についてでございます。
 郵政民営化は、全国津々浦々に置かれている郵便局ネットワークを生かして、より便利なサービスが提供されるようにするものであります。このような観点から、先月閣議決定をした基本方針においては、郵便貯金会社及び郵便保険会社にはユニバーサルサービスを義務づけることは盛り込んでおりませんが、両事業の窓口業務は、住民のアクセス確保が努力義務となる窓口ネットワーク会社に委託することとしており、また、窓口の配置については過疎地の拠点維持に配慮している、そういうことから、御指摘は当たらないものと考えます。
 郵貯、簡保の業務内容を民間金融機関と同様にするというのは国民サービスの切り捨てではないかというお尋ねでございます。
 郵政民営化は、郵貯、簡保を含む郵政公社の四機能の潜在力を十分に発揮させ、市場における経営の自由度の拡大を通じて良質で多様なサービスが安い料金で提供されるようにし、国民の利便性を最大限向上させるものであります。このような観点から、基本方針におきましても、民営化後、イコールフッティングの度合いや国の関与のあり方等を勘案しつつ、郵政公社法による業務内容等に対する制限を緩和し、最終的な民営化においては民間企業として自由な経営を可能とするとしたものであり、国民サービスの切り捨てとの御指摘は当たらないものと考えます。
 郵貯、簡保の資金を使ったむだな公共事業をやめることが必要ではないかとのお尋ねでございます。
 国民の貯蓄を経済の活性化につなげるためには、資金の流れを官から民へと改革する必要があります。このため、まず、資金の流れの出口については、既に財投計画や特殊法人等の改革が進められており、郵貯資金等の財投への預託義務が廃止され、また、移行後の独立行政法人等向け財政支出を含め、特殊法人向け財政支出をおおむね一兆四千億円削減する等、改革の成果が上がってきております。
 郵政民営化は資金の流れの入り口の改革でありますが、政府保証が付されている郵貯、簡保が家計の全金融資産の四分の一を占め、その大部分を公的部門に還流させております。このような公的な資金の流れを民間に流れるようにするのがこの改革の意義であり、出口の改革と相まって、官から民への資金の流れを実現するために不可欠な改革であると考えます。
 在日米軍の再編と日米安保条約でございます。
 在日米軍の兵力構成の見直しに関する日米間の協議においては、具体的な見直しのアイデアについて議論はされておりますが、これらのアイデアは、いまだ正式な提案やそれに対する対案という位置づけではありません。また、アメリカ側との関係もありますので、議論の内容を現在申し上げることはできません。
 いずれにせよ、本件見直しは、当然のことながら、現行の日米安保条約第六条を含め、同条約の枠内で行われるものであります。
 在日米軍の縮小及び在日米軍基地の撤去についてでございます。
 アジア太平洋地域に依然として不安定性や不確実性が存在している中で、我が国としては、日米安保条約を引き続き堅持していく方針でございます。米軍の前方展開を確保し、もってその抑止力を通じ、日本の安全と独立を確保することが必要であります。
 政府としては、在日米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄等地元の過重な負担の軽減を図る観点から、在日米軍の兵力構成見直しについてのアメリカ側との協議を今後とも進めてまいりたいと思います。(拍手)
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発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-10-14

院: 衆議院

会議名: 本会議