山本順三の発言 (憲法調査会)
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○山本順三君 自民党の山本順三でございます。このような発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございました。
私は長年地方政治にかかわってまいりまして、その経験からいきますと、やはり基礎的な自治体というものが充実強化をされること、そして地方分権が推進されること、これが正に住民の福祉の向上につながっていくんだということを確信をしておる者の一人でございます。国においても、地方分権推進法であるとか、あるいはまた地方分権一括法等々で地方分権の流れというものが明確になってまいりました。
こういった観点から考えますと、やはり我々は、憲法の中で、第九十二条、「地方自治の本旨」という言葉がございますけれども、より明確な規定というものをしていかなければならない、このように考えております。
特に、地方分権の立場から考えましたときに二つ考えていかなければならないと思いますけれども、その一つは、何といっても地方自治の位置付けをどうしていくかということであろうかというふうに思っております。地方自治、自主性とかあるいは自立性というものを高めていく、そのためには国と地方の関係というものが命令服従から対等協力なんだと、このことの原理というものをしかと憲法に規定していくことが必要であろうかと思います。もう一点、地方分権の考え方という観点でございますけれども、国と地方の役割分担というものを具体的にどうしていくのかという議論が必要でありましょうし、その具体的な分担基準というもののベースというものはやはり憲法に規定していく必要があるのではないか、このように考えておるところでございます。
分権に関連いたしまして、市町村合併について若干触れたいと思いますけれども、私の地元の愛媛県は七十の市町村が十八ないし二十になろうかというふうなことでございますし、私の地元の今治市というところは十二の市町村が来年一月に合併をする、こういうふうなことであります。
ただ、行財政の効率化であるとかあるいはまた有効性というものを高めるために、地方自治体のあるべき機能というものがどういうものなのか、何が最善なのか、こういったことを考えたときに、先ほど申し上げましたけれども、国と地方の役割分担の議論というものをしかとした上で、合併、これを進めることが望ましいというふうに考えておるところでございます。
あと、市町村合併が進んでまいりますと、当然、都道府県の役割、権限というものは低下するのは当然でございまして、そういった意味におきましても、道州制の導入ということについては当然このことを考えていくことが必要であるということだけ付言させていただきたいというふうに思っております。
あと、地方分権、地方財政の在り方ということについて若干申し述べたいというふうに思いますけれども、何といっても、地方が真に自立するためには、与えられた権限、責任を果たすために見合った自主財源の確保というものが大変重要でございまして、財源なくして自治なしという言葉にそれが表れておるんだろうというふうに思います。
そのような観点で、今、国におきましては三位一体の改革というものが進んでおるわけでございますけれども、例えば昨年、平成十六年度どういう状況になったかといいますと、補助金が一兆三百億円の減、あるいは地方交付税が二兆九千億の減、しかしながらそれに見合った税源移譲というものはたったの六千六百億ということでございまして、地方行政が極端に疲弊してしまう、あるいはまた地方の怒りというものが国にぶつけられる、こういうふうな状況になったことはもう皆さんも御案内のとおりであります。
そのことに関連して、本年度は三兆円の税源移譲をしよう、それに見合った補助金をカットするようにということで地方六団体からの対応もあったわけでございますけれども、私はこのことに関しましては、ただ単なる数字合わせには決して終わってはいけない、国と地方の役割分担を明確に議論をした上でこれからの方向性を明確にしていくべきだと、このように思っております。
ただ、一つ心配な点がございますけれども、税源移譲いたしますと、何といっても地方間の格差というものがどんどん広がってくるという危険性がございます。したがって、それを埋めるのが地方交付税でありますけれども、この地方交付税の先行きというものが非常に不透明であるということでございますから、この辺りをしかと我々も考えていかなければならないというふうに思いますし、義務教育の国庫負担金の問題につきましても、これ、いろいろ議論が行われておりますが、ナショナルミニマムということを留保しながら補助金をどうしていくかという議論もしていかなければならないと思います。
そういった意味で、地方財政の在り方としては、地方の自主財源の保障、それから国の財政調整制度の確立、この二点を明確に地方財政として憲法に明記をしていくべきだと、このことを申し添えたいと思います。
なお、最近、イタリアとかフランス辺りでもこのような観点からの憲法改正が行われたというふうにも聞いておりますので、その方向での御議論をよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。