高嶋良充の発言 (憲法調査会)
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○高嶋良充君 民主党の高嶋良充でございます。
私も、地方分権を推進をするという立場から若干発言を申し上げたいというふうに思います。
私は、地方自治をこの憲法的な側面から論じる場合には、行政主体ということよりも統治主体の側面を重視をする場合に必要があるんではないかなと、こういうふうに思っているところです。ということは、行政権の一定の拡大は現憲法でも一定可能なのではないかと。ただし、統治権限を拡大をしていくという場合には、憲法改正も必要になってくるんではないかなと、こういうふうに思っているところであります。
具体的に申し上げれば、今までから、同僚議員からもかなり出ておりますけれども、一九九九年に成立をいたしました地方分権一括法によって、国と自治体の関係が今までは上下、主従的な関係であったけれども、一応、対等協力関係へと改革がされたと。ただ、財源的に制約がありますから、すべてにわたって自治体が自主決定、あるいは住民の自己決定の範囲が広がったということにはなりませんけれども、ある程度の地方自治の保障が拡大をしたことは論をまたないというふうに思っております。
こういうふうに、行政権の拡大については、現憲法下の先ほどからも言われております憲法九十二条の地方自治の本旨の解釈、あるいは地方自治法等の下位法律の改正によってある程度は可能なのではないかなというふうに思っています。
しかし、もう一歩踏み込んで、あるいは進めてといいますか、先ほど山本委員の方から、対等協力の関係の役割分担を憲法上規定すべきだということがありますけれども、私は、対等協力の関係は今の憲法上でもいけるんではないか。ただし、国と地方を対等独立の関係にもう一歩進めて持っていくと、こういうことになってくると、これは憲法改正ということを視野に入れなければならないんではないかというふうに思っています。
私が考える対等独立の関係というのは、国イコール連邦的な国家体制でありますし、自治体イコール州という考え方になってくるというふうに思いますが、権限が憲法で明記をされて、両者の対等独立関係が憲法レベルで保障されている、そういうタイプを私の場合は指しているわけですけれども、自治体は、立法、行政にとどまらずに、場合によっては司法権まで有しているという、そういう関係まで一歩進めるということになれば、当然、中央政府と地方政府という関係になってくるわけですから、憲法の改正を視野に入れるべきだというふうに思っているところでございます。
とりわけ、現憲法下でも問題点を抱えていることは事実であります。先ほどから出ているように、第一には、条例制定権はあるけれども、じゃ、そのことによって、立法・司法権を保障されているのかということではそうではないという部分もございますし、地方自治の本旨ということが具体的に明文化されていないということによって、一体地域社会にかかわることは何でも自己決定できるんだろうかと、あるいはできないことがあるのであればそれは何なのかと、そういう部分が明確になっていないということもございますし、先ほど申し上げました条例制定権も、保障はされているけれども法律の範囲内でしか許されていないという、こういう部分があるわけでございまして、これらの部分をどう強化をしていくかというのを現憲法下でできるのか、それとも憲法改正が必要になってくるのかというのは、これはきちっと議論をしていく必要があるんではないかなというふうに思っておりますし、地方政府の自立を目指す司法権の保障までもしていくということになれば、当然のこととして憲法規範上の現在の制約を取り除くための憲法改正は当然視野に入ってくるんではないかなというふうに思っています。
ただ、現在の我が国の中央集権的に発展をしてきた中央と自治体という関係からいって、先ほどから補完性の原理という話が出ておりますけれども、ヨーロッパで発達をしてきたこの補完性の原理を軸にして、地方自治体の住民民主主義や地方自治が今まで保障されてこなかったという、そういう側面からいえば、住民の自治意識というのはかなり意識的にはまだまだ弱い、国への依存関係の方が強いと。
そういう状況の中に一挙に、私が言うような独立性を保障することまで踏み込めるのかどうかというのは、これは議論のあるところだろうというふうに思っておりまして、そういう観点から申し上げますと、当面、行政権の拡大を図りつつ、住民民主主義の発展過程に合わせて、将来的には独立原則に基づいた憲法改正も視野に入れていくべきではないかと、そういうような考え方を持っております。
以上です。