白浜一良の発言 (憲法調査会)
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○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。
いろいろ議論されたと思いますが、私はこの地方自治に関しまして二点だけ意見を、私の意見を述べたいと思います。
一つは、これはもうよく言われていることですが、憲法にはこの地方自治がたった四条しか規定されていないわけでございまして、まして、その中に「地方自治の本旨」というふうに書かれておりますが、確かに団体自治と住民自治と、こういうふうには言われているわけですが、その中身が具体的に明示されていない、これはよく言われていることでございまして、そういう意味で、今後の日本の国の形を作る意味でも、また自主的なこのいわゆる地方の自立ということを考える意味でも、もう少し具体的に明示をすべきじゃないかというのが私の意見でございまして、そのためにこの地方自治の原則として考えなければならないことは、一つは、国が地方自治体それから地域住民の意見を尊重するという、そういうことが内容的になければならないということが一つでございます。それから二つ目には、地方自治体は、自立ということも大事でございますが、同時に責任という原則も持つべきだということでございます。それから三つ目は、財政基盤を確保するため財政的自立を明確にすると、こういうことがやっぱり内容的にきちっとしていかなければならないと私は思うわけでございます。
それからもう一点意見を述べたいことは、いわゆるこの地方自治の二層制の件でございます。
確かに都道府県ということと市町村という二層制で地方が成り立っているわけでございますが、私の個人的な考えは、もう少し日本の歴史を踏まえてこういう地方というものを組み立てていくべきだというふうに考えております。
と申しますのも、日本の歴史の中で地方というものが意識されたというか確立されていく過程というのは、当然、自然にそういう集落が形成されていくわけでございますから、農村ができたり山村ができたり漁村ができたり、そういう集落ができてまいりましたけれども、やっぱり一つの国家という形態の中で地方が確立されたのは律令体制が確立されていく過程でございまして、まあ私が言うまでもございません。皆様方よく御存じでございますが、律令体制の中でその地方のつかさとして国司が置かれて、播磨の国、摂津の国、そういう国が作っていかれたと。その中には当然、漁村もあれば農村もあれば山村もあればという、そういう発生過程がございます。
それから、武士社会になりまして、特に江戸時代でございますが、今度は城下町を中心とした藩というものが形成されたわけでございます。そういう中でいわゆる明治維新が起こって、いわゆる近代国家の形としての日本が形成されたと。当然そのときは、中央集権国家を作るのが最大の目的でございましたから、例えば都道府県の形成にしても極めて恣意的に作られたわけですね。どういう形でこの地方を束ねるのが中央集権国家としていいか、まとめやすいかということで、当時の官僚たちが考えまして、私よく例示するんですが、例えば兵庫県という県がございます。昔の国でいいますと、摂津の国があり、播磨の国があり、但馬の国があって、丹波の国があって、そういう、昔の地域でいいますと、そういうところが全部合わせて兵庫県という県が作られたと。市町村にしても、まあそういう集落そのものが市町村になった場合もございますし、昭和の合併も含めて、そういう幾つか集まって市町村を、今日の市町村を形成したと、こういう経過もございますが、それぞれ、その地域地域の意図で形成されてきているわけでございます。
ですから、私は、今市町村合併がいろいろ行われておりますけれども、基本的に大事なことは、まず基礎的自治体をきちっと確立していく流れが大事だと思うわけです。
例えば、何か、今回新潟の地震で大変被害に遭われた方は御苦労されておりますが、もし災害が起こっても、その災害に対応できないような自治体ではこれは意味がないわけでございまして、住民のいろんなニーズにこたえられるような、そういう、別に私は人口とかそういうことを言っているわけじゃございません。そういうことができるのが基礎的自治体でございまして、そういう意味では、当然そこに行き交う人の交流とか含めて、またその地域の歴史も踏まえてきちっとしたこの市町村合併が進められるべきだと。そして、この基礎的自治体というものをきちっと確立していく流れが必要だと私は思います。
そういうふうなことがきちっとなれれば、当然、恣意的に作られた、百年以上の歴史はございますけれども、この都道府県というのはいかがなものかと、それでいいのかどうかということが議論が出てくるわけで、私は、余り、道州制がいいということで上から作っていくという発想よりも、基礎的自治体の流れをしっかりくみ上げて、そこで当然都道府県の役割というものは極めて限定したものになっていくわけでございますから、もう少し広域的な、そういう二層制の在り方というものを考えるべきだということが私の意見でございまして、憲法に明記する地方自治を考えるに当たりまして、私の二点にわたる意見を述べさせていただきました。