舛添要一の発言 (憲法調査会)
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○舛添要一君 我が国の現憲法では、地方自治、第八章九十二、九十三、九十四、九十五と四条にしかなっていない。このことについて、先ほど森元委員からもありましたように、ある意味であいまいであるし、いろんな解釈を許す。したがって、私が今から述べることは、憲法に書くべきことではないですけれども、この国の形をどうするのかということをやっぱりしっかり議論をする必要がありまして、それを地方自治法という下位規定の中に書くのかどうなのかを含めて、その認識がないといけないと思います。
つまり、この今の憲法の第八章の規定は、どういう国の形であっても適用できるような非常に抽象的な形のままであるわけですけれども、日本が近代国家としてスタートする明治維新のときには、主として西郷隆盛が頑張りまして、廃藩置県ということをやった。これは江戸時代が幕藩体制で非常に地方分権的である意味であって、薩長は中央政府の徳川とは違うことをやると。
しかし、近代国家は帝国主義の時代において日本が生き残るためには富国強兵ということとその中央集権やらざるを得ない。どの国もそうであったと、ある意味で。したがって、徴兵制という富国強兵からくる、それはある意味で憲法規定になる。しかし、この国の形については、やはり時代の流れということがあって、今の例えば、これは松井さんの専門でありますけれども、情報通信の発達とかいろんな社会的条件を見ても、どうしてもやっぱり今からの時代というのは地方分権をやらざるを得ない。
そうすると、私も実を言うと道州制と市町村というような形で大きく、逆の廃藩置県ですね、具体的に言うと、四十七都道府県を廃止して、九州は一つ、四国は一つ、東北六県は一つというような形でやらないと、今の例えば台風や地震の災害だって、地域を超えて出てきているわけですから、やっぱり広域の行政をやらざるを得ない。そういう国の形をきちんと我々が議論をしないで、場合によっては憲法に書いてもいい、しないでぽんと三位一体の話が出てくる、市町村合併が出てくる。したがって、郵政民営化もこれに関係してあるので、道州制で地域分割するのかしないのかということで、郵政民営化やるならやるでも在り方が全然違ってくると思うんですね。
したがって、日本が今二つに分かれつつある。東京にいれば何もかも郵便局がやっているような機能を代替する機関が全部あるけれども、田舎に行けば郵便局しかないと、こういう状況であるわけですから、この国の形をどうするのかという大きなグランドデザインがないところで、今の政権の下で様々な政策が出てきている。したがって、国民も説明不足であるということがあるわけですから、是非、この点の本質的な議論がない形での目先の議論、私は国の最高指導者はそういう大所高所に立った哲学的、歴史的見解を述べるべきであると、こういうふうに思っております。
第二点は住民投票絡みでありますけれども、先ほど我が自民党の森元さんが第九十五条は要らないんじゃないかということはありましたけれども、例えば沖縄について日本国家でどう決めるというときには、これは沖縄の県民の同意がなければならないので、これは削除する必要はないし、やはり国と地方との見解のそごのようなことがあったときは九十五条は生きてくると思います。
しかし、今はやりの住民投票ということについては、大きく言って二つ道があるんです。一つはこれをちゃんと法的に位置付ける、第二番目は住民投票を完全に禁止する。つまり、何が起こっているかといったら、法律の範囲内でと書いてあるわけですから、この日本国憲法におきましてはですね。しかし、現実に住民投票、これは米軍基地の問題であり、原子力発電所の問題であり、産廃の問題であり、いわゆる括弧付きの迷惑施設というものが出てくるときは、基本的にはその地域の人というのは余り賛成しません。
しかし、日本国、我々国会議員が例えばその日米安保条約というものを国の方針として多数決原理で決めたときには、これは国の政策であるわけです。それと基地の問題。これ、各地域の住民の意見と我々の国会の方針とどちらが重いかといったときには、法律の範囲内でと書いてある以上は、基本的に言うと各省の省令以下の重みしか住民条例に基づくこの投票は持たないんです、法的には。
しかし、政治的には非常に大きな意味を持って、その住民が示した意思と反対の形での、例えば首長選挙でやって、反対の意見を出した首長は葬り去られる。そうするとおかしなことになるので、明確に住民投票をこの地方自治の中で憲法上ないしそれに関連する法律の、その下位の法律の下で決めるか、ないしはこういうあいまいなことは九十五条に書いてあること。
それから、今のリコール、地方自治体の議員とか首長のリコールに絡む、ちゃんと地方自治法に決めた住民投票以外は一切禁止するという形で処理をするのか。いずれにしても、この点についてはもっと議論を深めるべきであるというふうに思います。
以上です。