小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 浜四津議員にお答えいたします。
 被災者支援及び災害対策でございますが、政府は、御指摘のような各種の制度を積極的に活用して、被災地の早期の復旧・復興、被災者への支援に全力で取り組んでおります。
 激甚災害の指定については、災害発生の実態に即して速やかに判断することにより、地方公共団体が安心して災害復旧事業に取り組めるよう今後とも努めてまいります。
 さらに、公共事業全体の見直しに際しても、防災の重要性にかんがみて、中小河川の整備の在り方や水防体制などを抜本的に見直すなど、水害・土砂災害対策を強化して、御指摘のような災害に強い国土を作っていきたいと考えております。
 郵政民営化についての世論調査の数字が低いと、これについてどう思うかということでございますが、私は、この郵政民営化というのは経済活性化、行財政改革、欠かすことのできない大事な改革であると思っております。
 行財政改革に反対する人はほとんどいないと思います。民間にできることは民間に、これもほとんど賛成しているんです。しかし、郵政民営化は反対だと。公務員じゃなきゃなぜできないのか、私、不思議に思っているんです。私は、この郵政民営化反対、そして行財政改革をやれということは、手足を縛って泳げというようなものだと思っております。そんなことはでき得ない。だから、この郵政民営化の重要性を毎々指摘してきていたんです。
 ほかにも重要な問題、たくさんあります。年金、社会保障。しかし、これは私が総理大臣でなくても、だれが総理になってもやらなきゃならない改革であります。しかし、郵政民営化問題は政界のタブーだった。私が総理大臣でなければ議題にすらならなかった問題であるはずであります。その総論賛成各論反対、最も大きな問題に私が手を付けようとしていることであります。
 いずれ、これが来年法案化して国会に提案されればなお詳しい説明をいたします。そうすることによって必ずや国民の多数の理解を得られることができると確信しておりますし、私も説明に全力を傾けてまいります。
 郵政民営化の基本的な事項、今後の取組についてでございますが、現在の郵政事業には、郵便局では郵貯、郵便、簡保しか取り扱えない等、業務範囲が限られていること、法人税等が非課税であること等、民間企業と対等な競争条件となっていないこと等の問題点があります。
 このため、官から民へという方針の下に、郵政事業の四つの機能を市場原理の下で、それぞれ新たな四つの会社として自立した存在とする民営化を進めることにより、全国津々浦々の郵便局ネットワークを生かしてより便利なサービスが提供されること。郵貯、簡保三百五十兆円の資金が民間で効果的、効率的に使われること。約四十万人の公社職員が民間人となり、小さな政府の実現に資すること。郵政公社に対する見えない国民負担が解消されること等のメリットを引き出し、構造改革を一層前進させ、国民の利便性の向上を図りたいと考えております。
 また、現在の郵政事業を取り巻く内外の経済社会環境は、通信、輸送手段の発達や金融の技術革新などにより劇的に変化しています。このような環境変化に適切に対応するためには、直ちに民営化に取り組む必要があると考えております。
 今後の取組についてのお尋ねでございますが、平成十九年四月からの郵政民営化に向け、法案は先般閣議決定した基本方針に忠実に策定すること、簡素かつ一貫性のある制度・法律構成、組織であること、制度設計のプロセス、手続が透明であることという三つの指針にのっとって、与党等とも緊密に調整を行いつつ、詳細な制度設計の取りまとめと法案作成を行い、次期通常国会に法案を提出する考えであります。
 政治資金の規制についてでございますが、具体的な規制の内容については、現在自民党において議論が行われておりますが、議員御指摘のとおり、公明党から貴重な意見をいただき、また野党からも提案が出されております。なるべく早期に国民の幅広い理解が得られる内容がまとまるよう、与党を始め各党各会派間で更に議論を深めていくべきものと考えております。そうした議論を踏まえつつ、政府としても必要な検討を進めてまいります。
 ヘリ墜落事故についてでございますが、今回のような事故の発生は極めて遺憾であり、事故後直ちにアメリカ側に対して徹底した事故原因の究明と再発防止に全力を挙げるよう要請するとともに、各省庁に対して内閣一体となった取組を行うよう指示いたしました。
 八月二十五日に私は稲嶺知事と会談し、事故の状況と地元の要望について詳細な説明を受けて、多くの米軍施設を抱える沖縄県民の負担の重さを改めて深く認識いたしました。その後、日米合同委員会の下に新たな分科委員会を設置して、事故発生時における対応について日米間の協議の仕組みを充実させるとともに、沖縄危機管理官の設置など政府一丸となった取組を確保する体制の整備を図っております。
 普天間飛行場の問題でございますが、市街地にあることもあり、一日も早く周辺住民の方々の不安を解消したいと考えており、平成十一年の閣議決定等に従い、沖縄県等の地元地方公共団体と十分協議を行いながら、早期の移設、返還に向けて全力で取り組んでいるところでございます。
 沖縄の負担軽減についてでございますが、内閣の大きな課題であります。在日米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄等地元の過重な負担の軽減を図る観点から、在日米軍の兵力構成見直しについて米側との協議を進めてまいります。いかに沖縄の負担軽減を実現するかについては、様々な可能性を現在追求しているところであります。具体的には、今後の協議において議論されていくことになります。
 日米地位協定でございますが、政府としては、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考えの下、運用の改善に努力しているところでございます。
 年金一元化を含む社会保障でございますが、急速な少子高齢化が進む中に、社会保障制度を将来にわたって持続可能な安定的なものとしていくためには、年金のみならず、医療、介護、生活保護等の各分野における総合的な改革を進めていく必要があると考えております。
 このため、先般の年金改正法の審議を通じまして、年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的な見直しについて議論を進めていく旨の三党合意がなされました。与野党が立場を超えて早急に協議を行うことが必要であると思っております。一方、政府としては社会保障の在り方に関する懇談会を設置して、社会保障制度全般について、税、保険料の負担と給付の在り方などを幅広く議論を現在進めております。
 このような議論を踏まえ、社会保障の問題につきましては、国民が安心して暮らすことができるような制度全体の構築に向け、今後も全力で取り組んでまいりたいと考えます。
 金融機関の中小企業に対する融資でございますが、中小企業への融資については担保、保証に過度に依存せず、企業の事業計画、財務状況等を的確に把握し、その評価に応じた融資を行うことが重要であると考えます。政府としては、これまでもこうした融資への取組を金融機関に対して繰り返し要請してきたところであり、今後とも同様の取組を促してまいります。
 ドクターヘリの問題でございますが、ドクターヘリによる迅速な患者の輸送は有効だと考えております。導入開始以来、着実に搬送の実績を重ねているところでございますが、議員御指摘のとおり、まだまだ不十分な点が多々あると思っております。今後とも、複数の県にまたがる広域運航や消防防災ヘリの利用も併せて普及させていくべきではないかと考えております。
 循環型社会でございますが、小泉内閣におきましても環境保護と経済発展を両立させる、これは大変重要な課題だと認識しております。このため、製品廃棄後の生産者の責任の範囲など、拡大生産者責任の考え方を含めた容器包装リサイクル法の検討など、廃棄物削減、再使用、再生利用、いわゆるリデュース、リユース、リサイクル、この三つのRの対策について積極的に取り組んでまいります。
 また、不法投棄問題については、その撲滅を目指し引き続き強力な取組を進めてまいります。
 司法制度改革でございますが、今後は一連の司法制度改革の成果を国民が実感できるよう、改革の本旨に沿った運用を図ることが重要であります。
 法務省等の実施担当省庁と総合調整を担当する内閣において所要の体制を整備し、国民への啓発活動を進めるなど、司法を国民に身近なものとするための施策を引き続き講じてまいりたいと考えます。
 人身売買などの人身取引についてでございますが、人身取引は重大な人権侵害であります。我が国においても、売春や強制的に就労させる目的などでの人身取引が、人道的な観点からも深刻な問題となっていると認識しております。
 政府としては、本年四月に人身取引対策に関する関係省庁連絡会議を設置したところであります。年内には人身取引の防止、撲滅と被害者の保護に向けた行動計画を作成することとしており、人身取引の問題に関する啓発活動や罰則の整備を進めるとともに被害者の保護、支援に政府全体として取り組んでまいります。
 若年者の雇用問題についてでございますが、近年、フリーターに加えて、働いておらず教育も訓練も受けていない、いわゆるニートと呼ばれる若年者が増加しております。こうした若者に対しては、御指摘のとおり、個々の抱える問題に対応したとりわけきめ細やかな支援が必要であると認識しております。
 今後の施策の推進に当たっては、NPOやボランティア団体を活用した専門的な相談援助の実施や労働体験を通じた社会参加意欲を喚起する取組など、若年者の働く意欲や能力を高めるための総合的な対策の展開に努めてまいりたいと考えております。
 身体障害者補助犬についてでございますが、この補助犬は、必要とする障害者のある方々にとって生活していく上で欠かせない存在となっております。その普及は今後ますます重要な課題であると認識しております。
 このため、補助犬の育成、普及啓発に努めてきたところでありますが、御指摘のように、関係者の御意見を今後もよく聞きながら更なる普及に一層努めてまいります。
 アニマルセラピーでございますが、ペットが日常生活を豊かにする、この役割は大変大きいものと私は考えております。
 高齢者や障害者のケアの現場でも、動物が一定の役割を果たしていくことは意義のあることであり、御指摘のいわゆるアニマルセラピーについては、その有効性について科学的な検証が必要であると聞いております。今後、有効性が認められれば、その普及方策を更に検討してまいりたいと考えます。
 NPO支援についてでございますが、NPOは行政でも企業でもない第三の主体として国民の多様な要望にきめ細かくこたえ得る組織であり、これからの経済社会において大きな役割を果たすことが期待されております。このため、政府としては、NPO税制の活用増進、情報提供の充実、NPOが十分に活躍できるような環境の整備に引き続き努めてまいります。
 スポーツ選手の活躍についてでございますが、アテネ・オリンピック、パラリンピック、あるいは高校野球、大リーグ、イチロー選手のみならず松井選手も、また野茂選手も佐々木選手も、もう数多くの日本選手が大リーグで一流選手に伍して、大リーグ選手に劣らない活躍をしているということは本当にすばらしいことだと思います。
 自分の才能に加えて、この才能におぼれることなく非常な努力を重ねてこのような活躍をしているということに対しては、多くの国民も勇気付けられ、感動を得ていると思います。こういう選手の方々には、私は心から敬意と称賛の言葉を惜しむものではございません。
 また、こういう選手を見て、自分も頑張らなきゃいけない、また、将来ああいう選手になりたいなと思っている国民もたくさんいると思います。そういう多くの方々の活躍を見ながら、自らも頑張ろうという気持ちを多くの国民が持っていただければ大変すばらしいことだなと思っております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣北側一雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-10-15

院: 参議院

会議名: 本会議